海技演習Ⅰ

科目基礎情報

学校 広島商船高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 海技演習Ⅰ
科目番号 0015 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 商船学科(航海コース) 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 購入の必要な教科書はない。授業ガイダンス時に参考となる図書について説明するが、特に以下の書物は参考になる。 1、マリタイムカレッジシリーズ 船の電機システム~マリンエンジニアのための電気入門~(海文堂) 2、計測システム工学の基礎第二版(森北出版) 3、新版明解C言語入門編(ソフトバンククリエイティブ)
担当教員 河村 義顕

到達目標

(1)オートパイロット―航海計器の授業で獲得した知識を利用し、操縦船体運動に着目した、PID・アダプティブ制御について学習する。 (2)スイッチ―船橋や甲板装置等に取り付けられているスイッチについて学習する。特にシーケンス制御の観点からその制御等について学習する。 (3)計測工学―航海士は航行の監視が重要な責務である。計測された情報を正確に認識し、判断しなければならない。その計測情報の特性等を学習 する。
(4)プログラムの基礎―C言語を用いた入出力に関する基礎的なプログラミングを行う。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1標準到達項目と合わせて以下を理解、説明ができ る。 □ 比例動作、微分動作、積分動作 □ スペクトラム、LPF、不感帯 □ カルマンフィルター以下の点について、理解し、説明ができる。 □ オートパイロットシステムの注意点 □ PIDオートパイロットシステムの概要 □ アダプティブオートパイロットシステムの概要以下の点について、理解し、説明ができない。 □ オートパイロットシステムの注意点 □ PIDオートパイロットシステムの概要 □ アダプティブオートパイロットシステムの概要
評価項目2標準到達項目と合わせて以下を理解、説明ができ る。 □ 具体的なシーケンス(デルタスター始動) 以下の点について、操作ができる □ シーケンス図をもとに回路を組み立てられる以下の点について、理解し、説明ができる。 □ 様々なスイッチイングについて □ 自己保持回路について □ スイッチ装置を用いたシーケンス回路につい て以下の点について、理解し、説明ができない。 □ 様々なスイッチイングについて □ 自己保持回路について □ スイッチ装置を用いたシーケンス回路について
評価項目3標準到達項目と合わせて以下を理解、説明ができ る。 □ 誤差と雑音の違いについて □ 適切な計測手法について(各計測手法の特徴)以下の点について、理解し、説明ができる。 □ 誤差論についての説明 □ 最小二乗法による計測情報の解析について □ 分解能について以下の点について、理解し、説明ができる。 □ 誤差論についての説明 □ 最小二乗法による計測情報の解析について □ 分解能について
標準到達項目と合わせて以下の理解説明ができ る。 □ 宣言、変数、配列、演算、繰り返し、条件分岐、 ヘッダーのインクルード、関数の概念について理解 し、利用したプログラムが作成できる。□ コンピューターのシステムを理解し、プログラ ムの概要を説明でき、コンパイルすることでき る。 □ コンピューターの入出力システムを理解し、 利用したプログラムを作成できる。□ コンピューターのシステムを理解できず、プログ ラムの概要を説明でき、コンパイルすることができな い。 □ コンピューターの入出力システムを理解できず、 利用したプログラムを作成できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本科目は、船舶や海上施設を、安全でかつ経済的、効率性の高い運用を行うことができる海技技術者をめざし、輸送機械である「船舶」をコント ロールするために必要な知識・技術の獲得を目的としている。特に、船舶の航行に関連する、航海システム・情報計測・船体運動・信頼性に関する 分野について、3年次の実験実習の応用として本演習を行う。授業の後半では、コンピュータープログラミングの基礎について学習する。本演習 は、チーム単位での演習型の授業とする。現状のBridge Teamは、チームワークは必須とするため、これを養うものである。そのため、「グループで 学習やタスクを推進する能力」も評価の対象とする。また、期末には試験を実施し、獲得した知識についてその確認を行う。
授業の進め方・方法:
自律性、協働性、創造性の観点からそれぞれ成績の評価を行います。成績評価は定期考査の一義的な点数のみで評価しません。 授業の構成は、授業前の事前学習である「事前課題」-これは、チーム単位の口述試問でその理解度をチェックし、実験実習後のレポートにてその実験 実習内容の理解度を確認します。あきらめずに何度もレポートの点検に来ること。レポートの点検、質問の際は最低限のマナーを守ること。(ガイダンス にて説明します。) 三級海技士口述試験を意識した内容となっております。口述試験の内容と行っている授業の内容の対応を考えながら十分に予習学習を行うこと。
注意点:
※内は合算、上述の判定の内訳は以下の通りである。
=レポート課題、発表分内訳(70点)=
MN3実施分実験1、実習1個人レポートの合格―各5点
MN4実施分実験2、実験3、実習2事前課題の全問題合格―30点
MN4実施分実験2、実験3、実習2個人レポート合格―各5点(仮合格はない)
MN4実施分プログラミング事前課題+報告レポート(3つ)―各5点 事前課題ならびに個人レポートは定める書式に従うこと。従わないものは評価しない。個人レポートの提出も随時。レポート提出後指導を受けること。 個人レポートの提出も手渡し以外認めない。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 事前・レポート作成要領の説明等
2週 <船舶制御実験実習―実験2>
3.スイッチング
シーケンス図を基に実際に、シーケンス 回路を作成する。
<チーム演習型*事前課題ならびに実験後レポートで目標の到達度を図る> 3-1 □ 自己保持回路について
3-2 □ 様々なスイッチイングについて
3-3 □ スイッチ装置を用いたシーケンス回路について
3-4 □ 具体的なシーケンス(デルタスター始動) 3-5 □ シーケンス図をもとに回路を組み立てられる
3週 <船舶制御実験実習―実験2>
3.スイッチング
シーケンス図を基に実際に、シーケンス 回路を作成する。
<チーム演習型*事前課題ならびに実験後レポートで目標の到達度を図る> 3-1 □ 自己保持回路について
3-2 □ 様々なスイッチイングについて
3-3 □ スイッチ装置を用いたシーケンス回路について
3-4 □ 具体的なシーケンス(デルタスター始動) 3-5 □ シーケンス図をもとに回路を組み立てられる
4週 <船舶制御実験実習―実験3>
4.オートパイロット
オートパイロットシステムについて、その概要と「パラメーター調整」「カルマンフィ ルター」についてシミュレーターを使って 理解する。
<チーム演習型*事前課題ならびに実験後レポートで目標の到達度を図る> 4-1 □ オートパイロットシステムの注意点
4-2 □ PIDオートパイロットシステムの概要
5週 <船舶制御実験実習―実験3>
4.オートパイロット
オートパイロットシステムについて、その概要と「パラメーター調整」「カルマンフィ ルター」についてシミュレーターを使って 理解する。
4
4-3 □ アダプティブオートパイロットシステムの概要
4-4 □ 比例動作、微分動作、積分動作
4-5 □ スペクトラム、LPF、不感帯、レーダーのSTC,FTC 4-6 □ カルマンフィルター
6週 <船舶制御実験実習―実習2>
5.計測工学
計測対象に対して適切な計測手法を選 択し、精度の高い計測を行う。
<チーム演習型*事前課題ならびに実験後レポートで目標の到達度を図る> 5-1 □ 誤差論についての説明
5-2 □ 最小二乗法による計測情報の解析について
5-3 □ 分解能について
5-4 □ 誤差と雑音の違いについて
5-5 □ 適切な計測手法について(各計測手法の特徴)
7週 <船舶制御実験実習―実習2>
5.計測工学
計測対象に対して適切な計測手法を選 択し、精度の高い計測を行う。
<チーム演習型*事前課題ならびに実験後レポートで目標の到達度を図る> 5-1 □ 誤差論についての説明
5-2 □ 最小二乗法による計測情報の解析について
5-3 □ 分解能について
5-4 □ 誤差と雑音の違いについて
5-5 □ 適切な計測手法について(各計測手法の特徴)
8週 <船舶制御実験実習―実習2>
6.プログラミング基礎
計測対象に対して適切な計測手法を選 択し、精度の高い計測を行う。
<個人演習型*事前課題と報告レポートで目標の到達度を図る>
6-1 □ コンピューターシステムを理解し、プログラムの概要を説明、コンパイルができる。 6-2 □ コンピューターの入出力システムを理解し、利用したプログラムを作成できる。
6-3 □ 宣言、変数、配列、演算、繰り返し、条件分岐、ヘッダーのインクルード、関数の概 念について理解し、利用したプログラムが作成できる。
2ndQ
9週 <船舶制御実験実習―実習2>
6.プログラミング基礎
計測対象に対して適切な計測手法を選 択し、精度の高い計測を行う。
<個人演習型*事前課題と報告レポートで目標の到達度を図る>
6-1 □ コンピューターシステムを理解し、プログラムの概要を説明、コンパイルができる。 6-2 □ コンピューターの入出力システムを理解し、利用したプログラムを作成できる。
6-3 □ 宣言、変数、配列、演算、繰り返し、条件分岐、ヘッダーのインクルード、関数の概 念について理解し、利用したプログラムが作成できる。
10週 <船舶制御実験実習―実習2>
6.プログラミング基礎
計測対象に対して適切な計測手法を選 択し、精度の高い計測を行う。
<個人演習型*事前課題と報告レポートで目標の到達度を図る>
6-1 □ コンピューターシステムを理解し、プログラムの概要を説明、コンパイルができる。 6-2 □ コンピューターの入出力システムを理解し、利用したプログラムを作成できる。
6-3 □ 宣言、変数、配列、演算、繰り返し、条件分岐、ヘッダーのインクルード、関数の概 念について理解し、利用したプログラムが作成できる。
11週 <船舶制御実験実習―実習2>
6.プログラミング基礎
計測対象に対して適切な計測手法を選 択し、精度の高い計測を行う。
<個人演習型*事前課題と報告レポートで目標の到達度を図る>
6-1 □ コンピューターシステムを理解し、プログラムの概要を説明、コンパイルができる。 6-2 □ コンピューターの入出力システムを理解し、利用したプログラムを作成できる。
6-3 □ 宣言、変数、配列、演算、繰り返し、条件分岐、ヘッダーのインクルード、関数の概 念について理解し、利用したプログラムが作成できる。
12週 <船舶制御実験実習―実習2>
6.プログラミング基礎
計測対象に対して適切な計測手法を選 択し、精度の高い計測を行う。
<個人演習型*事前課題と報告レポートで目標の到達度を図る>
6-1 □ コンピューターシステムを理解し、プログラムの概要を説明、コンパイルができる。 6-2 □ コンピューターの入出力システムを理解し、利用したプログラムを作成できる。
6-3 □ 宣言、変数、配列、演算、繰り返し、条件分岐、ヘッダーのインクルード、関数の概 念について理解し、利用したプログラムが作成<個人演習型*事前課題と報告レポートで目標の到達度を図る>
6-1 □ コンピューターシステムを理解し、プログラムの概要を説明、コンパイルができる。 6-2 □ コンピューターの入出力システムを理解し、利用したプログラムを作成できる。
6-3 □ 宣言、変数、配列、演算、繰り返し、条件分岐、ヘッダーのインクルード、関数の概 念について理解し、利用したプログラムが作成できる。
