電気電子材料

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 電気電子材料
科目番号 0014 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 澤岡 昭 「電子・光材料」 森北出版,古川 静二郎「電子デバイス工学」森北出版 / 配布プリント
担当教員 角田 直輝

到達目標

1.主要な電気電子材料を挙げ、その基本的事項を説明できる。
2.電子デバイスの特性を電気電子材料と関連させて説明できる。
3.電気電子材料の主要な評価技術を挙げ、その基本的事項を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 主要な電気電子材料を挙げ、その基本的事項を説明できる。導体材料・半導体材料・絶縁体材料・誘電体材料・磁性体材料・光材料などの物質を挙げ、その特徴、物性や原理について、原子的・結晶構造的観点から詳細に説明することができる。導体材料・半導体材料・絶縁体材料・誘電体材料・磁性体材料・光材料などの物質を挙げ、その特徴、物性や原理について、要点を抜き出して説明することができる。導体材料・半導体材料・絶縁体材料・誘電体材料・磁性体材料・光材料などの物質を挙げ、その特徴、物性や原理について、断片的にしか説明することができない、またはまったく説明できない。
評価項目2 電子デバイスの特性を電気電子材料と関連させて説明できる。電子デバイスの特性を、産業的に用いられている電気電子材料の物性・構造的観点と関連させて詳細に説明できる。電子デバイスの特性を、産業的に用いられている電気電子材料の物性・構造的観点と断片的に関連させて説明できる。電子デバイスの特性を、産業的に用いられている電気電子材料の物性・構造的観点と関連させて説明できない。
評価項目3 電気電子材料の主要な評価技術を挙げ、その基本的事項を説明できる。電気電子材料の主要な評価技術を挙げ、その測定原理、解析する物性値、評価装置に用いられる材料について詳細に説明できる。電気電子材料の主要な評価技術を挙げ、その測定原理、解析する物性値、評価装置に用いられる材料について要点を抜き出して説明できる。電気電子材料の主要な評価技術を挙げ、その測定原理、解析する物性値、評価装置に用いられる材料について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-4 説明 閉じる
JABEE d1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
現代においては、携帯電話やパソコンなど、一つの製品を構成する電気・電子デバイスは様々のものが用いられている。その中で不可欠な部品として名前の挙がるトランジスタ一つとっても、性能や機能などによって非常に多種多様な素子が作製されている。それらは今現在も日進月歩で開発・実用化され続けており、人類社会のより快適な生活を支えているといっても過言ではない。したがって、半導体作製に従事する技術者だけでなく、電子回路を扱うような技術者にとっても、素子の動作原理だけでなく、素子に用いられる材料とその物性についての知識を得ることは素子を利用する上で重要である。
 電気電子材料では、様々な電気・電子デバイスの物性を引き起こす原因を材料の観点から扱う。素子および物性については、4年次に開講されている電子デバイスとの関連性を重視する。具体的には、固体の結晶構造および結合様式を概説した後、導電材料、半導体材料、光材料、誘電体材料(絶縁体材料)、磁性材料について個別に取り扱う。それぞれの単元では、材料評価手法についても取り扱う。
授業の進め方・方法:
<授業の進め方>
本授業は講義形式を中心に行う。イメージを湧きやすくするため、本授業では図面による説明を積極的に行う。そのため、教科書だけでなく、プロジェクターによる視聴覚教材も多用する。

<自学自習時間>
・ 重要な単元を扱った後でレポート課題を与える。
・ 1回の定期試験毎に試験準備として、試験対策プリントを配布する。

<質問>
随時受け付ける。質問箇所を明確にし、メールなどで事前に都合を訊いてから来室すること。
角田メールアドレス: kakuda@yonago-k.ac.jp
注意点:
定期試験:80%
前期中間、前期期末、後期中間、学年末の計4回、素点100点満点。
課題レポート:20%
重要な単元が終わった後の授業で行う。複数回予定。

