応用物理Ⅰ

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 応用物理Ⅰ
科目番号 0376 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質環境工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 力学Ⅱ(大日本図書),電磁気・原子(大日本図書)
担当教員 田淵 正幸

到達目標

1. 力学に関わる物理量,方程式を微分積分を用いて記述し,計算することができる
2. 電気に関する基礎知識を理解し,物理量を計算することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1複雑な運動について,微分積分を用いて記述し,計算することができる簡単な運動について,微分積分を用いて記述し,計算することができる物理現象を微分積分を用いて記述したり計算することができない.
評価項目2電気に関して,複合的な応用問題を解くことができる電気に関して,授業で扱った基本的な現象に関する問題を解くことができる.授業で扱った基本的な問題を解くことができない.

学科の到達目標項目との関係

函館高専教育目標 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
物理学の基礎知識を習得する.低学年の物理で学んだ物理現象をベクトル,微分積分を用いて記述でき,原理から順を追って考えていく能力を身につける.単に数式を丸暗記するのではなく,種々の力学の現象に適用される法則や式を理解し,導出できるようにする.電気に関する現象のうち,電荷,電流とそれに関連する事項についてその概念と理論を理解する.
授業の進め方・方法:
これまでに学んだ数学,特に三角関数,ベクトル,微分積分の知識が重要となる.授業では,必要に応じてこれらの一部を復習をしながら進むが,その時点で確実なものになっていなければならない.
各定期試験までの間におおむね2回の小テストを行う.小テスト実施時は次に進むための知識のまとめのときでもあるので,このときまでに最低限必要な知識は身につけておくようにする.
数学,物理で用いる数式の丸暗記にとどまらず,その考え方や適切な表現方法を身につけるようにつとめる.数値を求める場合には,用いる値や目的量の単位にも注意を払う.
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
1.ベクトルとその微分
1-1基本ベクトルと位置ベクトル
ベクトルの表記ができ,基本的な演算ができる.
スカラー積の定義を理解し,その計算ができる.
2週 1.ベクトルとその微分
1-1基本ベクトルと位置ベクトル
ベクトルの表記ができ,基本的な演算ができる.
スカラー積の定義を理解し,その計算ができる.
3週 1-2速度と加速度 ベクトルの微分で,位置から,速度,加速度を導出できる.
放物運動における,物体の位置,速度,加速度,軌道の方程式が導出できる.
4週 1-2速度と加速度 ベクトルの微分で,位置から,速度,加速度を導出できる.
放物運動における,物体の位置,速度,加速度,軌道の方程式が導出できる.
5週 1-2速度と加速度 ベクトルの微分で,位置から,速度,加速度を導出できる.
放物運動における,物体の位置,速度,加速度,軌道の方程式が導出できる.
6週 2.運動の法則
2-1運動の3法則
ニュートンの運動の3法則を説明できる.
7週 2-1運動の3法則
2-2次元と単位
ニュートンの運動の3法則を説明できる.
代表的な物理量の次元,単位を求めることができる.
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 試験答案返却・解答解説
3.運動方程式の積分
3-1初期値問題
試験の解説に基づいて,理解度が低い部分を理解する.
放物運動について,物体の運動方程式を積分し,種々の初期条件による問題に適用できる.
10週 3-1初期値問題 放物運動について,物体の運動方程式を積分し,種々の初期条件による問題に適用できる.
11週 3-2 スカラー積と仕事

仕事をスカラー積と積分を用いて求めることができる.
12週 3-2 スカラー積と仕事
3-3 運動エネルギー
仕事をスカラー積と積分を用いて求めることができる.
運動方程式から,仕事と運動エネルギーの関係を導出できる.
13週 3-4 保存力とポテンシャル ポテンシャルの定義を理解し,積分を用いて計算できる.
14週 3-5 力学的エネルギー保存則
3-6 運動量保存則と力積
力学的エネルギー保存則,運動量保存則,力積と運動量変化が等しいことを導出し,簡単な運動に適用できる.
15週 前期期末試験
16週 試験答案返却・解答解説 試験の解説に基づいて,理解度が低い部分を理解する.
後期
3rdQ
1週 4.回転運動
4-1 ベクトル積
ベクトル積とその大きさを求めることができる.
2週 4-2 力のモーメントと角運動量 角運動量をベクトル積で表現し,計算できる.
運動方程式から回転運動の方程式を導出でき,力のモーメントと角運動量の関係を説明できる.
力のモーメントをベクトル積で表現し,計算できる.
3週 4-2 力のモーメントと角運動量 運動方程式から回転運動の方程式を導出でき,力のモーメントと角運動量の関係を説明できる.
4週 4-2 力のモーメントと角運動量 力のモーメントをベクトル積で表現し,計算できる.
5週 4-3 中心力による運動と角運動量保存則
4-4 等速円運動
中心力の定義を理解し,角運動量保存則を導出できる.
等速円運動について,物体の位置,速度,加速度を求めることができる.
6週 4-4 等速円運動 等速円運動について,物体の位置,速度,加速度を求めることができる.
7週 4-5万有引力 惑星の運動を万有引力を向心力とした円運動として解析できる.
力学的エネルギー保存則から,第二宇宙速度を求めることができる.
8週 後期中間試験
4thQ
9週 試験答案返却・解答解説
5.電荷と静電気力
5-1.電荷と物体の帯電
5-2.導体と不導体
5-3.クーロンの法則
試験の解説に基づいて,理解度が低い部分を理解する.
電荷と静電気力,電荷保存の法則が説明できる.
静電誘導と誘電分極について説明できる.
10週 5-3.クーロンの法則 点電荷間にはたらく力を求めることができる.
11週 6.電流と抵抗
6-1.電流と電荷
6-2.オームの法則
電流の定義と自由電子との関係を説明できる.
オームの法則を理解し,関連する物理量を算出できる.
12週 6-2.オームの法則
6-3.抵抗の接続
オームの法則を理解し,関連する物理量を算出できる.
2個以上の抵抗の合成抵抗を求めることができる.
13週 7.電流と仕事
7-1.電流がする仕事
7-2.ジュール熱
電流がする仕事を求めることができる.
電流による発熱量を求めることができる.
14週 7-2.ジュール熱
7-3.電力と電力量
電流による発熱量を求めることができる.
電力,電力量を求めることができる.
15週 学年末試験
16週 試験答案返却・解答解説 試験の解説に基づいて,理解度が低い部分を理解する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。2前3,前4,前5
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。2前3,前4,前5
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。2前4,前5
鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。2前4,前5
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。2前5,前9,前10
慣性の法則について説明できる。2前6
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。2前7
運動方程式を用いた計算ができる。2前6
仕事と仕事率に関する計算ができる。2前11
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。2前11
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。2前13
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。2前14
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。2前14
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。2前14
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。2前14
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.2後7
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。2後7
力のモーメントを求めることができる。2後2,後3,後4
角運動量を求めることができる。2後2,後3,後4

評価割合

試験小テスト合計
総合評価割合8020100
基礎的能力8020100