概要:
一般化学の基礎知識を復習しながら、各元素とその化合物の諸性質が電子配置によって説明されることを理解する。
授業の進め方・方法:
1)課題の提出期限を厳守すること
2)授業プリントを配布して授業を行うので、きちんと整理し忘れずに持参すること
3)事前学習として2年生までに学習した基礎化学と分析化学の内容をきちんと復習すること
4)事後学習として原子や分子の軌道についてきちんと描画できるように軌道の形や相互作用を理解すること
5)事後学習として原理・原則を自分の言葉で説明できるように授業内容をきちんと復習すること
注意点:
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
1. 原子構造と周期律(1) |
無機化学の学問分野について理解する 4つの量子数について理解する
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2週 |
1. 原子構造と周期律(2) |
4つの量子数について理解する ボーアの水素モデルについて理解する
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3週 |
1. 原子構造と周期律(3) |
イオンかエネルギー等の原子の性質について理解する
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4週 |
1. 原子構造と周期律(4) |
電気陰性度について理解し、分子の分極を知る
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5週 |
2. 原子価結合法(1) |
ルイス構造を描くことができる
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6週 |
2. 原子価結合法(2) |
混成軌道を用いて分子の形を説明できる
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7週 |
2. 原子価結合法(3) |
π結合とσ結合について説明できる
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8週 |
2. 原子価結合法(4) |
共鳴構造について説明できる VSEPR理論について説明できる
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2ndQ |
9週 |
前期中間試験 |
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10週 |
3. 分子軌道法(1) |
電子の粒子性と波動性から軌道の位相について理解する
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11週 |
3. 分子軌道法(2) |
簡単な二原子分子の分子軌道について理解する
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12週 |
3. 分子軌道法(3) |
異核二原子分子について理解する
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13週 |
4.イオンと結晶、金属結合(1) |
イオンの生成について電子配置から説明できる
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14週 |
4.イオンと結晶、金属結合(2) |
イオン半径比から結晶構造を説明できる 金属結合について説明できる
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15週 |
4.イオンと結晶、金属結合(3) |
金属結合からバンド理論を説明できる 金属の充填率を説明できる
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
5.酸と塩基、酸化と還元(1) |
中和反応について理解し酸解離定数を定量的に取り扱える
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2週 |
5.酸と塩基、酸化と還元(2) |
酸化還元反応について理解し、ネルンスト式を用いて起電力が計算できる
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3週 |
6. 典型金属と非金属 |
典型金属と非金属について説明できる
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4週 |
7.遷移金属(1) |
第一遷移金属についてSc-Mnまでの性質を説明できる
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5週 |
7.遷移金属(2) |
第一遷移金属についてFe-Cuまでの性質を説明できる
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6週 |
8.遷移金属錯体の構造(1) |
配位結合や配位数について理解する 錯体の構造と配位数の関係を理解する
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7週 |
8.遷移金属錯体の構造(2) |
錯体の命名法について理解する
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8週 |
後期中間試験 |
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4thQ |
9週 |
9.結晶場理論(1) |
d軌道の分裂について理解する
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10週 |
9.結晶場理論(2) |
結晶場理論から安定化エネルギーを計算できる
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11週 |
10.配位子場理論(1) |
分子軌道法を用いて錯体のエネルギー準位図を説明できる
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12週 |
10.配位子場理論(2) |
配位子場理論より錯体の色について説明できる
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13週 |
11.錯体の反応(1) |
アクア錯体の酸解離反応について理解する 錯形成反応について理解し、定量的に取り扱える
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14週 |
11.錯体の反応(2) |
エントロピーの観点からキレート効果を説明できる
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15週 |
12.無機化学の発展 |
有機金属錯体や生体内での代表的な中心金属について理解する
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 有機化学 | 有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。 | 2 | 前1 |
σ結合とπ結合について説明できる。 | 3 | 前7 |
混成軌道を用い物質の形を説明できる。 | 3 | 前6,前12 |
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。 | 3 | 前11,前12 |
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。 | 2 | 前5 |
共鳴構造について説明できる。 | 2 | 前8,前12 |
無機化学 | 主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。 | 3 | 前1,前2 |
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。 | 3 | 前1,前2 |
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。 | 4 | 前2,前11,前12 |
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。 | 4 | 前3 |
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。 | 3 | 後3 |
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。 | 4 | 前3,前4 |
イオン結合と共有結合について説明できる。 | 4 | 前13 |
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。 | 4 | 前5 |
金属結合の形成について理解できる。 | 4 | 前14 |
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。 | 4 | 前7,前11,前12 |
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。 | 4 | 前6 |
各種無機材料の機能発現や合成反応を結晶構造、化学結合、分子軌道等から説明できる。 | 2 | 後4,後5 |
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。 | 4 | 前14,前15 |
配位結合の形成について説明できる。 | 4 | 後6 |
水素結合について説明できる。 | 3 | 後15 |
錯体化学で使用される用語(中心原子、配位子、キレート、配位数など)を説明できる。 | 4 | 後6 |
錯体の命名法の基本を説明できる。 | 4 | 後7 |
配位数と構造について説明できる。 | 4 | 後6 |
代表的な錯体の性質(色、磁性等)を説明できる。 | 2 | 後9,後10,後12,後15 |
代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。 | 2 | 後3,後4,後5 |
分析化学 | 錯体の生成について説明できる。 | 3 | 後9,後10,後12,後14 |
中和滴定についての原理を理解し、酸及び塩基濃度の計算ができる。 | 3 | 後1,後13 |
酸化還元滴定についての原理を理解し、酸化剤及び還元剤の濃度計算ができる。 | 3 | 後2 |
キレート滴定についての原理を理解し、金属イオンの濃度計算ができる。 | 3 | 後13 |
物理化学 | 平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。 | 3 | 後1,後2,後13 |
ボーアの水素モデルを説明できる。 | 2 | 前2 |