応用数学Ⅱ

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 応用数学Ⅱ
科目番号 0002 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 後期:4
教科書/教材 LIBRARY工学基礎&高専TEXT「応用数学」数理工学社
担当教員 冨永 徳雄

到達目標

1. 周期関数を三角級数で表現する考え方を理解し,周期関数のフーリエ級数への展開およびその活用ができる。
2. 複素数および複素関数の基本的性質を理解し,複素積分を様々な問題に活用できる。
3. スカラー場の勾配,ベクトル場の発散・回転の意味やそれらに関する種々の定理を理解し,活用することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1(A-1)周期関数のフーリエ級数への展開の考えを深く理解し,級数展開およびその幅広い活用ができる。周期関数のフーリエ級数への展開の考えを理解し,級数展開およびその活用ができる。周期関数をフーリエ級数へ展開すること,およびその意味を理解することができない。
評価項目2(A-1)複素数および複素関数の基本的性質を深く理解し,複素積分を様々な問題に適切に活用できる。複素数および複素関数の基本的性質を理解し,複素積分を様々な問題に活用できる。複素数および複素関数の基本的性質を理解すること,および複素積分を活用することができない。
評価項目3(A-1)スカラー場の勾配,ベクトル場の発散・回転の意味やそれらに関する種々の定理を深く理解し,幅広く活用することができる。スカラー場の勾配,ベクトル場の発散・回転の意味やそれらに関する種々の定理を理解し,活用することができる。スカラー場の勾配,ベクトル場の発散・回転の意味やそれらに関する種々の定理を理解および活用ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 第3学年で関数をべき級数に展開することを学んだが,本科目では,周期関数を三角級数に展開するフーリエ級数の基本を学ぶ。
 次に,複素関数について学ぶ。はじめに,複素数と複素平面とも関係について理解した後,複素変数の関数の基本的な性質について学ぶ。そして複素関数の積分とその基本的性質について学ぶ。
 最後に,電磁気学などで使われるベクトル解析について学ぶ。はじめに,空間ベクトルのベクトル積やベクトル関数について触れた後,スカラー場の勾配やベクトル場の発散,回転について学び,最後に,これらに関する種々の積分公式を学ぶ。
授業の進め方・方法:
工学や科学における数学の活用において,数学的な表現の中に含まれている意味を理解して計算ができるようにする。自分の考えを数学的に表現し考察・議論するために,授業以外にも自学自習も多くこなす。定期試験(80%),学習への取り組み(レポート,宿題等)(20%)にて評価する。
注意点:
これまでの数学を理解していることを前提とする。新たな定義や概念を習得するための演習は各自で行うこと。学習した内容が実際にどのような場面で応用されているか,自ら調べることも大切である。
教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目の割合は,A-1(100%)とする。
総時間数90時間(自学自習30時間)
自学自習時間(30時間)は,日常の授業(60時間)に対する予習復習,レポート課題の解答作成時間,試験のための学習時間を総合したものとする。
評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる。その場合,各到達目標の到達レベルが標準以上であること,教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目を満たしたことが認められる。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 フーリエ級数①
周期関数の基本的性質とフーリエ級数展開
周期関数の基本的性質を確認し,フーリエ級数についての概要を理解できる。三角関数が直交関数系をなすことを理解できる。
2週 フーリエ級数②
周期関数のフーリエ級数展開とフーリエ級数の収束定理
周期関数をフーリエ級数に展開できる。フーリエ級の収束定理について理解し,これを利用して級数の和を求めることができる。
3週 フーリエ級数③偏微分方程式への応用 変数分離法による解法を理解し,初期値問題においてフーリエ級数を応用できる。
4週 複素関数①複素平面と複素数の累乗・累乗根 複素数を極形式で表し,複素平面上に図示できる。複素数の四則演算を複素平面上で解釈でき,複素数の累乗および累乗根を求めることができる。
5週 複素関数②初等的な複素関数 複素関数についての基本的な性質を理解できる。複素変数の指数関数および三角関数の基本的な性質を理解できる。
6週 複素関数③正則関数とその導関数 正則性の意味を理解し,コーシー・リーマン関係式を用いて正則性を判定できる。正則な関数の導関数を求めることができる。
7週 ベクトル解析①空間ベクトルのベクトル積とベクトル関数 ベクトル積を理解し,これを用いた計算ができる。ベクトル関数を理解し,その導関数および積分を計算できる。
8週 ベクトル解析②曲線と曲面
後期中間試験
曲線や曲面を媒介変数表示によるベクトル関数で表すことができる。
第1週からこれまでに学んだ内容について確認できる。
4thQ
9週 ベクトル解析③スカラー場とベクトル場,スカラー場の線積分 スカラー場の勾配,ベクトル場の発散・回転の性質を理解でき,計算できる。スカラー場の線積分を理解し,計算できる。
10週 ベクトル解析④ベクトル場の線積分,スカラー場とベクトル場の面積分 ベクトル場の線積分を理解し,計算できる。スカラー場とベクトル場の面積分を理解し,計算できる。
11週 ベクトル解析⑤ガウスの定理とストークスの定理 グリーンの定理,ガウスの定理およびストークスの定理の内容を理解し,定理の運用ができる。
12週 複素関数④複素積分 複素平面上における複素関数の線積分を理解し,計算できる。
13週 複素関数⑤コーシーの積分定理とコーシーの積分表示 コーシーの積分定理およびコーシーの積分表示を理解し,計算に運用できる。
14週 複素関数⑥テーラー展開とローラン展開 テーラー展開とローラン展開について理解し,これらの展開を求めることができる。
15週 後期末試験 第8週以降に学んだ内容について確認できる。
16週 答案返却と解説 これまで学んだ内容について再確認および修正ができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験小テスト・レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力8020100
専門的能力000