到達目標
【到達目標】
1 ディジタル論理回路の基本
2 フラグ計算式の理解
3 プロセッサのアーキテクチャおよび動作原理の理解
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
ディジタル論理回路の基本 | マルチプレクサ、デコーダ、加算器、レジスタ、カウンタなどの基本回路を設計できる。 | 真理値表から、標準積和および和積形のブール代数式を構成でき、カルノー図で最適化できる。 | NOT,AND,OR,XOR等の基本ゲートの動作だけを理解している。 |
フラグ計算式の理解 | ALUおよびフラグの設計ができる。 | フラグの計算式を理解し、ディジタル回路で構築できる。 | フラグの種類だけを理解している。 |
プロセッサのアーキテクチャおよび動作原理の理解 | プロセッサの基本動作を、マイクロプログラムで表現できる。 | 命令フェッチ、デコード、実効アドレス計算、演算処理のデータパスを構築できる。 | レジスタ、ALU、コントロールユニットがどのようにバス構成されているかを理解する。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
本講義では電子制御機器の中核であるマイクロプロセッサの基本を講義する。基本情報処理技術者試験のCOMET2を対象とし,その動作原理を調査する。計算機工学Ⅰで学習したマイクロプロセッサの構造と動作原理が、どのようにハードウェア実現されるかを理解する。
授業の進め方・方法:
講義を中心に授業を進める。マイクロプロセッサのハードウェア実現が主題であるので、プロセッサの動作手順を把握し、マイクロプログラム表現のデータパスを理解する。講義内容の理解を深めるために、ディジタル論理回路の設計手順について、丁寧に解説し、数人の学生に質問して確実な理解を図る。
注意点:
CPUをどのようにハードウェア実現するかについては高学年でも触れる。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
シラバス内容の説明,論理関数の基礎:論理演算と基本ゲート |
ディジタル回路の基本である、論理演算とAND,OR,NOT,XORの基本ゲートの役割を把握する。
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2週 |
組み合わせ論理回路の基礎:デコーダ,マルチプレクサ等 |
入力の組み合わせだけにより、出力が決定される組み合わせ論理回路の基本を理解する。
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3週 |
演算回路の基礎:全加算器 |
全ての数値演算の基本となる加算器を、1bit信号の加算から理解する。
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4週 |
算術論理演算回路ユニットALU |
加算器に基づいて減算器が構築でき、また桁上げを考慮することにより、さまざまな論理演算も実現できることを理解する。
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5週 |
演算とフラグ |
フラグの計算式を理解し、ディジタル回路で構築できる。
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6週 |
順序回路の基礎:ラッチ,フリップフロップ |
ラッチ、フリップフロップが、フィードバック回路で実現され、記憶素子として使われることを理解する。
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7週 |
レジスタとカウンタ |
基本的な順序回路としてのレジスタとカウンタの構成から、同期回路設計の基礎を理解する。
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8週 |
前期期末試験返却,到達度確認 |
ディジタル論理回路の基本を理解し、マイクロプロセッサの基本構成要素を把握していることを確認する。
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4thQ |
9週 |
システムクロックとレジスタ |
マイクロプロセッサの本質である、データや命令のバス転送がシステムクロックに同期して行われることを理解する。
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10週 |
1バス転送 |
一つのバスを通るレジスタ間の転送が、システムクロックに同期して行われる様子を理解する。
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11週 |
3バス転送 |
ALUによる演算処理が、3つのバスを用いて、1クロックで実行されることを理解する。
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12週 |
制御回路の概説:CPUの基本動作 |
CPUの基本動作が、命令フェッチ、デコード、実効アドレス計算、演算処理で行われることを理解する。
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13週 |
命令フェッチ |
1および2ワード命令が、どのような手順でメモリからCPU内に転送されるかを理解する。
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14週 |
命令の解読と実効アドレス計算 |
命令表に基づいた命令解読の実際と、実効アドレス計算のデータパスを理解する。
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15週 |
プロセッサの制御信号と命令実行 |
演算処理が実行される際の、CPU内の状態と、どのような経路で処理されるかを理解する。
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16週 |
後期期末試験返却,到達度確認 |
試験の内容から、計算機のアーキテクチャを、ソフト/ハード面から理解できているかを確認する。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 情報 | 基本的なアルゴリズムを理解し、図式表現できる。 | 3 | |
プログラミング言語を用いて基本的なプログラミングができる。 | 3 | |
整数、小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。 | 2 | |
基数が異なる数の間で相互に変換できる。 | 2 | |
基本的な論理演算を行うことができる。 | 2 | |
基本的な論理演算を組み合わせて任意の論理関数を論理式として表現できる。 | 3 | |
MIL記号またはJIS記号を使って図示された組み合わせ論理回路を論理式で表現できる。 | 3 | |
論理式から真理値表を作ることができる。 | 3 | |
論理式をMIL記号またはJIS記号を使って図示できる。 | 3 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 20 | 0 | 10 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 40 | 10 | 0 | 10 | 0 | 0 | 60 |
専門的能力 | 20 | 10 | 0 | 0 | 0 | 0 | 30 |
分野横断的能力 | 10 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10 |