概要:
本講義で扱うのは「政治」である。「政治」に登場する人々の行動や、様々な制度の仕組みは、多くの人にとって、よくわからない。しかし、「政治」はその本質故に、「よくわからないから私は帰ります」という選択を許さず、「政治」に巻き込まれる可能性が、全ての人についてまわる。であれば人はどうするか。多くの場合、黙り込んで政治の影響をなかったことにするか、表面的な理解でわかったつもりになって政治に抵抗するかの、どちらかとなる。前者の場合は、一方的に自分が我慢し続けることになり、疲れ果ててしまう。後者の場合は、その抵抗がほとんど意味をなさず、やはり疲れ果ててしまう。
本講義の目的は、そういった事態を回避することにある。つまり、「政治」のよくわからなさを少しでも減らすべく、その基本的概念や制度について、(表面的なレベルよりも根本的な)原理的なレベルに軸を置いて解説する。ニュースやSNSで言われているような「政治の問題」について、(「それは本当に問題なのか?」を含んだ、)自分なりの別の可能性を見出せるようになることが、本講義の目標である。
授業の進め方・方法:
毎回の講義の最後にリアクションペーパーの提出を求める。また、講義内容の理解度を向上させるために、毎回の講義の最初の30分程度は、前回講義の内容の再確認とリアクションペーパーへの回答に充てる。さらに、講義内容の理解度の確認および文章能力の向上のために、後期期間中に1度、小レポートの提出を求める。リアクションペーパーや小レポートの内容の充実のためにも、適宜予習・復習を行っておくことが望ましい。成績評価は期末試験60%、小レポート25%、リアクションペーパー(課題)15%とする(リアクションペーパーは講義に関する内容のものを提出する毎に1点を加点する)。
注意点:
本講義では現実の政治も扱うが、その扱い方はもっぱら哲学的・理論的観点からのものとなるため、必ずしも時事問題には直接対応しない。各自現実のニュースや議論を見ることで、講義内容と時事問題のどこが同じであり、どこが異なるかを把握するよう努めること。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
講義概要解説:原理的な理解について (配付資料を元に予習・復習に努めること) |
物事の表面的な理解とは異なる、物事の根本原理を捉えた理解の重要性を理解する。
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2週 |
政治(1):政治とは何か? (配付資料を元に予習・復習に努めること) |
「集合的に拘束する正統な決定の作成」という政治の原理を理解する。
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3週 |
政治(2):政治には何が伴い、何に支えられるのか? (配付資料を元に予習・復習に努めること) |
政治に必然的に伴う諸要素と、政治を支える「政治的なるもの」という概念を理解する。
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4週 |
自由と平等(1):自由主義とは何か? (配付資料を元に予習・復習に努めること) |
自由主義の概要と現代の展開について理解する。
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5週 |
自由と平等(2):自由主義ではないものはあるのか? (配付資料を元に予習・復習に努めること) |
自由主義とは異なる考え方について理解する。
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6週 |
政府と国家:政府や国家はなぜ必要か? (配付資料を元に予習・復習に努めること) |
政府・国家の存在理由と現実での役割について理解する。
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7週 |
前半のまとめと小レポート講評 (配付資料を元に予習・復習に努めること) |
講義前半の内容を整理し、理解を深める。また文章作成能力の向上を図る。
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8週 |
民主主義(1):民主主義とは何か? (配付資料を元に予習・復習に努めること) |
民主主義の概要について理解する。主に我々が生きる「自由民主主義」について理解する。
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4thQ |
9週 |
民主主義(2):民主主義とは何でありうるか? (配付資料を元に予習・復習に努めること) |
一般的に認識されている民主主義と異なる解釈について理解する(参加民主主義・熟議民主主義)。
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10週 |
民主主義(3):民主主義とは何でありうるか(続編) (配付資料を元に予習・復習に努めること) |
一般的に認識されている民主主義と異なる解釈について理解する(闘技民主主義等)。
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11週 |
代表/選挙(1):代表とは何か (配付資料を元に予習・復習に努めること) |
代議制民主主義における代表の役割を理解する。政党の役割についても理解する。
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12週 |
代表/選挙(2):代表をどうやって選ぶのか (配付資料を元に予習・復習に努めること) |
代議制民主主義における選挙の仕組みとその多様性を理解する。
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13週 |
代表/選挙(3):代表は何をするのか (配付資料を元に予習・復習に努めること) |
代議制民主主義における政府の仕組みとその多様性を理解する。
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14週 |
市民:市民であるとはいかなることか (配付資料を元に予習・復習に努めること) |
国民・人民とは異なる「市民」という概念について理解する。
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15週 |
後半のまとめと補足 (配付資料を元に予習・復習に努めること) |
講義後半の内容を整理し、理解を深めるとともに、期末試験答案作成のための注意点を確認する。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 人文社会科学 | 社会 | 公民的分野 | 自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。 | 3 | 後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15 |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | コミュニケーションスキル | コミュニケーションスキル | 書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。 | 3 | 後7,後15 |
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。 | 3 | 後7,後15 |
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。 | 3 | 後7,後15 |
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。 | 3 | 後7,後15 |
複数の情報を整理・構造化できる。 | 3 | 後7,後15 |
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。 | 3 | 後7,後15 |
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。 | 3 | 後7,後15 |
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。 | 3 | 後7,後15 |
事実をもとに論理や考察を展開できる。 | 3 | 後7,後15 |
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。 | 3 | 後7,後15 |