電気回路Ⅲ

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 電気回路Ⅲ
科目番号 0028 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気電子工学科 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「電気回路の基礎」 西巻 正郎、他2名共著  森北出版株式会社
担当教員 屋地 康平

到達目標

正弦波交流のフェーザ表示、回路要素などの基本的特徴を学び、かつその計算法に習熟し、他の専門科目の基礎とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
正弦波交流の概念を理解し,複素数表示とフェーザ表示を相互に使い分けできる.正弦波交流の概念を把握し,最大値,実効値,平均値の数値的意味を説明できる.電流,電圧の複素数表示,フェーザ表示の数値的意味を説明できる.正弦波交流の概念を把握し,最大値,実効値,平均値を相互に変換できる. 電流,電圧の複素数表示,フェーザ表示を相互に変換できる.正弦波交流の最大値,実効値,平均値を相互に変換できない. 電流,電圧の複素数表示,フェーザ表示を相互に変換できない.
交流回路におけるL・C・Rの働きを理解し,要素単体のインピーダンス、電圧、電流を計算できる.L・C・R単体のインピーダンス、電圧、電流の計算を瞬時値の微分・積分などを用いて説明できる.交流回路において電流・電圧に影響を与える回路要素としてL・C・Rがあることを把握し,要素単体のインピーダンス、電圧、電流を計算できる.交流回路における回路要素としてL・C・Rがあることを把握できていない.要素単体のインピーダンス、電圧、電流を計算できない.
回路要素L・C・Rを直列あるいは並列に接続した交流回路各部のインピーダンス、電圧、電流を計算できる.回路要素L・C・Rを直列,並列あるいは直並列に接続した比較的複雑な交流回路の各部のインピーダンス、電圧、電流を計算できる回路要素L・C・Rを直列あるいは並列に接続した簡単な交流回路の各部のインピーダンス、電圧、電流を計算できる.回路要素L・C・Rを直列あるいは並列に接続した簡単な交流回路の各部のインピーダンス、電圧、電流を計算できない.
交流電力の概念を理解し,簡単な交流回路の電力を求めることができる.交流電力および力率を求めることができる.ベクトル表記における交流電力を説明でき,力率の改善に必要な回路要素の値を求めることができる.交流の電力を示す値として有効電力・無効電力・皮相電力があることを把握し,簡単な回路において各値および力率を求めることができる.交流の電力を示す値として有効電力・無効電力・皮相電力があることを把握し,簡単な回路において各値および力率を求めることができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
数学(三角関数、ベクトル、複素数 など)および電気基礎の知識を必要とする。
授業の進め方・方法:
電気回路を理解し、修得するためには、できるだけ多くの問題を解くことが大事である。このため、演習,小テストにも真剣に取り組み,復習を行うこと。
注意点:
解らない点があればその都度質問をし、積極的に理解を深めるようにすること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 交流回路計算のための数学
正弦波交流の発生の原理を説明できる。ベクトルを複素数表示および極座標表示に変換できる。複素数の加減乗除ができる。
2週 正弦波交流電圧・電流 正弦波交流についての基本的な概念を説明できる。最大値、実効値、平均値の定義を説明でき、計算できる。三角関数による正弦波の和および差の計算からその利点と欠点を説明できる。
3週 フェーザ表示 正弦波のフェーザ表示法を学び、計算できる。
4週 回路要素の性質 交流回路においては電流を制限するものがR、L、Cの3種あり、それぞれの働きや位相関係を説明できる。

5週 回路要素の性質 R、L、Cのみの交流回路のインピーダンス、電圧、電流を計算でき、各値のフェーザ図を描ける。
6週 回路要素の直列接続 RL直列回路、RC直列回路、RLC直列回路のインピーダンス、電圧、電流を計算でき、フェーザ図を描ける。
7週 回路要素の直列接続 RL直列回路、RC直列回路、RLC直列回路のインピーダンス、電圧、電流を計算でき、フェーザ図を描ける。
8週 回路要素の並列接続 RL並列回路、RC並列回路、RLC並列回路のインピーダンス、電圧、電流の関係を計算でき、フェーザ図を描ける。
2ndQ
9週 回路要素の並列接続 アドミタンスの概念を理解し、並列回路での計算に適用できる。
一般の並列回路の電圧、電流の関係を説明できる。
10週 二端子の直並列回路 二端子回路の直並列回路について、インピーダンス、電圧、電流の関係を計算でき、フェーザ図を描ける。
11週 二端子の直並列回路 二端子回路の直並列回路について、インピーダンス、電圧、電流の関係を計算でき、フェーザ図を描ける。
12週 交流電力 交流電力の概念を説明できる。
力率、皮相電力、無効電力について理解し、簡単な回路での各値を計算できる。
13週 交流電力 電力のベクトル表記ができる。
14週 交流電力 最大電力を得る条件を説明できる。
交流電力測定の原理を説明できる。
15週 試験答案の返却・解説 試験において間違った部分を自分の課題として把握する(非評価項目).
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。3前2
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。4前2
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。3前3
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。3前4
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。4
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。3
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。3
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。3前10
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。3前10
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。3

評価割合

試験小テスト・レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力0000000
専門的能力70300000100
分野横断的能力0000000