到達目標
論理と計算の同等性について学び,計算不可能な関数や証明不可能な問題が存在することを理解する。ゲーデルの不完全性定理の内容を理解する。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
論理と計算の同等性 | 論理と計算の同等性を具体例によって説明できる。 | 論理と計算の同等性が理解できる。 | 論理と計算の同等性を理解できない。 |
計算不可能な関数の存在 | 計算不可能な関数の存在を具体例によって説明できる。 | 計算不可能な関数の存在が理解できる。 | 計算不可能な関数の存在が理解できない。 |
ゲーデルの不完全性定理 | ゲーデルの不完全性定理が理解できる。 | ラッセルのパラドックスが理解できる。 | ラッセルのパラドックスが理解できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
命題の真偽判定は整数型関数の計算可能性と関係している。計算理論では計算不可能な問題が存在することが知らせている。また,論理学では,ゲーデルの不完全性定理により,無矛盾の算術体系には証明,反証ともに不可能な命題の存在が示された。その同等性を理解することにより,計算機によって計算をすることへの理解を深めることを目的とする。
授業の進め方・方法:
基礎事項を教材プリントにより座学で学んだ後,演習を行うことにより,知識の確実な定着を図る。
注意点:
複雑な命題の真偽判定を記号を用いて行うためには,十分な演習が必要となる。演習問題を一つ一つ丁寧に解いていくことが重要である。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
可算集合について学ぶ。 |
可算集合が理解できる。
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2週 |
カントールの対角線論法について学ぶ。 |
カントールの対角線論法が理解できる。
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3週 |
Abacusマシンについて学ぶ。 |
Abacusマシンが理解できる。
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4週 |
プログラムによる計算について学ぶ。 |
プログラミングによって計算することの意味が理解できる。
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5週 |
計算と論理との関係について学ぶ。 |
計算と論理との関係が理解できる。
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6週 |
計算と論理が同等であることを学ぶ。 |
計算と論理の同等性が理解できる。
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7週 |
プログラムの停止性と計算不可能な関数について学ぶ。 |
プログラムの停止性が関数の計算可能性と同等であることが理解できる。
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8週 |
帰納的関数について学ぶ。 |
帰納的関数が理解できる。
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4thQ |
9週 |
帰納的集合と帰納的可算集合について学ぶ。 |
帰納的集合と帰納的可算集合について理解できる。
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10週 |
述語論理について学ぶ。(その1) |
述語論理の基本が理解できる。
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11週 |
述語論理について学ぶ。(その2) |
述語論理の運用ができる。
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12週 |
ラッセルのパラドックスについて学ぶ。 |
ラッセルのパラドックスが理解できる。
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13週 |
ペアノの公理について学ぶ。 |
ペアノの公理が理解できる。
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14週 |
ゲーデルの不完全性定理について学ぶ。 |
ラッセルのパラドックスがゲーデルの不完全性との関係性が理解できる。
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15週 |
ゲーデルの不完全性定理について学ぶ。 |
ゲーデルの不完全性定理が理解できる。
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 情報系分野 | 計算機工学 | 整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。 | 3 | |
基数が異なる数の間で相互に変換できる。 | 4 | |
整数を2進数、10進数、16進数で表現できる。 | 4 | |
小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。 | 4 | |
基本的な論理演算を行うことができる。 | 4 | |
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。 | 4 | |
論理式の簡単化の概念を説明できる。 | 4 | |
簡単化の手法を用いて、与えられた論理関数を簡単化することができる。 | 4 | |
評価割合
| 試験 | 課題提出 | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 40 | 100 |
基礎的能力 | 40 | 30 | 70 |
専門的能力 | 20 | 10 | 30 |