情報科学・工学実験Ⅱ

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 情報科学・工学実験Ⅱ
科目番号 0011 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 創造工学科(情報科学・工学系共通科目) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 前期:3 後期:3
教科書/教材 木下 是雄 著「レポートの組み立て方」(筑摩書房)
担当教員 中村 嘉彦,三上 剛

到達目標

1) 組み込みシステムの設計開発,回路の解析,論理回路の設計,セキュリティやWebアプリケーションに関する実験を行うことで,これまで授業で学習した内容をより深く理解でき,実体験で得た知識を説明できる
2) 技術文書の作成方法を学ぶことで,適切なコミュニケーション能力を高めることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1要求仕様を満足した組み込みシステム用プログラムの設計開発ができる.ff要求仕様を満足した組み込みシステム用プログラムの設計開発ができる.要求仕様を満足した組み込みシステム用プログラムの設計開発ができない.
評価項目2回路解析、論理回路の設計、HTMLのプログラム作成,セキュリティに関する演習を行うことで、これまで授業で学習した内容をより深く理解でき、実体験で得た知識を説明出来る回路解析、論理回路の設計、HTMLのプログラム作成,セキュリティに関する演習を行うことで、これまで授業で学習した内容をより深く理解できる.回路解析、論理回路の設計、HTMLのプログラム作成,セキュリティに関する演習を行っても、これまで授業で学習した内容を理解できず説明もできない.
評価項目3技術文書の作成方法を学ぶことで、適切なコミュニケーション能力が十分身についた.技術文書の作成方法を学ぶことで、適切なコミュニケーション能力が身についた.適切なコミュニケーション能力が身につかない.

学科の到達目標項目との関係

 Ⅰ 人間性  1 Ⅰ 人間性
 Ⅱ 実践性  2 Ⅱ 実践性
 Ⅲ 国際性  3 Ⅲ 国際性
 CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力  5 CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力
 CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力  7 CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力
学習目標 Ⅰ 人間性
学習目標 Ⅱ 実践性
学習目標 Ⅲ 国際性
本科の点検項目 C(コミュニケーション) 日本語で記述,発表,討論するプレゼンテーション能力と国際的な場でのコミュニケーションをとるための語学力の基礎能力を身につける
本科の点検項目 C-ⅰ 自分の考えをまとめてプレゼンテーションできる
本科の点検項目 C-ⅲ 自分の考えをまとめてプレゼンテーションできる
学校目標 D(工学基礎) 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識と応用力を身につける
学科目標 D(工学基礎) 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識と応用力を身につける
本科の点検項目 D-ⅰ 数学に関する基礎的な問題を解くことができる
本科の点検項目 D-ⅲ 情報技術を利用できる
本科の点検項目 D-ⅳ 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識を専門分野の工学的問題解決に応用できる
学校目標 E(継続的学習) 技術者としての自覚を持ち,自主的,継続的に学習できる能力を身につける
本科の点検項目 E-ⅱ 工学知識,技術の習得を通して,継続的に学習することができる
学校目標 F(専門の実践技術) ものづくりに関係する工学分野のうち,得意とする専門領域を持ち,その技術を実践できる能力を身につける
学科目標 F(専門の実践技術) ものづくりに関係する工学分野のうち,得意とする専門領域を持ち,その技術を実践できる能力を身につける
本科の点検項目 F-ⅱ 実験,演習,研究を通して,課題を認識し,問題解決のための実施計画を立案・実行し,その結果を解析できる
本科の点検項目 F-ⅲ 専門とする分野の技術を実践した結果を工学的に考察して,期限内にまとめることができる
学校目標 I(チームワーク) 自身の専門領域の技術者とは勿論のこと,他領域の技術者ともチームを組み,計画的かつ円滑に仕事を遂行できる能力を身につける
学科目標 I(チームワーク) 自身の専門領域の技術者とは勿論のこと,他領域の技術者ともチームを組み,計画的かつ円滑に仕事を遂行できる能力を身につける
本科の点検項目 I-ⅰ 共同作業における責任と義務を認識し,計画的かつ円滑に仕事を遂行できる能力を身につける

