歴史特論

科目基礎情報

学校 新居浜工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 歴史特論
科目番号 104230 科目区分 一般 / 選択必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 〈教材〉資料プリント、〈参考文献〉佐伯徳哉著『出雲の中世-地域と国家のはざまー』吉川弘文館2017年
担当教員 佐伯 徳哉

到達目標

1、古文書・古絵図・考古資料や科学的分析を手掛かりに歴史を総合的に再構成して論じることができる。
2、日本史の全体の動きとも関連付けながら地域の歴史を論じることができる。
3、地域の史跡・文化財等を主体的に調査し、歴史の動きと今日に伝えられた伝統文化との関係について発表できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1古文書・古絵図・考古資料・科学分析を相互に関連させながら歴史を再構成し文章で表現できる。古文書・古絵図・考古資料・科学分析個々から歴史を再構成し文章で表現できる。古文書・古絵図・考古資料・科学分析個々の内容が理解できない。
評価項目2日本史の全体の動きの座標に地域の歴史を位置づけ文章で述べることができる。日本史全体の動きと地域の歴史を相互に関連づけながら文章で述べることができる。相互の関連を述べることができない。
評価項目3地域の史跡・文化財から調査対象やテーマを自ら選び、歴史の座標に位置づけながらその歴史的・文化的意義ならびに今日的な意義について述べることができる。地域の史跡・文化財から調査対象やテーマを自ら選び、歴史を座標に位置づけながら説明することができる。地域の史跡・文化財の個別的説明しかできない。

学科の到達目標項目との関係

教養 (D) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
日本の主要な神社のひとつである出雲大社の古代から中世の巨大神殿造営・遷宮体制の変遷を解明することを通じて、日本古代から中世の国家体制のありかたとその変化を考える。過去の神社の建造物や境内景観を復元考察して現在のそれらと比較することを通して、その時代の政治社会体制や文化のありように即して神社の姿がどのように変化するかを明らかにする。また、以上を考え・明らかにする過程で、日本古代・中世の体制史の諸問題について再考する。
授業の進め方・方法:
講義形式、発表形式、作図作業、古文書読解作業とデータ分析
注意点:
3年生の歴史2で勉強した古代・中世の歴史をおさらいしておいてください。そのうえで、2年生の歴史1で勉強した世界史のうち,東アジア史の動きを思い出しながら、また、世界の主要な宗教の内容や特徴と比較しながら本授業の内容を理解できるとよいでしょう。

