| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 標準的な到達レベルに加えて、以下のことができる。
1)電位の重ねの理から電位係数の考え方を導くことができる。
2)重ねの理を応用することができる。
3)電位係数を同心球導体の接地、点電荷と導体球の関係などへ応用できる。 | 1)同心球導体に任意の電荷を与えた場合の電界をガウスの法則より求めることができる。
2)同心球導体の外球、内球それぞれの電位を電界から求める事ができ、電荷と電位の関係を行列で表現できる。
3)電位係数と容量係数・誘導係数の関係を説明できる。
4)接地、静電遮蔽(シールド)について説明できる。 | 電気力線の意味と性質、導体の性質を十分に理解して、様々な導体系において電気力線の予想図を書くことができない。また、電界におけるガウスの法則の意味を十分に理解していない。即ち、同心球の場合、電荷が様々に与えられたとき等、応用が出来ない。 |
評価項目2 | 標準的な到達レベルに加えて、以下のことができる。
複雑なキャパシタの接続の場合の合成容量を計算できる。 | 1)静電容量の定義(導体間、孤立導体)を説明できる。
2)同心球導体、同軸円筒導体、平行導線間、平行平板などの導体間の電界をガウスの法則より求め、電位差を求め、静電容量を導くことができる。また、数値が与えられたとき、それぞれの値を求める事ができる。
3)キャパシタの並列、直列接続の式を導くことができる。 | 同心球導体の内外導体に任意の電荷が与えられた時の、外導体、内外導体間の静電容量を求めることができない。 |
評価項目3 | 標準的な到達レベルに加えて、以下のことができる。
キャパシタの電圧一定(電源が接続されている)とき、系全体のエネルギー変化からf=-ΔW/Δx、キャパシタのエネルギーWcのみに着目したときf=ΔWc/Δx、となることを導くことができる。 | 1)平行平板キャパシタを充電するのに必要なエネルギーの式を導出でき、これより空間に蓄えられる静電エネルギーを説明できる。
2)仮想変位の考え方で、平行平板キャパシタの電極に働く力の式を導く事ができる。
3)仮想変位やエネルギーと力の関係から各種キャパシタ(同心球、同軸円筒、平行導線)の導体に働く力を求める事ができる。 | 電気エネルギー(電源のする仕事)の概念を十分に理解していない。また、仮想変位の考え方、それを一般化した力とエネルギーの関係 f =-∂W/∂xを使いこなすことができない。 |
評価項目4 | 標準的な到達レベルに加えて、以下のことができる。
誘電体中にある平行導線間の静電容量を求めることができる。 | 1)分極現象、電気双極子モーメントと分極密度、分極電荷の関係を理解し、平行平板導体間に誘電体があるモデルからD=ε0E+Pを導く事ができる。
2)χ, εr, εの名称とこれらの関係からD=εEを導くことができる。
3)電束密度のガウスの法則を応用して誘電体の入ったキャパシタの静電容量を求める事ができる。 | 平行平板導体間に誘電体があるモデルからD=ε0E+Pを導く事ができない。また、誘電体が存在する場合は原則として電束密度のガウスの法則を用いなければならないことを理解できない。 |
評価項目5 | 標準的な到達レベルに加えて、以下のことができる。
誘電体境界面にある導体球等の応用問題を解くことができる。
| 1)電束密度の法線成分が連続、電界の接線成分が連続であることを理解し、応用できる。
2)2種の誘電体が重なって/隣り合わせに入ったキャパシタ内の電束密度、電界、静電容量を導出できる。 | 境界面における電界と電束密度の性質の応用として、電気力線の屈折の法則を導くことができない。 |
評価項目6 | 標準的な到達レベルに加えて、以下のことができる。
平行平板中で電界に平行な境界面を持つ2種の誘電体の境界面に働く力を、電源のエネルギー変化を考慮して導くことができる。 | 1)仮想変位による誘電体界面に働く力を導出できる。
2)電源のエネルギー変化を考慮した場合の界面に働く力を説明できる。
3)Maxwell応力を理解し、界面に働く力を計算できる。 | 誘電体境界面の仮想変位のモデルの図から界面に働く力を導くことができない。 |
評価項目7 | 標準的な到達レベルに加えて、以下のことができる。
1)自由電子の運動を平均化した電気伝導モデルによりジュール熱を説明できる。
2)抵抗温度係数の定義を理解し、抵抗値を計算できる。 | 1)電流の定義I = dQ/dtと I = envSの関係、移動度を説明できる。
2)自由電子の運動を平均化したモデルによりオームの法則の説明ができる。
3)温度による導体の抵抗変化を説明できる。 | 自由電子の格子原子への衝突、加速のモデルから平均速度の考え方、オームの法則を導くことが出来ない。 |
評価項目8 | 標準的な到達レベルに加えて、以下のことができる。
電界方向に微小な部分の抵抗dRから積分により抵抗を求め、 静電アナロジーの結果と一致することを導くことができる。 | 1)定常電流場での界面における電流密度の連続性を理解し、静電界とのアナロジーを説明できる。
2)静電アナロジーを応用し、同心球、同軸円筒型抵抗体の抵抗を計算できる。 | 静電アナロジーを応用して、抵抗体の入った導体間の抵抗を計算できない。 |