教育方法等

概要:
前期はUMLを用いた組み込みシステムの設計,マイコンボードを用いた基本的なマイコン制御を学んだ後,キッチンタイマの設計と開発を行う.また、後期は組み合わせ論理回路や回路解析に関するハードウェア実験と情報セキュリティに関する実験、HTMLに関する実験で構成されている.前期は個別実験、後期は各テーマごとに個別実験、または、グループ実験で実施する.
授業の進め方・方法:
1 週で1 つの実験テーマを基本とするが、数週間で1 つの実験テーマを実施する場合もある。
実施場所は、前期は情報棟1階H101/H102、後期は,情報棟H101/H102、情報棟2階工学基礎実験室、情報棟3階情報処理実習室.
単位取得の要件は,すべての実験に参加し,実験テーマごとに課されるすべての実験報告書を提出し,テーマ担当教員に受理されていることが前提である.
なお,受理の要件については別途各テーマ担当教員より指示される.
注意点:
情報技術基礎、プログラミング、回路理論、論理回路,回路理論に関する知識が必要となる。
実験当日は、各テーマにおいて必要とされるノートパソコン,実験ノート・関連教科書・関数電卓・作図用具一式、作業用USBメモリ等を用意すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 前期実験のガイダンス、実験機器の説明 実験で使用するマイコンボードを操作できる
2週 UMLによるソフトウェア設計(1) UMLを用いた設計ができる
3週 UMLによるソフトウェア設計(2) UMLを用いた設計ができる
4週 UMLによるソフトウェア設計(3) UMLを用いた設計ができる
5週 マイコン制御(1):ハードウェアの概要とポートアサイン マイコンボードのハードウェアとピンアサインの概要を理解し,簡単なプログラムを実行できる
6週 マイコン制御(2):スイッチの制御 タクトスイッチとディップスイッチの入力制御のプログラムを作成できる
7週 予備実験、報告書執筆指導 適切な技術文書としての実験報告書が執筆できる
8週 マイコン制御(3):タイマ割り込み タイマ割り込みのプログラムを作成できる
2ndQ
9週 マイコン制御(4):I2C通信による7セグ
LEDの点灯制御
I2C通信を用いて7セグLEDの点灯制御するプログラムを作成できる
10週 マイコン制御(5):ステートマシン図とプログラムの対応 ステートマシン図からマイコン用のプログラムを作成できる
11週 キッチンタイマの設計と開発 (1) 仕様に基づき,UMLを用いてキッチンタイマを設計できる
12週 キッチンタイマの設計と開発 (2) 仕様に基づき,UMLを用いてキッチンタイマを設計できる
13週 キッチンタイマの設計と開発 (3) 作成したUMLの設計図に基づき,キッチンタイマのプログラムを作成できる
14週 キッチンタイマの設計と開発 (4) 作成したUMLの設計図に基づき,キッチンタイマのプログラムを作成できる
15週 予備実験、報告書執筆指導 適切な技術文書としての実験報告書が執筆できる
16週
後期
3rdQ
1週 後期実験のガイダンス 後期実験のテーマの概要と、レポート提出の方法について理解する
2週 セキュリティ(1) 基本的なUNIXコマンドを利用できる
3週 セキュリティ(2) システムの脆弱性とはどのようなものかを理解し,IoTカーシステムの脆弱性を検出し,脆弱性に対する対策を施すことができる
4週 セキュリティ(3) システムの脆弱性とはどのようなものかを理解し,IoTカーシステムの脆弱性を検出し,脆弱性に対する対策を施すことができる
5週 セキュリティ(4) システムの脆弱性とはどのようなものかを理解し,IoTカーシステムの脆弱性を検出し,脆弱性に対する対策を施すことができる
6週 セキュリティ(5) システムの脆弱性とはどのようなものかを理解し,IoTカーシステムの脆弱性を検出し,脆弱性に対する対策を施すことができる
7週 セキュリティ(6) システムの脆弱性とはどのようなものかを理解し,IoTカーシステムの脆弱性を検出し,脆弱性に対する対策を施すことができる
8週 予備実験、報告書執筆指導 適切な技術文書としての実験報告書が執筆できる
4thQ
9週 回路素子と回路解析(1) 交流信号に対する抵抗、コンデンサ、コイルの電気的特性を把握し、RC, RLを組み合わせた回路の特性を説明出来る
10週 回路素子と回路解析(2) 交流信号に対する抵抗、コンデンサ、コイルの電気的特性を把握し、RC, RLを組み合わせた回路の特性を説明出来る
11週 組み合わせ論理回路(1) 組み合わせ回路を設計・実装し,その動作を解析できる
12週 組み合わせ論理回路(2) 組み合わせ回路を設計・実装し,その動作を解析できる
13週 HTML (1) Webアプリケーション開発においてフロントエンドの基礎技術となるHTML,CSSを理解できる
14週 HTML (2) HTML,CSSを使用した簡易的なWebページを作成できる
15週 予備実験、報告書執筆指導 後期実験のテーマの概要と、レポート提出の方法について理解する
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3後13,後14
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3後13,後14
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3後13,後14
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3後13,後14
