概要:
現代においては、携帯電話やパソコンなど、一つの製品を構成する電気・電子デバイスは様々のものが用いられている。その中で不可欠な部品として名前の挙がるトランジスタ一つとっても、性能や機能などによって非常に多種多様な素子が作製されている。それらは今現在も日進月歩で開発・実用化され続けており、人類社会のより快適な生活を支えているといっても過言ではない。したがって、半導体作製に従事する技術者だけでなく、電子回路を扱うような技術者にとっても、素子の動作原理だけでなく、素子に用いられる材料とその物性についての知識を得ることは素子を利用する上で重要である。
電気電子材料では、様々な電気・電子デバイスの物性を引き起こす原因を材料の観点から扱う。素子および物性については、4年次に開講されている電子デバイスとの関連性を重視する。具体的には、固体の結晶構造および結合様式を概説した後、導電材料、半導体材料、光材料、誘電体材料(絶縁体材料)、磁性材料について個別に取り扱う。それぞれの単元では、材料評価手法についても取り扱う。
授業の進め方・方法:
<授業の進め方>
本授業は講義形式を中心に行う。イメージを湧きやすくするため、本授業では図面による説明を積極的に行う。そのため、教科書だけでなく、プロジェクターによる視聴覚教材も多用する。
<自学自習時間>
・ 重要な単元を扱った後でレポート課題を与える。
・ 1回の定期試験毎に試験準備として、試験対策プリントを配布する。
<質問>
随時受け付ける。質問箇所を明確にし、メールなどで事前に都合を訊いてから来室すること。
角田メールアドレス: kakuda@yonago-k.ac.jp
注意点:
定期試験:80%
前期中間、前期期末、後期中間、学年末の計4回、素点100点満点。
課題レポート:20%
重要な単元が終わった後の授業で行う。複数回予定。
再試験は原則的に行わない。
履修について、特別欠席するときや特別な事情のある場合は、なるべく事前に科目担当教員へその旨を相談すること。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
授業のガイダンス、履修アンケート、デバイスの復習 |
シラバスを読み、1年間の授業内容および到達目標を概観することができる。
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2週 |
MIS構造 |
MIS構造の基本的事項およびバンド図を説明できる。
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3週 |
MISFETの動作状態 |
蓄積・空乏・反転の各状態を解析的に説明できる。
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4週 |
MISFETの型 |
エンハンスメント型・ディプレッション型の違いと特徴を説明できる。
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5週 |
MOSFETの特性 |
MOSFETの特性(線形領域・飽和領域)を解析的に説明できる。
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6週 |
MOSキャパシタ |
MOSキャパシタの基本的事項を説明できる。
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7週 |
MOSFETの実際構造・実際の特性 |
MOSFETの実際構造および実際の特性(フラットバンド電圧)を解析的に説明できる。
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8週 |
前期中間試験 |
前期中間試験により、7週目までの到達度を確認することができる。
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2ndQ |
9週 |
ナノテクノロジーと集積回路 |
集積回路とナノテクノロジーを関連して説明できる。
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10週 |
集積回路の基本構成 |
集積回路の基本的事項およびICの基本構成を説明できる。
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11週 |
IC製造工程 |
IC製造工程の基本的事項を説明できる。
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12週 |
メモリICの基本的事項 |
メモリICの条件を説明し、その分類を行うことができる
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13週 |
メモリIC(DRAMおよびSRAM) |
DRAMおよびSRAMの基本的事項を説明できる。
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14週 |
メモリIC(フラッシュメモリ) |
CMOSおよびフラッシュメモリの基本的事項を説明できる。
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15週 |
MISFET・集積回路の総復習 |
MISFET・集積回路の総復習を行うことで自分の到達度を確認することができる。
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16週 |
前期期末試験 |
前期期末試験により、15週目までの到達度を確認することができる。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
導電材料・抵抗材料,抵抗率 |
導電材料・抵抗材料の基本的事項およびその応用を説明できる。
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2週 |
磁性材料,透磁率,磁化,強誘電体 |
磁性材料の基本的事項およびその応用を説明できる。
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3週 |
誘電体材料,誘電率,電気容量 |
誘電体材料の基本的事項およびその応用を説明できる。
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4週 |
圧電材料,圧電効果,逆圧電効果 |
圧電材料の基本的事項およびその応用を説明できる。
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5週 |
熱電材料,ペルチェ効果,トムソン効果,ゼーベック効果,熱電対 |
熱電材料の基本的事項およびその応用を説明できる。
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6週 |
半導体材料,エネルギーバンド図 |
半導体材料の基本的事項およびその応用を説明できる。
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7週 |
光電子材料,光導電効果,光起電力効果 |
光電子材料の基本的事項およびその応用を説明できる。
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8週 |
後期中間試験 |
後期中間試験により、7週目までの到達度を確認することができる。
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4thQ |
9週 |
通信材料,光ファイバ |
通信材料,光ファイバの基本的事項およびその応用を説明できる。
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10週 |
太陽電池材料 |
太陽電池材料の基本的事項およびその応用を説明できる。
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11週 |
LED・半導体レーザー材料 |
LED・半導体レーザー材料の基本的事項およびその応用を説明できる。
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12週 |
X線回折法 |
X線回折法の基本的事項およびその装置で用いられている電気電子材料を説明できる。
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13週 |
分光法 |
分光法の基本的事項およびその装置で用いられている電気電子材料を説明できる。
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14週 |
電子顕微鏡法・走査型プローブ顕微鏡法 |
電子顕微鏡法・走査型プローブ顕微鏡法の基本的事項およびその装置で用いられている電気電子材料を説明できる。
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15週 |
電気電子材料の総復習 |
電気電子材料の総復習を行うことで自分の到達度を確認することができる。
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16週 |
学年末試験 |
学年末試験により、15週目までの到達度を確認することができる。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電子工学 | 電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。 | 3 | 前1 |
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。 | 3 | 前1 |
原子の構造を説明できる。 | 3 | 前1,前9 |
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。 | 3 | 前1 |
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。 | 3 | 前1 |
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。 | 3 | 前1,前9 |
真性半導体と不純物半導体を説明できる。 | 3 | 前1,前2,前3,前4,前5 |
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。 | 3 | 前1,前2,前3,前4,前5 |
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。 | 3 | 前1,前10,前11,前12,前15 |
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。 | 3 | 前1,前10,前11,前12,前13,前14,前15 |
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。 | 3 | 前2,前3,前4,前5,前6,前7,前12,前13,前14,前15 |