到達目標
発電,送変電,配電によって構成される電力系統について,既習の電気基礎技術に基づき理解するとともに,電気エネルギーを運ぶネットワークで生じ得る諸現象とそれを解決するための計算技術を習得することを目標とする。さらに,今後の発電方式の多様化や電力事業の自由化などに伴う電力系統の課題について認識する。
後期中間試験: (1)電力系統の特徴と構成,(2)送電線路の等価回路,(3)潮流計算
学年末試験: (1)安定度計算,(2)電圧制御,(3)周波数制御,(4)経済運用
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
| | | |
| | | |
| | | |
学科の到達目標項目との関係
準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2)
説明
閉じる
JABEE基準 (d-2a)
説明
閉じる
JABEE基準 (d-2b)
説明
閉じる
システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 D-1
説明
閉じる
教育方法等
概要:
電力系統はきわめて多数の発電所,変電所,開閉所,需要家などが送配電線によって接続された巨大なネットワーク・システムの一つであり,新しい技術を取り込みながら常に進歩を続けている。本講義では,持続可能社会の形成を担う「エネルギー・環境」にかかわるすべての技術者に必須と思われる電力系統の基本的な構成・設備・特性・運用・制御などに関する基礎知識を学習する。
授業の進め方・方法:
・基本的には教科書に沿って講義することとし,プリントにより補足する。
・理解度確認のため適宜小テストや課題(演習)レポートを課す(レポートは必ず提出すること)。
注意点:
関連科目
2 年 電気回路Ⅰ 3 年 電気回路Ⅱ,計測工学
4 年 電気回路Ⅲ,電力変換回路,電気機器工学,システム制御工学Ⅰ
5 年 環境エネルギー工学,電気法規・設備工学,高電圧工学,システム制御工学Ⅱ
学習指針
これまでに学んできた科目に基づく内容であり,関連科目の復習が適宜必要
自己学習
授業以外にも十分な予習・復習を行うこと
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
電力系統とは・講義 |
電気の流れおよび電力系統の概要について理解する。
|
2週 |
交流回路及び変圧器・講義 |
交流回路の基礎を復習するとともに,平衡三相交流回路の解 析法及び変圧器の等価回路について理解する。
|
3週 |
三相交流回路・演習 |
電力系統の送電方式として三相交流送が広く採用されていることから,送電網の解析に必須の三相交流回路計算が理解で きていることを確認する。
|
4週 |
送電系統・講義 |
送電線の等価回路及び単位法について理解する。
|
5週 |
潮流計算(1)・講義 |
電力系統の特性を表現するノードアドミタンス行列について理解する。
|
6週 |
潮流計算(2)・講義 |
電力方程式の導出およびその計算手法について理解する。
|
7週 |
潮流計算(3)・講義 |
直流法潮流計算により,概略の潮流分布を求めることができることを確認する。
|
8週 |
後期中間試験 |
|
4thQ |
9週 |
安定度計算(1)・講義 |
安定度の種類および同期発電機の動揺方程式について理解す る。
|
10週 |
安定度計算(2)・講義 |
安定度評価手法および安定度向上対策について理解する。
|
11週 |
電圧制御(1)・講義 |
電力系統の電圧特性および電圧制御方法について理解する。
|
12週 |
電圧制御(2)・講義 |
無効電力の発生源および無効電力制御方式について理解する。
|
13週 |
周波数制御(1)・講義 |
周波数維持の必要性および電力系統の周波数特性について理 解する。
|
14週 |
周波数制御(2)・講義 |
連系系統の周波数特性および負荷周波数制御について理解す る。
|
15週 |
経済運用(1)・講義 |
電力系統をできるだけ低コストで運用するための方法について理解する。
|
16週 |
経済運用(2)・講義 |
ラグランジュの未定乗数法により,各時間帯で最も経済的と なる発電機の出力分担を求めることができることを確認する。
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電力 | 電力システムの構成およびその構成要素について説明できる。 | 2 | |
交流および直流送配電方式について、それぞれの特徴を説明できる。 | 2 | |
電力品質の定義およびその維持に必要な手段について知っている。 | 2 | |
電力システムの経済的運用について説明できる。 | 2 | |
評価割合
| 試験 | レポート | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 80 | 20 | 100 |