再試験は原則的に行わない。
履修について、特別欠席するときや特別な事情のある場合は、なるべく事前に科目担当教員へその旨を相談すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業のガイダンス、履修アンケート、デバイスの復習 シラバスを読み、1年間の授業内容および到達目標を概観することができる。
2週 MIS構造 MIS構造の基本的事項およびバンド図を説明できる。
3週 MISFETの動作状態 蓄積・空乏・反転の各状態を解析的に説明できる。
4週 MISFETの型 エンハンスメント型・ディプレッション型の違いと特徴を説明できる。
5週 MOSFETの特性 MOSFETの特性(線形領域・飽和領域)を解析的に説明できる。
6週 MOSキャパシタ MOSキャパシタの基本的事項を説明できる。
7週 MOSFETの実際構造・実際の特性 MOSFETの実際構造および実際の特性(フラットバンド電圧)を解析的に説明できる。
8週 前期中間試験 前期中間試験により、7週目までの到達度を確認することができる。
2ndQ
9週 ナノテクノロジーと集積回路 集積回路とナノテクノロジーを関連して説明できる。
10週 集積回路の基本構成 集積回路の基本的事項およびICの基本構成を説明できる。
11週 IC製造工程 IC製造工程の基本的事項を説明できる。
12週 メモリICの基本的事項 メモリICの条件を説明し、その分類を行うことができる
13週 メモリIC(DRAMおよびSRAM) DRAMおよびSRAMの基本的事項を説明できる。
14週 メモリIC(フラッシュメモリ) CMOSおよびフラッシュメモリの基本的事項を説明できる。
15週 MISFET・集積回路の総復習 MISFET・集積回路の総復習を行うことで自分の到達度を確認することができる。
16週 前期期末試験 前期期末試験により、15週目までの到達度を確認することができる。
後期
3rdQ
1週 導電材料・抵抗材料,抵抗率 導電材料・抵抗材料の基本的事項およびその応用を説明できる。
2週 磁性材料,透磁率,磁化,強誘電体 磁性材料の基本的事項およびその応用を説明できる。
3週 誘電体材料,誘電率,電気容量 誘電体材料の基本的事項およびその応用を説明できる。
4週 圧電材料,圧電効果,逆圧電効果 圧電材料の基本的事項およびその応用を説明できる。
5週 熱電材料,ペルチェ効果,トムソン効果,ゼーベック効果,熱電対 熱電材料の基本的事項およびその応用を説明できる。
6週 半導体材料,エネルギーバンド図 半導体材料の基本的事項およびその応用を説明できる。
7週 光電子材料,光導電効果,光起電力効果 光電子材料の基本的事項およびその応用を説明できる。
8週 後期中間試験 後期中間試験により、7週目までの到達度を確認することができる。
4thQ
9週 通信材料,光ファイバ 通信材料,光ファイバの基本的事項およびその応用を説明できる。
10週 太陽電池材料 太陽電池材料の基本的事項およびその応用を説明できる。
11週 LED・半導体レーザー材料 LED・半導体レーザー材料の基本的事項およびその応用を説明できる。
12週 X線回折法 X線回折法の基本的事項およびその装置で用いられている電気電子材料を説明できる。
13週 分光法 分光法の基本的事項およびその装置で用いられている電気電子材料を説明できる。
14週 電子顕微鏡法・走査型プローブ顕微鏡法 電子顕微鏡法・走査型プローブ顕微鏡法の基本的事項およびその装置で用いられている電気電子材料を説明できる。
15週 電気電子材料の総復習 電気電子材料の総復習を行うことで自分の到達度を確認することができる。
16週 学年末試験 学年末試験により、15週目までの到達度を確認することができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。3前1
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。3前1
原子の構造を説明できる。3前1,前9
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。3前1
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。3前1
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。3前1,前9
真性半導体と不純物半導体を説明できる。3前1,前2,前3,前4,前5
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。3前1,前2,前3,前4,前5
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。3前1,前10,前11,前12,前15
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。3前1,前10,前11,前12,前13,前14,前15
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前12,前13,前14,前15

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000