機械力学Ⅰ

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 機械力学Ⅰ
科目番号 0132 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 「高専生のための機械力学・小田原 悟 著・国分新生社印刷」及び「材料力学・村上 敬宜 著・森北出版」
担当教員 小田原 悟

到達目標

1. ばね質量1自由度系の自由振動について,運動方程式(微分方程式)とその解を求め,特性を理解できる.
2. 剛体の自由振動について回転の運動方程式を理解する.
3. 減衰のあるばね質量系の1自由度系の自由振動について,運動方程式(微分方程式)とその解を求め,特性を理解できる.
4. 強制加振力を受ける1自由度系について,周波数応答特性を理解し,振動の伝達と防振に応用できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ばね質量1自由度系の自由振動について,運動方程式(微分方程式)とその解を求め,特性を理解できる.ばね質量1自由度系の自由振動について,運動方程式を立てることができる.ばね質量1自由度系の自由振動について,運動方程式を立てることができない.
評価項目2剛体の自由振動について回転の運動方程式を理解し,その解を求め,特性を理解できる.剛体の自由振動について回転の運動方程式を立てることができる.剛体の自由振動について回転の運動方程式を立てることができない.
評価項目3減衰のあるばね質量系の1自由度系の自由振動について,運動方程式(微分方程式)とその解を求め,特性を理解できる.減衰のあるばね質量系の1自由度系の自由振動について,運動方程式を立てることができる.減衰のあるばね質量系の1自由度系の自由振動について,運動方程式を立てることができない.
評価項目4強制加振力を受ける1自由度系について,周波数応答特性を理解し,振動の伝達と防振に応用できる.強制加振力を受ける1自由度系について,運動方程式を立てることができる.強制加振力を受ける1自由度系について,運動方程式を立てることができない.

学科の到達目標項目との関係

教育プログラムの学習・教育到達目標 3-3 説明 閉じる
本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 3-c 説明 閉じる
JABEE 2.1(1)④ 説明 閉じる
教育プログラムの科目分類 (3)④ 説明 閉じる
JABEE(2012)基準 2.1(1)④ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
物体の運動について運動方程式を立て,機械の振動現象をモデル化し,振動を防止するための方策を理解することを目標とする.
授業の進め方・方法:
数学,物理および工業力学,材料力学の知識を必要とする.本科目を修得することで機械工学の4大力学の一つをマスターすることになる.8回目の授業後に中間試験を実施する.
注意点:
講義の内容をよく理解するために,毎回,予習や演習問題等の課題を含む復習として,240分以上の自学自習が必要である.理解状況を把握するために適宜小テストや宿題を課すので,講義内容をよく理解すること.疑問点があれば,その都度質問すること.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 単振動 単振動の内容について理解し,振動の振幅や周期など基本的な振動や波動の量を計算することが出来る.
2週 ばね定数1 静力学の基本 ばね定数の計算において物体を支持する視点からの反力を求める方法理解することが出来る.
3週 ばね定数2 棒の変形 ばね定数の計算において棒の弾性変形についてフックの法則の考え方に基づいて理解することが出来る.
4週 組み合わせばね 様々な組み合わせばねの等価ばね定数を求めることが出来る.
5週 1自由度系の自由振動 ばね質量系の1自由度系の自由振動について,運動方程式(微分方程式)とその解を求め,各種ばね質量系の固有振動数を運動方程式を解いて求めることが出来る.
6週 剛体の運動1 角運動量の意味を理解し,単純な形状の慣性モーメントを計算することが出来る.
7週 剛体の運動2 剛体の回転の運動について運動方程式を立て,それを解いて回転体の回転速度や振り子の固有角振動数などを求めることが出来る.
8週 1自由度系の減衰自由振動1 粘性減衰係数を求める為に流体力学の基本を示しながら流体の粘性による減衰のメカニズムを理解することが出来る.
2ndQ
9週 1自由度系の減衰自由振動2 減衰のあるばね質量系の1自由度系の自由振動について,運動方程式(微分方程式)とその解を求め,特性を理解出来る.
10週 1自由度系の減衰自由振動3 測定された振動波形から減衰比を計算する手法を理解することが出来る.
11週 1自由度系の強制振動1 強制加振力を受ける1自由度系について,周波数応答特性を理解することが出来る.
12週 1自由度系の強制振動2 強制変位を受ける1自由度系について,周波数応答特性を理解することが出来る.
13週 1自由度系の強制振動3 強制加振力を受ける減衰のある1自由度系について,周波数応答特性を理解し,振動の伝達と防振に応用できる.
14週 1自由度系の強制振動4 床に据え付けられた機械の振動による力の伝達係数について計算することが出来る.
15週 1自由度系の強制振動5 任意波形の周期的外力を受ける1自由度系の強制振動の解を求めることが出来る.
16週 ―前期期末試験―
試験答案の返却・解説
授業項目1.~15. について達成度を確認する.試験において間違えた部分を自分の課題として把握する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。4
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。4
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。4
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。4
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。4
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。4
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。4
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。4
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。4
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。4
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。4
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。4
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。4
仕事の意味を理解し、計算できる。4
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。4
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。4
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。4
動力の意味を理解し、計算できる。4
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。4
運動量および運動量保存の法則を説明できる。4
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。4
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。4
荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。4
応力とひずみを説明できる。4
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。4
許容応力と安全率を説明できる。4
両端固定棒や組合せ棒などの不静定問題について、応力を計算できる。4
線膨張係数の意味を理解し、熱応力を計算できる。4
引張荷重や圧縮荷重が作用する棒の応力や変形を計算できる。4
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。4
丸棒および中空丸棒について、断面二次極モーメントと極断面係数を計算できる。4
軸のねじり剛性の意味を理解し、軸のねじれ角を計算できる。4
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。4
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。4
各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。4
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。4
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を理解し、曲げの問題に適用できる。4
各種のはりについて、たわみ角とたわみを計算できる。4
多軸応力の意味を説明できる。4
二軸応力について、任意の斜面上に作用する応力、主応力と主せん断応力をモールの応力円を用いて計算できる。4
部材が引張や圧縮を受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。4
部材が曲げやねじりを受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。4
カスティリアノの定理を理解し、不静定はりの問題などに適用できる。4
振動の種類および調和振動を説明できる。4
不減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4
減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4
調和外力による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4
調和変位による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4

評価割合

試験小テスト・レポート授業態度合計
総合評価割合70300100
%70300100