Course Objectives
人間や人間社会に関して、健全でバランスの取れた幅広いものの見方を育成する。文化や芸術に関心や興味を持つ。
Rubric
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
テキストの読解(文語小説の特徴の理解、語彙) | 講義資料に示した語注や語彙・漢字のポイントを十分に理解しつつ、文語体のテキストを円滑に読み解くことができる。 | 講義資料に示した語注や語彙・漢字のポイントを手引きとして、テキストのあらすじを追える。 | 講義資料に示した語注や語彙・漢字のポイントを参照しても、テキストのあらすじを追えない。 |
時代背景の理解 | 明治初期から中期の社会状況や人々の生活を具体的かつ豊かに想像しつつ作品を読める。 | 作品が現代とは異なる文化や社会を舞台にしていることを理解できる。 | 時代状況を視野に入れて作品を読むことができない。 |
作品読解上の問題点の理解(鑑賞) | 作者の表現の意図や、作品の構成に表れた世界観について理解を深める。 | 作品の幻想性や神秘性について興味を持って作品の展開を追うことができる。 | 展開される物語の世界について、想像力を働かせて捉えることができない。 |
Assigned Department Objectives
Teaching Method
Outline:
泉鏡花の作品は、近代以前は自明の存在であったものを、神秘や不思議な存在(幻想)として、その存在を逆説的に示すところにその特徴の一つがある。いくつかを講読し、前近代的から近代へ動く時代の断面を捉える試みとする。あわせて、子供に愛情を注ぐ女性の本源的なあり方に思いを寄せる鏡花の感受性に考察を加え、母性愛に寄せる男性のあり方を成長や自立と重ねて描く手法を理解する。さらに下層民や社会矛盾への視点、ピカレスク小説の魅力などを、地元を舞台とした作品の講読を通して理解する。
Style:
担当者の単独講義、講読演習
Notice:
テキスト読解の障壁を取り除くために、資料として配付する語釈を丹念に参照し、未知の語彙については綿密に調べること。
Course Plan
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Theme |
Goals |
1st Semester |
1st Quarter |
1st |
「龍潭譚」講読 |
ガイダンス 泉鏡花の人と作品に関する概説
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2nd |
「龍潭譚」講読 |
「龍潭譚」の講読を通して、亡母憧憬を軸とした物語構造について考える。
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3rd |
「龍潭譚」講読 |
同上
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4th |
「高野聖」講読 |
「龍潭譚」と「高野聖」の構造の類似性について検討するとともに、「高野聖」で発展的に表現されている内容について考察する。
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5th |
「高野聖」講読 |
同上
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6th |
「高野聖」講読 |
同上
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7th |
「高野聖」講読 |
同上
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8th |
中間試験 |
泉鏡花に関する知識、「龍潭譚」と「高野聖」テキストの理解度、作品の読解上の問題点について
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2nd Quarter |
9th |
「蛇食ひ」講読 |
「蛇食ひ」の講読を通して、鏡花が文学的出発時にどのような社会的な問題意識を持っていたか考察する。
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10th |
「蛇食ひ」講読 |
鏡花が富山を舞台とした作品を書いていることを知る。
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11th |
「黒百合」抄講読 |
「黒百合」の舞台背景をおさえつつ、浪漫的なピカレスク小説の魅力に触れる。
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12th |
「黒百合」抄講読 |
同上
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13th |
「黒百合」抄講読 |
同上
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14th |
「黒百合」抄講読 |
同上
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15th |
「黒百合」抄講読 |
同上
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16th |
期末試験 |
「蛇食ひ」「黒百合」のテキスト理解度、作品の読解上の問題点について
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Evaluation Method and Weight (%)
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | レポート | 音読評価 | Total |
Subtotal | 60 | 0 | 0 | 0 | 0 | 30 | 10 | 100 |
基礎的能力 | 40 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 | 10 | 70 |
専門的能力 | 20 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10 | 0 | 30 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |