回路理論Ⅱ

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 回路理論Ⅱ
科目番号 0016 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造工学科(情報科学・工学系共通科目) 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:雨宮 好文 監修、佐藤 幸男、佐波 孝彦 共著「図解メカトロニクス入門シリーズ 信号処理入門」(オーム社)/参考図書:C. L. Phillips, J. M. Parr and E. A. Riskin “Signals, Systems, and Transforms”, Pearson、J. H. McClellan, R. W. Schafer and M. A. Yoder “Signal Processing First”, Pearson
担当教員 大西 孝臣

到達目標

1.回路の周波数特性を数理的に扱う手法の概要について説明できる。
2.信号関数の直交性の意義、直交性と内積演算との関係を説明できる。
3.実/複素フーリエ級数展開による離散周波数スペクトルの概要を説明できる。
4.フーリエ変換による連続周波数スペクトルの概要を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
1.回路の周波数特性を数理的に扱う手法の概要について説明できる。回路の周波数特性を数理的に扱う手法の概要を理解する能力を有しており、それを説明できる。2回路の周波数特性を数理的に扱う手法を理解する能力を有しており、その基本的な事項を説明できる。回路の周波数特性を数理的に扱う手法の概要を理解する能力を有していない。
2.信号関数の直交性の意義、直交性と内積演算との関係を説明できる。信号関数の直交性の意義、直交性と内積演算との関係を理解する能力を有しており、両者を説明できる。信号関数の直交性の意義、直交性と内積演算との関係を理解する能力を有しており、両者の基本的な事項を説明できる。信号関数の直交性の意義、直交性と内積演算との関係を理解する能力を有していない。
3.実/複素フーリエ級数展開による離散周波数スペクトルの概要を説明できる。実/複素フーリエ級数展開による離散周波数スペクトルの概要を理解する能力を有しており、それを説明できる。実/複素フーリエ級数展開による離散周波数スペクトルの概要を理解する能力を有しており、その基本的な事項を説明できる。実/複素フーリエ級数展開による離散周波数スペクトルの概要を理解する能力を有してない。
4.フーリエ変換による連続周波数スペクトルの概要を説明できる。フーリエ変換による連続周波数スペクトルの概要を理解する能力を有しており、それを説明できる。フーリエ変換による連続周波数スペクトルの概要を理解する能力を有しており、その基本的な事項を説明できる。フーリエ変換による連続周波数スペクトルの概要を理解する能力を有していない。

学科の到達目標項目との関係

 Ⅰ 人間性  1 Ⅰ 人間性
 Ⅱ 実践性  2 Ⅱ 実践性
 Ⅲ 国際性  3 Ⅲ 国際性
 CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力  5 CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力
 CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力  7 CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力

教育方法等

概要:
 諸君は3学年の回路素子の実験において、計測による回路の周波数特性の導出法を学んだ。本授業では、この回路の解析結果である周波数特性を数理的に扱う導入の手法となるフーリエ級数・フーリエ変換の概要について教授する。
 本授業では、直交系である信号関数を活用した内積演算であるというころからフーリエ級数・フーリエ変換という手法の原理について説く。フーリエ級数・フーリエ変換に信号関数の内積演算が介在している事実を知ることは、ウエーブレット変換などの、現在活用されている画像解析/音響解析の諸手法を数理的に理解するための基礎となる。
授業の進め方・方法:
 一斉座学。
 本授業は学修単位科目のため、60時間の自学自習時間が必要である。自学自習時間を使い、少なくとも次項の注意点にある教材の“行間”の補填および試験の準備対策が必要である。
 何らかの事情が無い限り、大西は奇数時限目の講義開始時刻の5分前に教室に居る事にしている。質問事項がある場合は、その際に解決させる事。
 達成度評価試験(前期中間試験)40%、前期定期試験60%として評価する。合格点は60点以上とする。
 達成度評価試験(前期中間試験)・前期定期試験・再試験の試験範囲は年度当初から当該試験までに実施した授業項目とする。当然、前期定期試験の試験範囲は前期を通じての全ての授業項目となる。
 全ての本試験を誠実に受験していない者は再試験の該当者にしないので注意すること。再試験の適用範囲は、年度当初から既に受験済みの達成度評価試験(前期中間試験)および前期定期試験の範囲とする。
注意点:
 定規などの作図を行うための準備をする事。
 受講に際しては、数学で習ったであろう三角関数および定積分についての相応の技量を必要とする。自学自習として必要となる、教科書・板書・プリント等の“行間”の補填、中間時の試験および定期試験の準備対策(あるいは再試験の準備対策)を行わなければならない。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 周期信号の内積、正規直交信号系 信号関数の直交性の意義、直交性と内積演算との関係を説明できる。
2週 実フーリエ級数展開の原理・性質 実フーリエ級数展開の原理・性質を説明できる。
3週 複素フーリエ級数展開の原理・性質 複素フーリエ級数展開の原理・性質を説明できる。
4週 離散周波数スペクトル 実/複素フーリエ級数展開による離散周波数スペクトルの概要を説明できる。
5週 単位インパルス関数 単位インパルス関数の性質を説明できる。
6週 実/複素フーリエ級数展開による周期連続信号の解析 実/複素フーリエ級数展開を活用した周期連続信号の解析の概要を説明できる。
7週 達成度評価試験(前期中間試験)
8週 複素フーリエ級数展開からフーリエ変換への移行 複素フーリエ級数展開からフーリエ変換への移行の過程の概要を説明できる。
2ndQ
9週 フーリエ変換と逆フーリエ変換(1) フーリエ変換と逆フーリエ変換それぞれの原理、両者の間の関係を説明できる。
10週 フーリエ変換と逆フーリエ変換(2) フーリエ変換と逆フーリエ変換それぞれの原理、両者の間の関係を説明できる。
11週 連続周波数スペクトル(1) フーリエ変換による連続周波数スペクトルの概要を説明できる。
12週 連続周波数スペクトル(2) フーリエ変換による連続周波数スペクトルの概要を説明できる。
13週 フーリエ変換・フーリエ逆変換の性質(1) フーリエ変換・フーリエ逆変換の性質を説明できる。
14週 フーリエ変換・フーリエ逆変換の性質(2) フーリエ変換・フーリエ逆変換の性質を説明できる。
15週 フーリエ変換・フーリエ逆変換の性質(3) フーリエ変換・フーリエ逆変換の性質を説明できる。
16週 前期定期試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野その他の学習内容オームの法則、キルヒホッフの法則を利用し、直流回路の計算を行うことができる。4
メディア情報の主要な表現形式や処理技法について説明できる。4
ディジタル信号とアナログ信号の特性について説明できる。4

評価割合

達成度評価試験(中間試験)定期試験合計
総合評価割合4060100
基礎的能力203050
専門的能力203050