本科目の区分

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
2週 現在の出雲大社の境内と社殿 古文書・古絵図・考古資料・科学分析個々から歴史を再構成し文章で表現できる。
3週 西暦2000年 出雲大社境内遺跡発掘調査情報から考える 古文書・古絵図・考古資料・科学分析個々から歴史を再構成し文章で表現できる。
4週 鎌倉時代の巨大神殿の想定復元図を描く(作業) 古文書・古絵図・考古資料・科学分析個々から歴史を再構成し文章で表現できる。
5週 鎌倉時代の巨大神殿の想定復元図を描く(考察) 古文書・古絵図・考古資料・科学分析個々から歴史を再構成し文章で表現できる。日本史全体の動きと地域の歴史を相互に関連づけながら文章で述べることができる。
6週 古代の文献に見える出雲大社 古文書・古絵図・考古資料・科学分析個々から歴史を再構成し文章で表現できる。日本史全体の動きと地域の歴史を相互に関連づけながら文章で述べることができる。
7週
8週 摂関政治時代の体制と出雲大社顛倒詐称事件(1) 古文書・古絵図・考古資料・科学分析個々から歴史を再構成し文章で表現できる。
2ndQ
9週 摂関政治時代の体制と出雲大社顛倒詐称事件(2) 日本史全体の動きと地域の歴史を相互に関連づけながら文章で述べることができる。
10週 院政時代の政治体制と出雲大社の造営・遷宮(1) 日本史全体の動きと地域の歴史を相互に関連づけながら文章で述べることができる。
11週 院政時代の政治体制と出雲大社の造営・遷宮(2) 日本史全体の動きと地域の歴史を相互に関連づけながら文章で述べることができる。
12週 平氏政権から鎌倉時代成立期の政治体制と出雲大社の造営・遷宮(1) 日本史全体の動きと地域の歴史を相互に関連づけながら文章で述べることができる。
13週 平氏政権から鎌倉時代成立期の政治体制と出雲大社の造営・遷宮(2) 日本史全体の動きと地域の歴史を相互に関連づけながら文章で述べることができる。
14週 鎌倉時代の政治史と出雲大社造営・遷宮(1) 日本史全体の動きと地域の歴史を相互に関連づけながら文章で述べることができる。
15週 期末試験
16週 期末試験返却    日本史全体の動きと地域の歴史を相互に関連づけながら文章で述べることができる。
後期
3rdQ
1週 鎌倉時代の政治史と出雲大社造営・遷宮(2) 日本史全体の動きと地域の歴史を相互に関連づけながら文章で述べることができる。
2週 出雲大社造営の遅滞と鎌倉幕府体制の変容(1) 古文書・古絵図・考古資料・科学分析個々から歴史を再構成し文章で表現できる。
3週 出雲大社造営の遅滞と鎌倉幕府体制の変容(2) 古文書・古絵図・考古資料・科学分析個々から歴史を再構成し文章で表現できる。
4週 鎌倉時代の出雲大社領と開発ー所領目録の解読ー(1) 古文書・古絵図・考古資料・科学分析個々から歴史を再構成し文章で表現できる。
5週 鎌倉時代の出雲大社領と開発ー所領目録の解読ー(2) 古文書・古絵図・考古資料・科学分析個々から歴史を再構成し文章で表現できる。
6週 鎌倉幕府の崩壊と出雲大社ー後醍醐天皇綸旨を読むー(作業) 日本史全体の動きと地域の歴史を相互に関連づけながら文章で述べることができる。
7週 南北朝の動乱と出雲大社ー後醍醐天皇綸旨の解説ー(作業) 日本史全体の動きと地域の歴史を相互に関連づけながら文章で述べることができる。
8週
4thQ
9週 南北朝・室町幕府体制における出雲大社造営(1) 日本史全体の動きと地域の歴史を相互に関連づけながら文章で述べることができる。
10週 戦国時代から江戸時代初頭における出雲大社(2) 日本史全体の動きと地域の歴史を相互に関連づけながら文章で述べることができる。
11週 伊予の平安・鎌倉時代史 日本史全体の動きと地域の歴史を相互に関連づけながら文章で述べることができる。古文書・古絵図・考古資料・科学分析個々から歴史を再構成し文章で表現できる。
12週 地域文化財の調査研究発表 地域の史跡・文化財から調査対象やテーマを自ら選び、歴史を座標に位置づけながら説明することができる。
13週 地域文化財の調査研究発表 地域の史跡・文化財から調査対象やテーマを自ら選び、歴史を座標に位置づけながら説明することができる。
14週 地域文化財の調査研究発表 地域の史跡・文化財から調査対象やテーマを自ら選び、歴史を座標に位置づけながら説明することができる。
15週 学年末試験
16週 試験返却   総括

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3
他者の意見を聞き合意形成することができる。3
合意形成のために会話を成立させることができる。3
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3
複数の情報を整理・構造化できる。3
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3
事実をもとに論理や考察を展開できる。3
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3
法令やルールを遵守した行動をとれる。3
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。3
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。3
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。3
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。3
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。3
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。3
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。3
企業には社会的責任があることを認識している。3
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。3
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。3
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。3
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。3
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。3
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。3
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3

評価割合

試験研究発表・態度相互評価合計
総合評価割合703000100
基礎的能力703000100
専門的能力00000
分野横断的能力00000