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3後13,後14
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3前7,前15,後8,後15
情報リテラシー情報リテラシー情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。3
論理演算と進数変換の仕組みを用いて基本的な演算ができる。3
コンピュータのハードウェアに関する基礎的な知識を活用できる。3
情報セキュリティの必要性および守るべき情報を認識している。3
専門的能力分野別の専門工学情報系分野プログラミング代入や演算子の概念を理解し、式を記述できる。3後13,後14
プロシージャ(または、関数、サブルーチンなど)の概念を理解し、これらを含むプログラムを記述できる。3後13,後14
与えられた問題に対して、それを解決するためのソースプログラムを記述できる。3後13,後14
ソフトウェア生成に必要なツールを使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。3後13,後14
与えられたソースプログラムを解析し、プログラムの動作を予測することができる。3
主要な言語処理プロセッサの種類と特徴を説明できる。3
ソフトウェア開発に利用する標準的なツールの種類と機能を説明できる。3後13,後14
プログラミング言語は計算モデルによって分類されることを説明できる。3後13,後14
要求仕様に従って、標準的な手法により実行効率を考慮したプログラムを設計できる。3後13,後14
要求仕様に従って、いずれかの手法により動作するプログラムを設計することができる。3
要求仕様に従って、いずれかの手法により動作するプログラムを実装することができる。3
要求仕様に従って、標準的な手法により実行効率を考慮したプログラムを実装できる。3
ソフトウェアアルゴリズムの概念を説明できる。3
与えられたアルゴリズムが問題を解決していく過程を説明できる。3
同一の問題に対し、それを解決できる複数のアルゴリズムが存在しうることを説明できる。3
整列、探索など、基本的なアルゴリズムについて説明できる。3
コンピュータ内部でデータを表現する方法(データ構造)にはバリエーションがあることを説明できる。3
同一の問題に対し、選択したデータ構造によってアルゴリズムが変化しうることを説明できる。3
リスト構造、スタック、キュー、木構造などの基本的なデータ構造の概念と操作を説明できる。3
情報数学・情報理論ブール代数に関する基本的な概念を説明できる。3
その他の学習内容オームの法則、キルヒホッフの法則を利用し、直流回路の計算を行うことができる。3
トランジスタなど、ディジタルシステムで利用される半導体素子の基本的な特徴について説明できる。3
コンピュータを扱っている際に遭遇しうる脅威に対する対策例について説明できる。3
基本的なアクセス制御技術について説明できる。3
分野別の工学実験・実習能力情報系分野【実験・実習能力】情報系【実験・実習】与えられた問題に対してそれを解決するためのソースプログラムを、標準的な開発ツールや開発環境を利用して記述できる。3後13,後14
ソフトウェア生成に利用される標準的なツールや環境を使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。3後13,後14
ソフトウェア開発の現場において標準的とされるツールを使い、生成したロードモジュールの動作を確認できる。3後13,後14
フローチャートなどを用いて、作成するプログラムの設計図を作成することができる。3前7,前15,後8,後15
問題を解決するために、与えられたアルゴリズムを用いてソースプログラムを記述し、得られた実行結果を確認できる。3
与えられた仕様に合致した組合せ論理回路や順序回路を設計できる。3
基礎的な論理回路を構築し、指定された基本的な動作を実現できる。3
論理回路などハードウェアを制御するのに最低限必要な電気電子測定ができる。3
要求仕様に従って標準的な手法によりプログラムを設計し、適切な実行結果を得ることができる。3
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3前1,後1
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3前1,後1
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3
他者の意見を聞き合意形成することができる。3
合意形成のために会話を成立させることができる。3
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3前7,前15,後8,後13,後14,後15
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3前7,前15,後8,後13,後14,後15
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3後13,後14
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3後13,後14
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3後13,後14
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3後13,後14

評価割合

レポート合計
総合評価割合100100
基礎的能力00
専門的能力100100
分野横断的能力00