概要:
有機化学の研究および工業の応用に必要な基礎的操作や技術、また、危険防止などの基礎的知識を習得することを目的とする。ここから実験の方法、考え方を自分で会得して講義や本で学ぶ有機化学の理論と同じレールに乗り、思考と共に進むことに最終の目的がある。なお授業内容は公知の情報のみに限定されている。
授業の進め方・方法:
すべての実験は研究に通ずるものであり、常に研究的態度で臨むならばその成果ははかり知れないものがある。そのためには、単に実験操作書に従って実験するだけでなく、頭を働かせて学問としての自己活動をするよう努力するならば、慣れてくるにつれて実験の興味は無限に湧いてくるものである。
注意点:
・実験は、白衣および安全メガネを着け実施すること。
・実験を行う前に予習をしておくこと。
・レポート提出期日に遅れる場合は減点、未提出レポートがある場合は不合格となるので注意すること。
・ガイダンスや実験中態度が悪い(居眠り,騒ぐ、携帯電話の使用など)場合は減点とするので十分に注意すること。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
実験ガイダンス |
実験全体のガイダンスを行う。
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2週 |
実験ガイダンス |
基礎実験である抽出実験の概要、操作、注意点について理解する。
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3週 |
実験ガイダンス |
基礎実験である水蒸気蒸留実験の概要、操作、注意点について理解する。
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4週 |
実験ガイダンス |
基礎実験である再結晶実験の概要、操作、注意点について理解する。薬品の取り扱いには十分注意するとともに皮膚や衣服についた場合の処置方法など安全教育についても説明する。
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5週 |
抽出(コア) |
アニリン塩酸塩からアニリンを抽出精製する操作を通して液液抽出、常圧蒸留の操作に習熟する。
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6週 |
水蒸気蒸留(コア) |
ニトロベンゼンの水蒸気蒸留を通してその原理と装置、操作に習熟する。
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7週 |
再結晶(コア) |
アセトアニリドの再結晶を通して減圧濾過、融点測定の操作に習熟する。
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8週 |
1. アジピン酸(コア) |
7種の合成反応を行うことによりケトンおよびフェノールの酸化、Fischerのエステル合成、アルコールの臭素化、芳香族化合物のニトロ化・スルホン化の理論を理解し、実際に用いられる反応条件(試薬・温度・反応時間)を比較検討し、講義で勉強した知識を実験を通して確実に身に付けるようにする。また、レポートの書き方に習熟し、将来の研究論文作成のための一助とする。
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4thQ |
9週 |
2. p-キノン(コア) |
7種の合成反応を行うことによりケトンおよびフェノールの酸化、Fischerのエステル合成、アルコールの臭素化、芳香族化合物のニトロ化・スルホン化の理論を理解し、実際に用いられる反応条件(試薬・温度・反応時間)を比較検討し、講義で勉強した知識を実験を通して確実に身に付けるようにする。また、レポートの書き方に習熟し、将来の研究論文作成のための一助とする。
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10週 |
3. アセトアニリド(コア) |
7種の合成反応を行うことによりケトンおよびフェノールの酸化、Fischerのエステル合成、アルコールの臭素化、芳香族化合物のニトロ化・スルホン化の理論を理解し、実際に用いられる反応条件(試薬・温度・反応時間)を比較検討し、講義で勉強した知識を実験を通して確実に身に付けるようにする。また、レポートの書き方に習熟し、将来の研究論文作成のための一助とする。
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11週 |
4. 安息香酸エチル(コア) |
7種の合成反応を行うことによりケトンおよびフェノールの酸化、Fischerのエステル合成、アルコールの臭素化、芳香族化合物のニトロ化・スルホン化の理論を理解し、実際に用いられる反応条件(試薬・温度・反応時間)を比較検討し、講義で勉強した知識を実験を通して確実に身に付けるようにする。また、レポートの書き方に習熟し、将来の研究論文作成のための一助とする。
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12週 |
5. 臭化ブチル(コア) |
7種の合成反応を行うことによりケトンおよびフェノールの酸化、Fischerのエステル合成、アルコールの臭素化、芳香族化合物のニトロ化・スルホン化の理論を理解し、実際に用いられる反応条件(試薬・温度・反応時間)を比較検討し、講義で勉強した知識を実験を通して確実に身に付けるようにする。また、レポートの書き方に習熟し、将来の研究論文作成のための一助とする。
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13週 |
6. ニトロベンゼン(コア) |
7種の合成反応を行うことによりケトンおよびフェノールの酸化、Fischerのエステル合成、アルコールの臭素化、芳香族化合物のニトロ化・スルホン化の理論を理解し、実際に用いられる反応条件(試薬・温度・反応時間)を比較検討し、講義で勉強した知識を実験を通して確実に身に付けるようにする。また、レポートの書き方に習熟し、将来の研究論文作成のための一助とする。
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14週 |
7. 薄層クロマトグラフィ(コア) |
薄層クロマトの原理およびアミノ酸の分離実験を行うことにより、脂溶性・親水性基の違いにより分離が可能であることを理解する。
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15週 |
レポートの添削指導 |
提出されたレポートを添削し、各個人毎に内容や書き方等について説明指導を行なう。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 化学実験 | 化学実験 | 実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。 | 3 | |
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。 | 3 | |
測定と測定値の取り扱いができる。 | 3 | |
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。 | 3 | |
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。 | 3 | |
ガラス器具の取り扱いができる。 | 3 | |
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の工学実験・実習能力 | 化学・生物系分野(実験・実習能力) | 化学・生物系分野(実験・実習能力) | 加熱還流による反応ができる。 | 4 | 後10,後11,後12 |
蒸留による精製ができる。 | 4 | 後5,後6 |
吸引ろ過ができる。 | 4 | 後7,後8,後9,後10 |
再結晶による精製ができる。 | 4 | 後7,後8,後10 |
分液漏斗による抽出ができる。 | 4 | 後5,後6,後9 |
薄層クロマトグラフィによる反応の追跡ができる。 | 4 | 後14 |
融点または沸点から生成物の確認と純度の検討ができる。 | 4 | 後7,後8,後10 |
収率の計算ができる。 | 4 | 後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13 |
化学工学実験 | 流量・流速の計測、温度測定など化学プラント等で計測される諸物性の測定方法を説明できる。 | 4 | |
液体に関する単位操作として、特に蒸留操作の原理を理解しデータ解析の計算ができる。 | 4 | |
流体の関わる現象に関する実験を通して、気体あるいは液体の物質移動に関する原理・法則を理解し、物質収支やエネルギー収支の計算をすることができる。 | 4 | |
生物工学実験 | 適切な方法や溶媒を用いて、生物試料から目的の生体物質を抽出し、ろ過や遠心分離等の簡単な精製ができる。 | 4 | |
分光分析法を用いて、生体物質を定量することができる。 | 2 | 後14 |
クロマトグラフィー法または電気泳動法によって生体物質を分離することができる。 | 2 | 後14 |