概要:
分子生物学とは「生物における諸過程や種々の生命現象を、単なる現象論的な視点にとどまらず、分子レベルでの実体的な把握に立脚した立場から解明しようとする現代生物学の一分野」である。本講義では、生物を構成している分子(特にDNA、RNA、蛋白質を中心に)の構造、性質、機能を学ぶ事で、生命現象を分子レベルで理解することを目標とする。また、分子生物学の工学への応用について、その原理を紹介する。
授業の進め方・方法:
・授業内容を予習し、内容が分からない箇所があった場合は授業で確認できるようにしておくこと。
・自己学習では教科書のみならず、参考書も利用すること。
・授業で説明した内容をまとめ、自分の言葉で説明出来るようにすること。
注意点:
生物化学を十分に理解しておく。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 基礎生物 | 原核生物と真核生物の違いについて説明できる。 | 4 | 前2 |
核、ミトコンドリア、葉緑体、細胞膜、細胞壁、液胞の構造と働きについて説明できる。 | 3 | 前4 |
葉緑体とミトコンドリアの進化の説について説明できる。 | 3 | 前4 |
代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。 | 4 | 前4 |
光合成及び呼吸の大まかな過程を説明でき、2つの過程の関係を説明できる。 | 2 | 前4 |
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。 | 4 | 前5,前7 |
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。 | 4 | 前5 |
細胞周期について説明できる。 | 4 | 後12 |
分化について説明できる。 | 3 | 後13,後15 |
ゲノムと遺伝子の関係について説明できる。 | 3 | 前5,前6 |
免疫系による生体防御のしくみを説明できる。 | 4 | 後13,後14 |
生物化学 | タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。 | 4 | 前7 |
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。 | 4 | 前2 |
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。 | 4 | 前11 |
タンパク質の高次構造について説明できる。 | 4 | 前11 |
ヌクレオチドの構造を説明できる。 | 4 | 前7,前11 |
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。 | 4 | 前7 |
DNAの半保存的複製を説明できる。 | 4 | 前12 |
RNAの種類と働きを列記できる。 | 4 | 前11 |
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。 | 4 | 前13,前15,後1,後2,後3,後4 |
解糖系の概要を説明できる。 | 1 | 前4 |
クエン酸回路の概要を説明できる。 | 1 | 前4 |
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。 | 1 | 前4 |
各種の光合成色素の働きを説明できる。 | 1 | 前4 |
光化学反応の仕組みを理解し、その概要を説明できる。 | 1 | 前4 |
生物工学 | 原核微生物の種類と特徴について説明できる。 | 3 | 前2 |
真核微生物(カビ、酵母)の種類と特徴について説明できる。 | 2 | 前2 |
遺伝子組換え技術の原理について理解している。 | 3 | 後5,後6,後7,後10,後11 |
バイオテクノロジーの応用例(遺伝子組換え作物、医薬品、遺伝子治療など)について説明できる。 | 2 | 後7 |
バイオテクノロジーが従来の技術に対して優れている点について説明できる。 | 2 | 後10,後11 |