創造実習Ⅰ

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 創造実習Ⅰ
科目番号 0037 科目区分 専門 / 選択
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気電子工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 創造実習Ⅰ実習教本(担当者により作成したもの)
担当教員 須田 隆夫,逆瀬川 栄一,前薗 正宜

到達目標

1.組み込みマイコンの概要および基本構成を説明できる.
2.マイコンにあわせたプログラム作成,書き込み,動作の確認までを実施できる.
3.マイコンのI/Oを利用するプログラム・回路を作ることができる.
4.マイコンの割り込み処理を利用するプログラム・回路を作ることができる.
5.マイコンのAD変換機能を利用するプログラム・回路を作ることができる.
6.マイコンのPWM機能を利用するプログラム・回路を作ることができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
マイコンを構成する各装置の役割や各部のつながりを具体的に説明できる.マイコンの基本的な構成を把握し,各装置の役割を説明できる. CPUの基本命令やアドレス方式を説明できる.マイコンの基本的な構成を把握できず,各装置の役割を説明できない. CPUの基本命令やアドレス方式を説明できない.
マイコンに応じたソフトウェア・ハードウェアを利用してマイコンにプログラムを書き込み,動作させることができる.マイコンに応じたソフトウェア・ハードウェアを利用してマイコンにプログラムを書き込み,動作させることができない.
マイコンのI/Oを利用し,応用的に回路を制御するプログラムを作ることができる.マイコンにおけるI/Oの概要を説明できる. マイコンのI/Oを利用し,プログラムによる回路の単純な操作ができる.マイコンにおけるI/Oの概要を説明できない. マイコンのI/Oを利用し,プログラムによる回路の単純な操作ができない.
割り込みを用いた処理の流れを把握し,複数の割り込みを制御した応用的なプログラムを作ることができる.割り込み処理の概要を説明できる. 割り込み処理を利用した単純なプログラム・回路を作ることができる.割り込み処理の概要を説明できない. 割り込み処理を利用した簡単なプログラム・回路を作ることができない.
AD変換におけるデータの処理過程を把握し,AD変換機能を利用した応用的なプログラム・回路を作ることができる.入力電圧のAD変換によって得られるデジタル値を利用した単純なプログラム・回路を作ることができる.入力電圧のAD変換によって得られるデジタル値を利用した単純なプログラム・回路を作ることができない.
PWM出力を任意に変化させるプログラムを作ることができ,PWMを利用する応用的な回路を制御することができる.任意の単純なPWM波形をマイコンから出力することで,PWMを利用する単純な回路を制御することができる.任意の単純なPWM波形をマイコンから出力することができない. PWMを利用する単純な回路を制御することができない.

学科の到達目標項目との関係

JABEE(2012)基準 1(2)(d)(2) 説明 閉じる
教育プログラムの科目分類 (4)② 説明 閉じる
本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 2-a 説明 閉じる
教育プログラムの学習・教育到達目標 3-3 説明 閉じる
本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 3-d 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電気電子系の技術では必須の要素となった、組込マイコン技術を学び、後期の創造実習Ⅱでのものづくりに利用できるようにする。C言語による開発環境を使いこなせるようにすることは言うまでもなく、特にI/O制御、AD変換、割込み制御、PWM等を使えるようにする。また、必要な資料を自ら探索し、チームで議論、試行錯誤をしながら問題解決を行っていくこと、さらに自分たちの問題解決の方法、結果等について説明する能力を身に付ける事も目標とする。
授業の進め方・方法:
創造実習Ⅰ・Ⅱでは、ものづくりを通して、講義や他の実験・実習により修得した理論と技術要素を応用して問題解決を図ることを最終目的とする。後期のⅡにおいては、学生自ら課題設定し、仕様策定、設計、製作、評価を行う。Ⅰでは、その準備として、電子系ものづくりで必須となる組込マイコン技術について、様々な課題の実現を通して身に付ける。
注意点:
通常の実験・実習とは異なり、実験指導書に基づいて作製・測定を行うだけではなく、与えられた資料を元に、チームで課題の解決を図る。そのために参考書による自学自習や、インターネットを利用した事前の情報収集などが必要となる。実習中に学生一人ひとりに、口頭試問を行い評価の一部とするので、実習班全員が内容を理解してプログラム開発ができるように努力する事。レポートは実習課題[1]~[3]について各自が提出すること。課題[3]については班ごとに結果説明を行い、これも評価するので留意する事。また、夏季休暇中に創造実習Ⅱの創作課題について、各自で事前調査することが望ましい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1.実習内容説明と組込マイコンについて
1.1 組込マイコンシステムの概要と本実習の内容
1.2 H8マイコンの概要
□ 本実習の位置づけを理解し、創造実習Ⅱとの関連を説明できる。
□ 組込マイコンとはどのようなものかを説明できる。

□ 代表的なCPUアーキテクチャ、アドレス方式、レジスタ構成、スタックと制御の流れ等について理解し説明できる。
□ H8マイコンの基本構成、レジスタ構成、各種機能、割込み制御について説明できる。
□ 機械語とニーモニック、アセンブリ言語の関係を説明できる。
2週 2.組込マイコン応用実習
2.1 アセンブラよるプログラムの作製
□ プログラム開発の流れを理解し、H8ニーモニックによるアセンブリ言語のプログラム開発ができる。
□ AKI-H8/3694、I/Oボード、アセンブラの利用法を理解し、アセンブリ言語によるLED点滅プログラムを作成できる。
□ アセンブリ言語による割込みプログラムを作成できる。
3週 2.2 C言語による組込プログラムの開発実習課題[0] □ 開発環境ルネサスHEWによりC言語によるプログラム開発ができる。
□ C言語によるLED点滅プログラムを作製できる。
4週 2.2 C言語による組込プログラムの開発実習課題[0] □ 割込みプログラムの開発手法を理解しこれを利用したプログラムを作製できる。
5週 実習課題[1] □ 実習用LCD搭載H8マイコンボードの回路構成、機能を理解し、作製できる。
6週 実習課題[1] □ 液晶キャラクタディスプレイ(LCD)の機能を理解し、与えられたLCD制御用関数を元に任意の文字を表示するプログラムを作製できる。
7週 実習課題[1] □ LCD表示とI/Oポート出力機能の応用プログラムを作製できる。
8週 実習課題[1] □ LCD表示とI/Oポート出力機能の応用プログラムを作製できる。
2ndQ
9週 実習課題[2] □ AD変換について理解し、入力電圧をLCDに表示するプログラムを作製できる。
10週 実習課題[2] □ AD変換機能を応用した課題プログラムを作成できる。
11週 実習課題[2] □ AD変換機能を応用した課題プログラムを作成できる。
12週 実習課題[3] □ PWM出力について理解し、任意の出力電圧(平均電圧)を出力するプログラムを作製できる。
13週 実習課題[3] □ PWMを応用した課題プログラムを作製できる。
14週 実習課題[3] □ PWMを応用した課題プログラムを作製できる。
15週 3.後期の創作課題の検討 □ 入手可能な様々な基本センサ(光、音)、機能素子(距離センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ)、モータードライバ等について学習し、それらを利用した新たな機能実現の構想を簡単なレポートにまとめることができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

レポート取り組み相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力0000000
専門的能力70300000100
分野横断的能力0000000