電気回路Ⅲ

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 電気回路Ⅲ
科目番号 0155 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 書名:基礎からの交流理論 著者:小郷寛 発行所:電気学会
担当教員 恒岡 まさき,濱住 啓之

到達目標

1.三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。
2.電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ 変換ができる。
3.対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。
4.ひずみ波交流に関する基本事項を理解し,説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1三相交流における電圧・電流の特徴を細部まで説明できる。三相交流における電圧・電流の特徴を概ね説明できる。三相交流における電圧・電流の特徴を部分的に説明できる。三相交流における電圧・電流の特徴を説明できない。
評価項目2電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ 変換ができ応用できる。電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ 変換ができる。電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ 変換が部分的にできる。電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ 変換ができない。
評価項目3対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができ応用できる。対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。対称三相回路の電圧・電流・電力の計算が部分的にできる。対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができない。
評価項目4ひずみ波交流に関する基本事項を細部まで理解し,説明できる。ひずみ波交流に関する基本事項を概ね理解し,説明できる。ひずみ波交流に関する基本事項を部分的に理解し,説明できる。ひずみ波交流に関する基本事項を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電気回路Ⅱの単相交流の発展として、三相交流とひずみ波交流を学習する。三相交流における、
電圧、電流、電力の扱いに慣れるとともに、三相交流の利点を学習する。ひずみ波交流では、純粋な正弦波に対して、高調波を含む場合の電圧、電流、電力の取り扱いを学習する。
授業の進め方・方法:
・授業は、教員による教科書と板書による説明を中心に進めるが、必要に応じてレポート・演習を課す。レポートは提出後に解説する。
・この科目は、企業で電気回路に関する研究開発を担当していた教員が、その経験を活かし、関連する技術等について講義形式で授業を行うものである。
・この科目は学修単位科目のため、事前・事後学習として予習・復習を行うこと。
注意点:
・正弦波関数による表示と複素数による表示を併用する。正弦波関数に関しては、加法定理、微分積分が必要である。複素数については、直角座標による表示と極座標による表示の相互変換、複素平面におけるベクトル表示、加減乗除算が必要である。準備する用具:関数電卓、定規など。
・授業に欠席した際は担当教員と連絡を取り,伝達事項等がないか必ず確認すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 三相交流の基礎 三相交流の特徴,表示法,結線法についての基礎を理解する
2週 平衡三相回路(1) Y−Y回路,Δ−Δ回路,Y−Δ回路,Δ−Y回路についての特徴を理解する
3週 平衡三相回路(2) 平衡三相回路の電力について理解する
4週 対称座標法 複素電力,対象座標法について理解する
5週 ひずみ波交流と正弦波交流 ひずみ波の分解について概念を理解する
6週 フーリエ級数展開(1) 実フーリエ級数展開を理解する
7週 前半の総復習 前半授業の総まとめを実施し理解を深める
8週 中間試験
2ndQ
9週 フーリエ級数展開(2) 偶関数と奇関数のフーリエ級数展開を理解する
10週 フーリエ級数展開(3) 複素フーリエ級数展開を理解する
11週 フーリエ級数展開(4) パーシバルの定理を理解する
12週 ひずみ波交流の電圧と電流 ひずみ波交流のリアクタンス,実効値,ひずみは起電力による電流について理解する
13週 ひずみ波交流電力と等価正弦波 ひずみ波交流電力,皮相電力,力率ついて理解する
14週 三相回路におけるひずみ波起電力および電流 対称三相ひずみ波起電力および電流について理解する
15週 後半の総復習 後半授業の総まとめを実施し理解を深める
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3
他者の意見を聞き合意形成することができる。3
合意形成のために会話を成立させることができる。3
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3
事実をもとに論理や考察を展開できる。3
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3
法令やルールを遵守した行動をとれる。3
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。3
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力10000000100