無機化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 無機化学Ⅱ
科目番号 0009 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 創造工学科(応用化学・生物系共通科目) 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 教科書:古崎 毅・奥田弥生著「苫小牧工業高等専門学校 創造工学科 応用化学・生物系学生のための無機化学」,実教出版編集部編「増補新訂版 サイエンスビュー化学総合資料」実教出版,泉 美治・小川雅彌・加藤俊二・塩川二朗・芝 哲夫 監修「第2版 機器分析のてびき」化学同人/参考図書:R.B.Heslop著,斎藤喜彦訳「無機化学(上・下)」東京化学同人,R.B.Heslop著,齋藤善彦訳「演習無機化学 計算問題とその解き方」東京化学同人,B.D.Cullity著,松村源太郎訳「新版X線回折要論」アグネ,R.M.Silverstein他著,荒木俊・益子洋一郎訳「有機化合物のスペクトルによる同定法」東京化学同人
担当教員 長尾 昌紀

到達目標

1.結晶固体の単位格子の構造を正しく表記でき,X線の回折とBraggの法則を説明できる。
2.結晶の基本構造を描き,充填率の計算ができる。
3.イオンの大きさと配位数の関係を説明できる。
4.代表的なイオン結晶の構造を描くことができる。
5.イオン結晶における欠陥構造の特徴を説明できる。
6.その他の結合からなる結晶の代表的な構造と特性を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1結晶固体の単位格子の構造を正しく表記でき,X線の回折とBraggの法則を説明できる。結晶固体の単位格子の構造を正しく表記でき,X線の回折とBraggの法則の基本的な説明ができる。結晶固体の単位格子の構造を正しく表記できず,X線の回折とBraggの法則の基本的な説明ができない。
評価項目2結晶の基本構造を描き,充填率の計算ができる。結晶の基本構造を描き,充填率の基本的な計算ができる。結晶の基本構造を描けず,充填率の基本的な計算ができない。
評価項目3イオンの大きさと配位数の関係を説明できる。イオンの大きさと配位数の関係の基本的な説明ができる。イオンの大きさと配位数の関係の基本的な説明ができない。
評価項目4代表的なイオン結晶の構造を描くことができる。代表的なイオン結晶の基本的な構造を描くことができる代表的なイオン結晶の基本的な構造を描くことができない。
評価項目5イオン結晶における欠陥構造の特徴を説明できる。イオン結晶における欠陥構造の特徴の基本的な説明ができる。イオン結晶における欠陥構造の特徴の基本的な説明ができない。
評価項目6その他の結合からなる結晶の代表的な構造と特性を説明できるその他の結合からなる結晶の代表的な構造と特性の基本的な説明ができるその他の結合からなる結晶の代表的な構造と特性の基本的な説明ができない。

学科の到達目標項目との関係

 Ⅰ 人間性  1 Ⅰ 人間性
 Ⅱ 実践性  2 Ⅱ 実践性
 Ⅲ 国際性  3 Ⅲ 国際性
 CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力  5 CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力
 CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力  7 CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力

教育方法等

概要:
前期は固体の構造(空間格子,イオン結晶,共有結合結晶,金属結晶,分子結晶,水素結合結晶など)についての基礎知識を教授する。
授業の進め方・方法:
講義は,2年生の無機化学Ⅰで習得した知識を元に,座学方式で行う。課題及び小テストを課すことにより理解を深めるようにする。到達目標を達成できているかどうかを課題により総合評価する(中間時期の達成度確認40%,期末試験40%,及び課題20%の割合)。提出期限の遅れた課題は減点する。合格点は60点である。評価が60点未満の者に対して再試験を実施することがあるが,課題提出や授業態度等が著しく不良な場合はこの受験を認めない。再試験の成績を80%、課題20%として再評価を行う。再試験を受けた者の評価は60点を超えないものとする。
なお評価が60点に満たず、次の条件を満たす者については学年末に再評価試験を行うことがある;①後期定期試験開始日までに申し出があること、②1年間の基本的な生活習慣、学習習慣が良好であること。再評価試験の成績を80%、課題20%として再評価を行う。再評価試験を受けた者の評価は60点を超えないものとする。
注意点:
講義には,電卓,定規,テンプレートを用意すること。授業で課される課題・予習は自学自習により取り組むこと。課題は添削後,返却する。到達目標が達成されていない場合には再提出を求める。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 固体の構造(1):結晶構造の表し方,ミラー指数 結晶固体の単位格子の構造を正しく表記できる。
2週 固体の構造(2):X線の回折,Braggの法則 X線の回折原理とBraggの法則を説明できる。
3週 固体の構造(3):剛体球モデルに基づく単純立方構造と体心立方構造 結晶の基本構造を描き,充填率を計算できる。
4週 固体の構造(4):剛体球モデルに基づく立方最密充填構造と六方最密充填構造 同上
5週 固体の構造(1):イオン結晶構造におけるイオン半径比と配位数の関係 イオンの大きさと配位数の関係を説明できる。
6週 イオン結晶の構造(2):CsCl型結晶構造 代表的なイオン結晶の構造を描くことができる。
7週 イオン結晶の構造(3):NaCl型結晶構造 同上
8週 イオン結晶の構造(4):閃亜鉛鉱型結晶構造 同上
2ndQ
9週 イオン結晶の構造(5):ウルツ鉱型結晶構造 同上
10週 イオン結晶の構造(6):蛍石型結晶構造 同上
11週 イオン結晶の構造(7):ルチルl型結晶構造とペロブスカイト型結晶構造 同上
12週 結晶の欠陥構造(Schottky欠陥,Frenkel欠陥等) イオン結晶における欠陥構造の特徴を説明できる。
13週 共有結合結晶 共有結合結晶の構造と特性を説明できる。
14週 金属結晶,分子結晶 金属結晶及び分子結晶の構造と特性を説明できる。
15週 水素結合結晶,固溶体と合金 水素結合結晶の構造と特性,固溶体と合金を説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野無機化学主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。4
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。4
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。4
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。4
金属結合の形成について理解できる。4
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。4
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。4
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。4
水素結合について説明できる。4

評価割合

中間時期の達成度確認期末試験課題合計
総合評価割合404020100
基礎的能力30301070
専門的能力10101030
分野横断的能力0000