到達目標
1. 各種工作機械および測定の実技、原理を習得し、日常生活における使用している工業製品の加工方法を各自で考えることができるようになる。
2. 習得した加工法、測定法の作業手順等を、他者に適切に伝わるような報告書としてまとめられるようになる。
3. 報告書を決められた様式で書き、期限までに提出できるようになる。
4. 自己と他者の安全に配慮できるようになる。また、習得した安全作業を日常生活に応用できるようになり、危険な作業を具体的に指摘できるようになる。
なお、到達目標3が達成できない場合は、他の目標が達成されていても本科目の習得とはしない。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 各種工作機械および測定の実技、原理を習得するしたうえで、日常生活における使用している工業製品の加工方法を考えることができる。 | 各種工作機械および測定の実技、原理を習得する。 | 各種工作機械および測定の実技、原理が習得できない。 |
評価項目2 | 習得した加工法、測定法の作業手順等を、他者に適切に伝わるような報告書としてまとめられる。 | 習得した加工法、測定法の作業手順等を、報告書としてまとめられる。 | 習得した加工法、測定法の作業手順等を、報告書としてまとめられない。 |
評価項目3 | 報告書を決められた様式で書き、期限までに提出できる。 | 報告書を期限までに提出できる。 | 報告書を期限までに提出できない。 |
評価項目4 | 自己と他者の安全を配慮できる。また、習得した安全作業を日常生活に応用し、危険な作業を具体的に指摘できるようになる。 | 自己と他者の安全に配慮できる。 | 自己と他者の安全に配慮できない。 |
学科の到達目標項目との関係
準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2)
説明
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教育方法等
概要:
各種の実習を通じて、いろいろな工作法および測定の基本を習得する。また、労働災害につながる危険性をこの実習を通じて理解し、安全面に配慮できる能力を身につける。
授業の進め方・方法:
安全作業に関するガイダンスを行い、合計7つのテーマの実習実技を班単位のローテーションによって習得する。評価のポイントは実技の上手さではなく、作業全体を振返った報告書にある。
注意点:
関連科目:
機械工学入門、機械設計製図Iをはじめ、機械工作法I、IIなど多教の科目に関連する。
学習指針:
事前学習:安全に作業を行うために、ガイダンスで配布したプリント、作業ごとに配布されるプリントを、予め熟読し、実習に臨むこと。
事後展開学習:テーマごとに課される報告書を全て確実に提出すること。
※授業計画に記載された作業テーマは各班5週ごとのローテーションとなるため、進行はこの順番通りにはならない。
学修単位の履修上の注意
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス1 |
技術者教育における実技の必要性と、機械工作実習の意義を理解する。作業中の危険について理解し、安全第一の考え方を身につける。
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2週 |
ガイダンス2 |
実習工場を見学し、工作機械の名称等を覚える。 報告書の意義を理解し、様式を理解する。 ノギスによる測定法を習得する。
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3週 |
ガイダンス3 |
実習作業に必要となる簡単な読図ができるようになる。
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4週 |
鋳造作業1 |
木型製作の基礎と鋳造作業の基本を理解する。
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5週 |
鋳造作業2 |
基本の鋳造作業(ブラケット等)を習得する。
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6週 |
鋳造作業3 |
応用の鋳造作業(アンビル等)を習得する。
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7週 |
鋳造作業4 |
アルミニウム合金の鋳込み作業(レベリングブロック)を習得する。
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8週 |
鋳造作業5 |
鋳物砂試験(通気度,圧縮・せん断)の手順を習得する。
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2ndQ |
9週 |
鋳造作業6 |
習得した鋳造作業について報告書を作成できる。
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10週 |
旋盤作業1 |
外周削り、溝入れを習得する。
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11週 |
旋盤作業2 |
安全に旋盤を扱うための基本動作を習得する。
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12週 |
旋盤作業3 |
ノギスによる測定方法,端面削りを習得する。
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13週 |
旋盤作業4 |
穴あけ、中ぐり作業と治具の取扱いを習得する。
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14週 |
旋盤作業5 |
ホブ盤による歯切り作業を習得する。
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15週 |
旋盤作業6 |
習得した旋盤作業について報告書を作成できる。
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16週 |
中間まとめ |
実習前半を振返り、より安全に作業を進められるようになる。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
フライス盤作業1 |
安全にフライス盤を扱うための基本動作を習得する。 立フライスを用いた基本作業として平面切削を習得する。
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2週 |
フライス盤作業2 |
横フライスを用いた基本作業として平面切削を習得する。
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3週 |
フライス盤作業3 |
立・横フライスを用いた基本作業として溝・側面切削を習得する。 習得したフライス盤作業について報告書を作成できる。
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4週 |
マシニングセンター1 |
数値制御工作機械の概念を理解し、簡単なプログラミングを習得する。
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5週 |
マシニングセンター2 |
プログラミングを習得する。
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6週 |
マシニングセンター3 |
習得したマシニングセンターの扱い方、プログラミングについて報告書を作成できる。
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7週 |
手仕上げ1 |
センターポンチの製作。やすりによる端面仕上げと、罫書きを習得する。
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8週 |
手仕上げ2 |
ポンチ先端部の四角錐から円錐への仕上げを習得する。やすりによる八角柱の仕上げを習得する。
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4thQ |
9週 |
手仕上げ3 |
やすりによる八角柱の仕上げを習得する。中目、細目、油目やすりによる仕上げとポンチ後端部の半球状の形状への仕上げを習得する。
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10週 |
手仕上げ4 |
ポンチ先端部の仕上げと焼入れを習得する。 習得した手仕上げ作業について報告書を作成できる。
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11週 |
計測作業1 |
マイクロメータ、万能投影機、プロトラクタの使い方を習得する。
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12週 |
計測作業2 |
サインバーの使い方、ダイヤルゲージの精度検査の手順を習得する。習得した測定作業について報告書を作成できる。
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13週 |
まとめ1 |
習得した加工法、測定法を的確に説明できるようになる。
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14週 |
まとめ2 |
実習中に遭遇したヒヤリハット事例を分析できるようになる。
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15週 |
振り返りと展望 |
取り組んだ実習について振り返るとともに、次年度以降の実習などの教科とのつながりを理解できるようになる.
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16週 |
まとめ3 |
1年間の間に身についた安全意識を発揮して、日常生活の危険性を指摘できるようになる。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の工学実験・実習能力 | 機械系分野(実験・実習能力) | 機械系分野(実験・実習能力) | 各種計測機器の使い方を理解し、計測できる。 | 4 | |
各種工具を用いた手仕上げ加工ができる。 | 4 | |
旋盤、フライス盤、ボール盤の基本操作を習得し、切削作業ができる。 | 4 | |
NC工作機械の基本操作を習得し、基本作業ができる。 | 4 | |
機械工学に関する実験を行い、実験の準備、実験装置の操作、実験結果の整理と考察ができる。 | 3 | |
評価割合
| 各作業の実習報告書の完成度 | 実習で作成するものの完成度 | 安全面への配慮 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 10 | 10 | 100 |
基礎的能力 | 40 | 5 | 5 | 50 |
専門的能力 | 40 | 5 | 5 | 50 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 |