環境エネルギー工学

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 環境エネルギー工学
科目番号 0033 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 平田哲夫・ほか3名「図解 エネルギー工学」(森北出版) / 適宜プリントを配布、関井康雄・脇本隆之「エネルギー工学(改定新版)」(電気書院)
担当教員 土井 淳

到達目標

【前期末試験】
(1)エネルギー資源の概要の理解、(2)エネルギー変換の概要の理解、(3)火力発電原理・発電施設の理解、(4)原子力発電原理・発電施設の理解、(5)水力発電原理・発電施設の理解
【学年末試験】
(1)各種の再生可能エネルギーによる発電原理・発電施設の理解、(2)燃料電池の発電原理・発電施設の理解
【実   習】
環境エネルギー問題に対して、科学的根拠と論理的思考に基づいた的確な判断力を身につけること
 

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる
JABEE基準 (d-2a) 説明 閉じる
JABEE基準 (d-2b) 説明 閉じる
システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 D-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 こんにちのエネルギー事情ならびにエネルギー資源の変遷、現状および今後の動向を、次いで、現在の火力(化石燃料)発電、原子力発電および水力発電の要点を学ぶ。また、風力、太陽光、地熱、バイオマスの再生可能エネルギー発電や燃料電池等についても学ぶ。
 エネルギーと環境、再エネ発電計画、省エネルギー技術について自ら調べ考えるための調査・実習(それぞれ4テーマ)を設け、報告書の作成および発表を行う。
授業の進め方・方法:
 講義は教科書および配布プリント(補足資料および演習問題)により行う。
 前・後期の後半は学生発表による授業を行う。定められた期日までに、割り当てられたテーマの報告書を作成し、発表用スライドと共に提出しなければならない。
注意点:
関連科目
 1年 環境リテラシ、化学Ⅰ  2年 物理Ⅱ  3年 環境工学概論
 4年 電気電子材料、電気機器工学
 5年 環境エレクトロニクス、電力系統工学、電気法規・設備工学
学習指針
 電気エネルギーは他のエネルギーへの変換が容易であり、輸送に要する時間が極めて短いため、最も便利で安全なエネルギー形態であるといえる。この電気エネルギー発生の仕組みを理解させると同時に、将来のエネルギー問題を、地球環境を配慮して展望しうる素養を習得させる。
自己学習
 目標を達成するためには予習復習を怠らないこと。また、エネルギーの動向に関する情報を常日頃から得るよう心掛け、調査・実習への真摯な取り組みと活発な議論を期待する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 エネルギー環境学 (講義)文明の進歩とエネルギー,3Eのトリレンマと21世紀文明
2週 化石燃料 (講義)エネルギー資源とその分類,化石エネルギーとその埋蔵量
3週 再生可能エネルギー (講義)地熱・海洋熱・風力・水力・波力・太陽光エネルギー
4週 エネルギー変換のあらまし (講義)エネルギーの変換方法,熱力学の理論,流体力学の理論,発電方式
5週 火力(化石燃料)発電(1) (講義)燃焼,火力発電のサイクル,火力発電の熱効率
6週 火力(化石燃料)発電(2) (講義)火力発電所の設備,複合サイクル発電,環境保全対策
7週 原子力発電(1) (講義)核分裂・核融合,原子力発電のサイクル,原子力発電の熱効率
8週 原子力発電(2) (講義)原子炉と原子力発電所,軽水炉による原子力発電所,核燃料サイクル
2ndQ
9週 エネルギーと環境 (講義)環境問題とエネルギー利用のかかわり
10週 エネルギーと環境(1) (調査・考察)以下の4テーマについての発表の準備
11週 エネルギーと環境(2) 発表)「化石燃料の燃焼に伴う環境汚染」
12週 エネルギーと環境(3) (発表)「原子力発電に伴う環境汚染」
13週 エネルギーと環境(4) (発表)「わが国における大気汚染の状況と保全」
14週 エネルギーと環境(5) (発表)「エネルギー利用と地球の温暖化」
15週 水力発電(1) (講義)水車の基礎理論,水車の種類,水車の変換効率
16週 水力発電(2) (講義)水力発電所の土木設備,水力発電所の運転と保守,水力発電所の建設
後期
3rdQ
1週 風力発電 (講義)風車の基礎理論,風車の種類,風車の変換効率,風力発電システム
2週 太陽光発電 (講義)光起電力の原理,太陽電池,太陽電池の変換効率,太陽光発電システム
3週 地熱発電 (講義)地熱発電のサイクル,地熱発電の熱効率,地熱発電所の設備
4週 バイオマス発電 (講義)バイオマス資源の種類と利用,バイオマス発電の方式
5週 燃料電池 (講義)電力発性の原理,燃料電池の種類,燃料電池の変換効率
6週 再エネ発電の計画(1) (実習)以下の4種類の発電方式についての発表の準備
7週 再エネ発電の計画(2) (発表)小水力・風力発電の設備設計を行い、発電電力量を評価
8週 再エネ発電の計画(3) (発表)太陽光・地熱発電の設備設計を行い、発電電力量を評価
4thQ
9週 再エネ発電の計画(4) (講義)電源毎の普及状況と課題
10週 省エネルギー技術 (講義)省エネルギーのあらまし
11週 省エネルギー技術(1) (調査・考察)以下の4テーマについての発表の準備
12週 省エネルギー技術(2) (発表)「エネルギー転換技術の向上」
13週 省エネルギー技術(3) (発表)「未利用エネルギーの利用」
14週 省エネルギー技術(4) (発表)「製品の効率向上」
15週 省エネルギー技術(5) (発表)「EMSによるエネルギーの最適利用」
16週 地球温暖化は解決できるか (演習➀)考えてみよう! 日本のエネルギー選択と温室効果ガス削減目標
(演習➁)あなたは低炭素・脱炭素のために何ができるのか?

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電力水力発電の原理について理解し、水力発電の主要設備を説明できる。2
火力発電の原理について理解し、火力発電の主要設備を説明できる。2
原子力発電の原理について理解し、原子力発電の主要設備を説明できる。2
その他の新エネルギー・再生可能エネルギーを用いた発電の概要を説明できる。3
電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60400000100
基礎的能力0000000
専門的能力60400000100
分野横断的能力0000000