学習目的:エネルギー変換に関する理論・基礎事項を理解し,関連する諸問題に対応するための基礎知識を習得するとともに、省エネルギーや環境保全への関心を深める。
到達目標
1各種エネルギー機械の違いを理解する。
2エネルギー機械の分類および有効利用を理解する。
3各種エネルギー機械に係る基礎的な知識と理論を理解し,これらを用いて各種エネルギー機械に関する諸問題・課題に対応できる。
概要:
一般・専門の別:専門
学習の分野:エネルギー・計測と制御
基礎となる学問分野:工学/機械工学
学習教育目標との関連:本科目は総合理工学科学習教育目標「3.基盤となる専門性の深化」に相当する科目である。
技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化、A-2:「材料と構造」,「運動と振動」,「エネルギーと流れ」,「情報と計測・制御」,「設計と生産・管理」,「機械とシステム」に関する専門技術分野の知識を修得し,説明できること」である。
授業の概要:熱エネルギーを機械的エネルギーに変える熱機関や流体保有エネルギーと機械的仕事の相互の変換をする流体機械について概説するとともに、省エネルギーや再生可能エネルギー利用、環境保全についても解説する。
授業の進め方・方法:
授業の方法:授業は板書を中心に進め,必要な周辺知識の復習も含めながら、できるだけ平易に具体的な解説を行う。また理解を深めるために,演習やレポート課し,その都度,各問題についての解説を行う。
成績評価方法:2回の定期試験の結果をそれぞれ同等に評価する(70%)。また,中間試験・期末試験ともに手書きノートの持込を許可する。演習・レポート(30%)。
注意点:
履修上の注意:本科目を選択した者は,学年の課程修了のために履修(欠課時間数が所定授業時間数の3分の1以下)が必須である。また,本科目は「授業時間外の学修を必要とする科目」である。当該授業時間と授業時間外の学修を合わせて,1単位あたり45時間の学修が必要である。授業時間外の学修については,担当教員の指示に従うこと。
履修のアドバイス:可能な限り身近な例を挙げて解説するので,細かい数式の導出にとらわれすぎないようにし,物理的意味を深く理解するように心掛ける方が良い。
基礎科目:流体工学(4年),熱力学(4)など
関連科目:エネルギーシステム工学(専1)など
受講上のアドバイス:受け身の姿勢では問題解析能力は身に付かない。事前に行う準備学習として、流体工学や熱力学をよく復習しておくこと。また演習問題やレポートにも積極的に取り組むこと。1単位時間の半分を遅刻した場合には欠課とする。
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス,非圧縮性流体の力学と流体機械1[連続の式,エネルギー方程式] |
非圧縮性流体の基礎(連続の式・ベルヌーイの式)と各種流体機械の関連について理解する。
|
2週 |
非圧縮性流体の力学と流体機械2[運動量の法則・運動量モーメントの法則] |
非圧縮性流体の基礎(運動量の法則・運動量モーメントの法則)と各種流体機械の関連について理解する。
|
3週 |
水車[各種水車の構造,水車の性能] |
各種水車の構造を理解するとともに水車の仕事(出力・効率)に関する基礎事項を理解する。
|
4週 |
ポンプ1[各種ポンプの構造] |
各種ポンプの構造について理解する。
|
5週 |
ポンプ2[ポンプの基礎理論・性能] |
ポンプの基礎理論と仕事(動力・効率)に関する基礎事項を理解する。
|
6週 |
送風機・圧縮機1[送風機の分類,ターボ形送風機・圧縮機] |
送風機の分類を理解し,ターボ形(遠心式・軸流式)送風機・圧縮機の基礎を理解する。
|
7週 |
送風機・圧縮機2[容積形送風機・圧縮機] |
容積形(回転式・往復式)送風機・圧縮機の基礎を理解する。
|
8週 |
後期中間試験 |
|
4thQ |
9週 |
後期中間試験の返却と解答解説, 熱機関の種類と熱機関に関する基礎事項 |
内燃機関の分類と基礎事項を理解する。
|
10週 |
ガソリン機関 |
ガソリン機関の作動原理,構造,各種構成要素等について理解する。
|
11週 |
ディーゼル機関 |
ディーゼル機関の作動原理,構成要素について理解し,ガソリン機関との違いについて理解する。
|
12週 |
内燃機関の性能,ガスタービン |
内燃機関の仕事(サイクルと効率),ガスタービンのサイクル等の基礎事項を理解する。
|
13週 |
蒸気発生装置[蒸気の熱的性質,ボイラの構造と性能] |
蒸気の熱的性質,ボイラの構造と性能に関する基礎事項を理解する。
|
14週 |
蒸気タービン・蒸気動力プラント・冷凍サイクル |
蒸気タービンの仕事(出力・効率)に関する基礎事項,蒸気動力プラント・冷凍サイクルの概略を理解する。
|
15週 |
後期末試験 |
|
16週 |
後期末試験の返却と解答解説
|
|
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 力学 | 仕事の意味を理解し、計算できる。 | 4 | |
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。 | 4 | |
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。 | 4 | |
動力の意味を理解し、計算できる。 | 4 | |
熱流体 | 定常流と非定常流の違いを説明できる。 | 4 | |
流線と流管の定義を説明できる。 | 4 | |
連続の式を理解し、諸問題の流速と流量を計算できる。 | 4 | |
オイラーの運動方程式を説明できる。 | 4 | |
ベルヌーイの式を理解し、流体の諸問題に適用できる。 | 4 | |
運動量の法則を理解し、流体が物体に及ぼす力を計算できる。 | 4 | |
層流と乱流の違いを説明できる。 | 4 | |
レイノルズ数と臨界レイノルズ数を理解し、流れの状態に適用できる。 | 4 | |
ダルシー・ワイスバッハの式を用いて管摩擦損失を計算できる。 | 4 | |
ムーディー線図を用いて管摩擦係数を求めることができる。 | 4 | |
境界層、はく離、後流など、流れの中に置かれた物体の周りで生じる現象を説明できる。 | 4 | |
抗力について理解し、抗力係数を用いて抗力を計算できる。 | 4 | |
揚力について理解し、揚力係数を用いて揚力を計算できる。 | 4 | |
熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。 | 4 | |
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。 | 4 | |
熱力学の第一法則を説明できる。 | 4 | |
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。 | 4 | |
閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。 | 4 | |
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。 | 4 | |
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。 | 4 | |
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。 | 4 | |
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。 | 4 | |
熱力学の第二法則を説明できる。 | 4 | |
サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる。 | 4 | |
カルノーサイクルの状態変化を理解し、熱効率を計算できる。 | 4 | |
エントロピーの定義を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。 | 4 | |
サイクルをT-s線図で表現できる。 | 4 | |