1. 生体内で起こる化学反応について,物理・化学に基づいた扱い方・考え方を学ぶ。
2. 基礎科目(数学・物理・化学)の知識と生命現象のつながりを認識し、工学的技術が生体や環境に及ぼす影響について考えるときに必要となる知識の基礎を身に付ける。
概要:
物理化学は物質の構造・機能(物性)・反応を物理学の手法を用いて解明する化学の一分野であり、生体内で起こる現象を物理化学の問題として取り扱う部門が生物物理化学である。生体内で起こる化学反応について、この科目の前半では主にエネルギーに着目して、この科目の後半では主に反応速度に着目して、学習する。
授業の進め方・方法:
平素の授業では講義を行い、その中で生物物理化学に関する発表や小テストも課す。
連絡員:小笠原
注意点:
これまでに学習した基礎科目(数学・物理・化学)の知識が生命やそれに関連する身近な現象の理解にどうのように役立っているのかを意識しながら学習すること。
教室の都合上、抽選により同時開講の「科学技術と環境」と人数の調整を行うことがある。
生物物理化学に関する、授業時間内での発表、および発表スライド提出をもって、期末試験の代わりに評価する。
評価の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
生物物理化学を理解するための物理・化学の基礎知識の確認 |
生物物理化学を理解するための物理・化学の基礎知識の確認をする。
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2週 |
生体高分子化合物 核酸・遺伝子 |
核酸の特性と機能について習得する。
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3週 |
生体高分子化合物 タンパク質・酵素 |
タンパク質の特性と機能について習得する。
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4週 |
生体高分子化合物 炭水化物 |
炭水化物の特性と機能について習得する。
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5週 |
生体高分子化合物 脂質・生体膜 生物物理化学に関する学生発表 (1) |
脂質の特性と機能について習得する。
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6週 |
物質・生体とエネルギー 同化・異化 (1) 生物物理化学に関する学生発表 (2) |
光化学反応を含めた同化・異化反応について習得する。
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7週 |
物質・生体とエネルギー 同化・異化 (2) 生物物理化学に関する学生発表 (3) |
物質からエネルギー(ATP)を取り出す過程について習得する。
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8週 |
化学反応速度論 (1) 生物物理化学に関する学生発表 (4) |
酵素が関与する反応の速度論として、ミカエリス・メンテン理論について習得する。
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4thQ |
9週 |
化学反応速度論 (2) 生物物理化学に関する学生発表 (5) |
ミカエリス・メンテン理論による酵素阻害の取り扱いについて習得する。
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10週 |
化学反応速度論 (3) 生物物理化学に関する学生発表 (6) |
酸・塩基による酵素阻害について習得する。
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11週 |
生物物理化学に関連する技術 (1) 分析法 生物物理化学に関する学生発表 (7) |
生物に関連する分析法(UV・IR・NMR・マススペクトル 等)について習得する。
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12週 |
生物物理化学に関連する技術 (2) 技術の応用 生物物理化学に関する学生発表 (8) |
技術の応用例(mRNAワクチンの作成法・iPS細胞の作成法 等)について習得する。
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13週 |
生物物理化学に関連する技術 (3) 放射線の影響 生物物理化学に関する学生発表 (9) |
放射線による突然変異・がん化のしくみ、および放射線治療法について習得する。
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14週 |
生物物理化学に関する学生発表 (10) |
学生発表を行い、生体内で起こる化学反応について、物理・化学に基づいた扱い方・考え方について習得する。
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15週 |
生物物理化学に関する学生発表 (11) |
学生発表を行い、生体内で起こる化学反応について、物理・化学に基づいた扱い方・考え方について習得する。
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16週 |
期末試験は行わない
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | コミュニケーションスキル | コミュニケーションスキル | どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。 | 3 | 後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15 |
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。 | 3 | 後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15 |