システムプログラム

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 システムプログラム
科目番号 0043 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子情報工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 前期:1
教科書/教材 オペレーティングシステム入門 [ 新版 ] ;古市栄治/日本理工出版会
担当教員 森山 英明

到達目標

1.コンピュータシステムにおけるオペレーティングシステムの役割を理解できる
2.オペレーティングシステムによるプログラムの管理と制御の手法を説明できる
3.プログラムの実行効率を考慮したデータの配置手法を説明できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1標準的な到達レベルに加え,オペレーティングシステムの種類や歴史を把握し説明できる.オペレーティングシステムの意義,役割,機能を理解し,説明できる.オペレーティングシステムの意義,役割,機能に関する知識が不足している.
評価項目2標準的な到達レベルに加え,マルチプログラミング環境の実現方法や一般的に用いられているオペレーティングシステムにおける制御方法を説明できる.オペレーティングシステムによるプロセス管理の概念を理解し,プロセス間の通信,スケジューリング,割込み制御を説明 できる.プロセス管理,プロセス間通信,スケジューリング,割り込み制御に関する知識が不足している.
評価項目3標準的な到達レベルに加え,プログラムの実行効率やメモリの利用効率を考慮した制御について説明できる.仮想記憶システムと入出力制御について意義,役割,具体的な手法を説明できる.仮想記憶システムと入出力制御に関する知識が不足している.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-1 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 B-4 説明 閉じる

教育方法等

概要:
コンピュータシステムでは,オペレーティングシステムと呼ばれるソフトウェアの役割が非常に重要である.オペレーティングシステムは,ハードウェアとソフトウェアの中間に位置し,コンピュータ上で動作するプログラムの実行効率やコンピュータの資源の利用率を考慮した制御を行っている.本授業では,オペレーティングシステムについて,その役割から機能,実現技術について学習する.
授業の進め方・方法:
教科書を参照しつつ,黒板を用いて授業を行う.授業内容の理解を深めるために,教科書の演習問題に取り組み,復習を行うこと.
注意点:
オペレーティングシステムはハードウェアとソフトウェアの中間に位置するため,「 情報処理基礎」,「工学基礎2」,「計算機工学」で学習する基本的なコンピュータシステムの構成,周辺機器,コンピュータアーキテクチャなどを理解しておくことが望ましい.また,オペレーティングシステムを実現するための技術として各種のアルゴリズムを用いるため,「アルゴリズム」や「プログラミング」の概念も必要となる.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オペレーティングシステムの概要 オペレーティングシステム(OS)の意義,役割,歴史,種類,および基本的な機能を説明できる.
2週 プロセスの制御1 OSにおけるプロセスの概要を理解し,プロセスの状態遷移を説明できる.
3週 プロセスの制御2 マルチプログラミング環境で必要となる排他制御の概念と具体的な手法を説明できる.
4週 プロセスの制御3 プロセス間の通信と同期を説明でき,OS
のネットワーク機能を説明できる.
5週 プロセスのスケジューリング1 プロセスのスケジューリングを理解し,基本的なスケジューリング手法を説明できる.
6週 プロセスのスケジューリング2 応用として,既存のOSで用いられているスケ
ジューリング技法を説明できる.
7週 割込みの制御1 割込みの概要と種類を把握し,割込み制御の流れを説明できる.
8週 割込みの制御2 割込み発生時の制御処理,CPUモード,優先度,コンテクスト切替え処理を説明できる.
2ndQ
9週 仮想記憶システム1 主記憶の管理手法,仮想記憶システムの概念,およびアドレス変換について説明できる.
10週 仮想記憶システム2 ページングにおけるページ置換えの具体的な技法を説明できる.
11週 仮想記憶システム3 プログラムの参照の局所性を考慮したページ置換え技法を説明できる.
12週 入出力とファイルの制御1 入出力動作の概要と磁気ディスク装置を用いたデータの管理を説明できる.
13週 入出力とファイルの制御2 ファイルシステムの構造と管理方法を説明できる.
14週 入出力とファイルの制御3 ファイル入出力の概要と効率的なファイルアクセス技法を説明できる.
15週 期末試験
16週 テスト返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野計算機工学整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。4
基数が異なる数の間で相互に変換できる。4
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。4
システムプログラムコンピュータシステムにおけるオペレーティングシステムの位置づけを説明できる。4
プロセス管理やスケジューリングなどCPUの仮想化について説明できる。4
排他制御の基本的な考え方について説明できる。4
記憶管理の基本的な考え方について説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力600000060
専門的能力300000030
分野横断的能力100000010