到達目標
1. DCモータに対してモデリングすることができる.
2. 一次遅れ要素におけるPID制御系を設計することができる.
3. PLCを用いてPID制御器を実装できる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
DCモータに対してモデリングすることができる. | □微分方程式や伝達関数を用いて,DCモータに対する複数種類のモデリングを行い,その結果を比較して妥当性を検討することができる. | □微分方程式や伝達関数を用いて,DCモータに対するモデリングができる. | □微分方程式や伝達関数を用いて,DCモータに対するモデリングができない. |
一次遅れ要素におけるPID制御系を設計することができる. | □一次遅れ要素における複数種類のPID制御系を設計することができ,その性能を評価することができる. | □一次遅れ要素におけるPID制御系を設計することができる. | □一次遅れ要素におけるPID制御系を設計することができない. |
PLCを用いてPID制御器を実装できる. | □PLCを用いて複数種類のPID制御器を実装できる. | □PLCを用いてPID制御器を実装できる. | □PLCを用いてPID制御器を実装できない. |
学科の到達目標項目との関係
【本校学習・教育目標(本科のみ)】 2
説明
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教育方法等
概要:
世の中に存在するフィードバック制御のおよそ8~9割はPID制御であると言われている.それは,PID制御が直感的に理解でき,たとえ制御対象がモデリングされていなくても,比較的容易にフィードバックゲインを調整して安定な制御を構築できるからである.それゆえ,生産現場におけるPID制御パラメータの調整は必ずしも最適ではないのが現状である.ここでは,制御対象としてDCモータを取り上げ,モデリングに基づくPID制御系の設計と実機への実装および,制御効果の評価を行う.
授業の進め方・方法:
反転授業および,PBL形式のアクティブラーニング (AL) を実施する.Matlab / Simulinkを活用した制御系のシミュレーション,およびPLCとサーボモータを活用したフィードバック制御システムの制御を行う.到達目標(課題)を設定し,グループ内で調査・ディスカッションすることで,目標達成を試みる.重要な点は,目標を達成することよりむしろ,複数の学生がコミュニケーションを通じて,自ら専門知識を学習し活用できる能力を獲得することである.
注意点:
1.試験や課題レポート等は、JABEE 、大学評価・学位授与機構、文部科学省の教育実施検査に使用することがあります。
2.授業参観される教員は当該授業が行われる少なくとも1週間前に教科目担当教員へ連絡してください。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
1)シラバス説明,moodleのコンテンツ紹介,授業概要・方法(反転授業,PBL,アクティブラーニング) 2)アクティブラーニングの実践(問題提起):PID制御系設計手法の復習「DCモータにおける速度制御仕様を満たす制御系の設計問題」 3)グループワーク(題に対して実現する方法(手順)をディスカッション) |
アクティブラーニング形式の学習が実施でき,能動的な専門知識の学び方を実践することができる.
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2週 |
1)前回提示した課題:「DCモータにおける速度制御仕様を満たす制御系の設計問題」の再確認. 2)前回の結論:DCモータの回転速度制御においては,一次遅れ要素で近似できる」を踏まえ,実機にてPID制御系を設計する際に必要なことを検討:微分方程式における物理定数の導出(実測). 3)全ての物理定数(回転慣性,インダクタンスなど)を精度良く実測するのは困難.そこで,制御対象が一次遅れ要素と近似できる事を利用し,モデリングする方法を検討:時定数・ゲイン定数を実測すれば,微分方程式における係数が求まる. |
DCモータのモデリングとその方法を説明できる.
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3週 |
1)前回提示した課題:「DCモータの速度制御(目標値一定)」の再確認・内容の振り返り. 2)実験の実施をイメージし,手順を箇条書きにする.班ごとに発表. 3)実験装置の全体配置図と役割の概要を把握,実験の流れを再検討. 4)実験に必要な事柄の確認: (1)MATLAB/Simulinkを使った制御系の設計・シミュレーション (2)PLCを使ったラダー図(回路)の作成 (3)表示器(タッチパネル)の画面作成 5)DCモータの回転速度制御に必要な技術 (1)エンコーダの信号の読み取り(A・B・Z相) (2)PWMとは |
DCモータのモデリングのための実験ができる.
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4週 |
1)CX-Programmerの使い方(ラダー図の基本) 2)MATLAB/Simulinkの使い方(制御例・一次遅れ要素に対するPID制御) |
1)基本的なシーケンス制御のラダー図を描くことができる. 2)MATLAB/Simulinkを用いた基本的な制御系の設計ができる.
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5週 |
1)表示器の使い方(プログラムの作成・ダウンロード方法) 2)MATLABによる一次遅れ要素のPID制御系設計 3)PLCを用いたラダー図の基本 |
1)基本的なシーケンス制御のラダー図を描くことができる. 2)MATLAB/Simulinkを用いた基本的な制御系の設計ができる.
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6週 |
DCモータのPID制御に向けた作業の継続 |
DCモータにおけるPID制御の設計方法が説明できる.
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7週 |
1)エンコーダを用いたDCモータの回転速度の取得 2)DCモータの回転速度の,表示器を用いたグラフ化 3)MATLABによるPID制御系の設計(閉ループ系を1次系・2次系とする) |
エンコーダを用いたモータのモデリングができる.
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8週 |
前半の総まとめ,進捗確認,後半へ向けての方針の作成 |
1)DCモータのモデリング,およびPID制御系の設計方法についての基礎的な問題を解くことができる. 2)実機を用いたDCモータのモデリング手法が説明できる.
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2ndQ |
9週 |
前期中間試験の返却・コメント,他の班員の担当内容・他の班の作業内容の相互確認 |
試験結果に基づき,自己の理解度を向上させる事ができる.
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10週 |
1)温度制御を例にしたPIDAT命令 2)DCモータにおけるPID制御システムの構築 |
PLCを用いた,PID制御の実装方法の概要を説明できる.
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11週 |
1)エンコーダを用いたモータの回転速度の測定 2)モータの回転速度の表示器へのグラフ表示 |
PLCへのPID制御の実装ができる.
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12週 |
PIDAT命令に必要なパラメータ設定方法 |
PLCへのPID制御の実装における必要なパラメータを説明できる.
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13週 |
PID制御実験と結果の分析 |
DCモータにおけるPID制御結果を分析することができる.
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14週 |
PID制御実験と結果の分析,レポート作成 |
PID制御結果を分かりやすく報告することができる.
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15週 |
総まとめ |
今まで学習してきたことを活用し,与えられた課題の解決方法や結果をまとめ,考察するができる.
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 材料 | 鉄鋼の製法を説明できる。 | 4 | |
炭素鋼の性質を理解し、分類することができる。 | 4 | |
Fe-C系平衡状態図の見方を説明できる。 | 4 | |
焼きなましの目的と操作を説明できる。 | 4 | |
焼きならしの目的と操作を説明できる。 | 4 | |
焼入れの目的と操作を説明できる。 | 4 | |
焼戻しの目的と操作を説明できる。 | 4 | |
評価割合
| 前期中間試験 | 前期末試験 | レポート | 態度 | 合計 |
総合評価割合 | 30 | 30 | 30 | 10 | 100 |
評価割合 | 30 | 30 | 30 | 10 | 100 |