13週 <船舶制御実験実習―実習2>
6.プログラミング基礎
計測対象に対して適切な計測手法を選 択し、精度の高い計測を行う。
<個人演習型*事前課題と報告レポートで目標の到達度を図る>
6-1 □ コンピューターシステムを理解し、プログラムの概要を説明、コンパイルができる。 6-2 □ コンピューターの入出力システムを理解し、利用したプログラムを作成できる。
6-3 □ 宣言、変数、配列、演算、繰り返し、条件分岐、ヘッダーのインクルード、関数の概 念について理解し、利用したプログラムが作成できる。
14週 実習総まとめ
15週 前期期末試験・答案返却
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学についての基礎的原理や現象を、実験を通じて理解できる。3前1
物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3前1
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3前14,前15
技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を理解し、社会における技術者の役割と責任を説明できる。3
説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。3
技術者を目指す者として、社会での行動規範としての技術者倫理を理解し、問題への適切な対応力(どうのように問題を捉え、考え、行動するか)を身に付けて、課題解決のプロセスを実践できる。3
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。3
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。3
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。3
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。3
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。3
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。3
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。3
社会性、社会的責任、コンプライアンスが強く求められている時代の変化の中で、技術者として信用失墜の禁止と公益の確保が考慮することができる。3
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。3
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。3
分野横断的能力態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性身内の中で、周囲の状況を改善すべく、自身の能力を発揮できる。 3
集団の中で、自身の能力を発揮して、組織の勢いを向上できる。3
日常生活の時間管理、健康管理、金銭管理などができる。常に良い状態を維持するための努力を怠らない。3
ストレスやプレッシャーに対し、自分自身をよく知り、解決を試みる行動をとることができる。日常生活の管理ができるとともに、目標達成のために対処することができる。3
学生であっても社会全体を構成している一員としての意識を持って、行動することができる。3
市民として社会の一員であることを理解し、社会に大きなマイナス影響を及ぼす行為を戒める。人間性・教養、モラルなど、社会的・地球的観点から物事を考えることができる。3
チームワークの必要性・ルール・マナーを理解し、自分の感情の抑制、コントロールをし、他者の意見を尊重し、適切なコミュニケーションを持つとともに、当事者意識を持ち協調して共同作業・研究をすすめることができる。3
組織やチームの目標や役割を理解し、他者の意見を尊重しながら、適切なコミュニケーションを持つとともに、成果をあげるために役割を超えた行動をとるなど、柔軟性を持った行動をとることができる。3
先にたって行動の模範を示すことができる。口頭などで説明し、他者に対し適切な協調行動を促し、共同作業・研究をすすめことができる。3
目指すべき方向性を示し、先に立って行動の模範を示すことで他者に適切な協調行動を促し、共同作業・研究において、系統的に成果を生み出すことができる。リーダーシップを発揮するために、常に情報収集や相談を怠らず自身の判断力をも磨くことができる。3
法令を理解し遵守する。基本的人権について理解し、他者のおかれている状況を理解することができる。自分が関係している技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を理解し、技術者が社会に負っている責任を認識している。3
法令を理解し遵守する。研究などで使用する、他者のおかれている状況を理解できる。自分が関係している技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を理解し、技術者が社会に負っている責任を認識し、身近で起こる関連した情報や見解の収集に努めるなど、技術の成果が社会に受け入れられるよう行動できる。3
未来の多くの可能性から技術の発展と持続的社会の在り方を理解し、自らのキャリアを考えることができる。3
技術の発展と持続的社会の在り方に関する知識を有し、未来社会を考察することができるとともに、技術の創造や自らのキャリアをデザインすることが考慮できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合303000400100
基礎的能力105005020
専門的能力10100015035
分野横断的能力10150020045