力学Ⅱ

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 力学Ⅱ
科目番号 0030 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 総合理工学科(機械システム系) 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:青木ほか「工業力学」(森北出版), 参考書:竹中,蒲田「工業力学例題演習」(コロナ社)など
担当教員 山本 吉範,松本 良雄

到達目標

学習目的: 工業製品の設計の基礎となる力や変位などを,主に静力学を中心に,解析し得る能力を養う。

到達目標:
1. 力の表し方とモーメントおよび物体に作用する力を理解し,計算できる。
2. 重心の意味を理解し,平板および立体の重心位置を計算できる。
3. 剛体の運動を理解し,剛体の運動を計算できる。

ルーブリック

不可
評価項目1力の表し方とモーメントを理解し,物体に作用する力について法則および図やグラフを用いて解ける。力の表し方とモーメントを理解し,物体に作用する力について解ける。力の表し方とモーメントおよび物体に作用する力について理解できる。左記内容に達していない。
評価項目2重心の概念を理解し,各種の物体の重心位置を求めることができる。重心の概念を理解し,規則的な物体の重心位置を求めることができる。規則的な物体の重心位置を求めることができる。左記内容に達していない。
評価項目3各種剛体の運動を理解し,運動法則を用いて運動を方程式で表せ,解くことができる。簡単な剛体の運動を理解し,運動法則を用いて運動を方程式で表せ,解くことができる。簡単な剛体の運動について運動法則を用いて解くことができる。左記内容に達していない。
     

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般・専門の別:専門 学習の分野:工学基礎

必修・履修・必履修・選択の別:必履修                                       
基礎となる学問分野: 工学/機械工学

総合理工学科学習目標との関連: 本科目は総合理工学科学習・教育目標「②確かな基礎科学の知識修得」に相当する科目である。

技術者教育プログラムとの関連: 本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化」,A-1:「工学に関する基礎知識として,自然科学の幅広い分野の知識を習得し,説明できること」である。本科目は,大学相当の内容を含む科目で,技術教育プログラム履修認定に関係する。

授業の概要:工業力学は初等力学の応用面を主体にした科目である。力学の法則・原理は極めてわずかなものであるが,実際の問題を解く段になると,案外難しく容易に解けない場合が多い。本科目では,力のつり合いなどの静力学を中心に工学的現象の解析方法について解説する。

授業の進め方・方法:
授業の方法: 板書きを中心に授業を進める。その中で出来るだけ実物例との関連に注意しながら授業を進める。また,理解が深まるよう演習・レポート・小テストを課す。

成績評価方法: 定期試験の結果をそれぞれ同等に評価する(70%)。小テスト・演習・課題レポート(30%)。総合成績が60点未満の者に対しては,学年末までに再試験を行うことがあり,定期試験と同等に扱う。各試験は筆記用具および電卓のみ持ち込み可能とする。
注意点:
履修上の注意: 学年の課程修了のため履修が必須である。

履修のアドバイス: 物理の力学が基本であり,かなり数学的であるので,物理と数学の基礎をしっかり確立しておくことが肝要である。

基礎科目: 物理Ⅰ(1年),物理Ⅱ(2)

関連科目:機械力学(4年),振動工学(専2)


受講上のアドバイス: 本科目は,メカトロニクス人材育成関連科目である。工業力学は機械系科目の基礎科目である。応用力を身に付けるためには,力学系の演習書の問題を解くことをすすめる。予習と復習を随時行うこと。また,課題レポートは指定期限までに必ず提出すること。20分を越える遅刻は,1欠課と見なすので注意すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,講義の概要,力,1点にはたらく力の合成と分解 左記内容を理解できる。
2週 3力以上の力系の合成,力のモーメント,偶力,力の置き換え 左記内容を理解できる。
3週 着力点の異なる力の合成 左記内容を理解できる。
4週 1点にはたらく力のつりあい,接触点や支点にはたらく力 左記内容を理解できる。
5週 着力点の異なる力のつりあい 左記内容を理解できる。
6週 重心と図心,物体の重心 左記内容を理解できる。
7週 回転体の重心,物体のすわり 左記内容を理解できる。
8週 (前期中間試験)
2ndQ
9週 前期中間試験の返却と解答解説,点の運動 左記内容を理解できる。
10週 直線運動,平面運動,円運動 左記内容を理解できる。
11週 運動の法則,慣性力,向心力と遠心力 左記内容を理解できる。
12週 剛体の回転運動と慣性モーメント,慣性モーメントに関する定理 左記内容を理解できる。
13週 簡単な物体の慣性モーメント 左記内容を理解できる。
14週 剛体の平面運動,剛体の平面運動の方程式 左記内容を理解できる。
15週 (前期末試験)
16週 前期末試験の返却と解答解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。2
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。1
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。2
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。1
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。2
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。2
専門的能力分野別の専門工学機械系分野工作切削加工の原理、切削工具、工作機械の運動を説明できる。2
バイトの種類と各部の名称、旋盤の種類と構造を説明できる。2
フライスの種類と各部の名称、フライス盤の種類と構造を説明できる。2
ドリルの種類と各部の名称、ボール盤の種類と構造を説明できる。2
切削工具材料の条件と種類を説明できる。2
切削速度、送り量、切込みなどの切削条件を選定できる。2
切削のしくみと切りくずの形態、切削による熱の発生、構成刃先を説明できる。2
計測制御計測の定義と種類を説明できる。2
測定誤差の原因と種類、精度と不確かさを説明できる。2
国際単位系の構成を理解し、SI単位およびSI接頭語を説明できる。2
代表的な物理量の計測方法と計測機器を説明できる。2
自動制御の定義と種類を説明できる。2
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。2
制御系の過渡特性について説明できる。2
制御系の定常特性について説明できる。2
制御系の周波数特性について説明できる。2
分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。2
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。2
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。2
ノギスの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。3
マイクロメータの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。3
ダイヤルゲージ、ハイトゲージ、デプスゲージなどの使い方を理解し、計測できる。3
けがき工具を用いてけがき線をかくことができる。3
やすりを用いて平面仕上げができる。3
ねじ立て工具を用いてねじを切ることができる。3
旋盤主要部の構造と機能を説明できる。3
旋盤の基本操作を習得し、外丸削り、端面削り、段付削り、ねじ切り、テ―パ削り、穴あけ、中ぐりなどの作業ができる。3
フライス盤主要部の構造と機能を説明できる。3
フライス盤の基本操作を習得し、平面削りや側面削りなどの作業ができる。3
ボール盤の基本操作を習得し、穴あけなどの作業ができる。3
加工学実験、機械力学実験、材料学実験、材料力学実験、熱力学実験、流体力学実験、制御工学実験などを行い、実験の準備、実験装置の操作、実験結果の整理と考察ができる。2
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。2

評価割合

試験発表相互評価自己 評価課題小 テスト合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力70000300100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000