基礎物理化学

科目基礎情報

学校 群馬工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 基礎物理化学
科目番号 2K001 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「物理化学」真船文隆・渡辺正著(化学同人)
担当教員 藤野 正家

到達目標

専門分野への入門として、化学と物理の立場から物質についての概念を学ぶと共に、化学I・IIで学んだ知識を確実なものとする。
・簡単な反応の化学反応式を書くことができる。
・量子数を説明できる。
・原子の軌道・エネルギーを説明できる。
・分子を形成する結合を説明できる。
・ギブス自由エネルギーを説明できる。
・反応速度式を説明できる。
・光の吸収と放出について説明できる。
・放射線の種類とその利用方法を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1原子構造を充分に説明できる。原子構造を説明できる。原子構造を説明できない。
評価項目2自由エネルギーと反応性の関係を充分に理解し説明できる。自由エネルギーと反応性の関係を説明できる。自由エネルギーと反応性の関係を説明できない。
評価項目3反応速度式を充分に理解し説明できる。反応速度式を説明できる。反応速度式を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程 C 説明 閉じる

教育方法等

概要:
化学変化を扱う上で基礎となる原子の電子構造と分子を形成する化学結合について学ぶ。その際、前提となる量子化という考え方について説明する。物質にはエネルギーがあること、化学変化は自由エネルギーが減少する方向に進むこと、化学反応は化学結合の組み替えであり、反応により熱が出入りすることを学ぶ。化学反応の進行状況は反応速度式で表されること、平衡反応には自由エネルギーが関係していることを説明する。さらに、電子構造と関連付けて光の吸収と放射について学び、最後に、放射線の種類と利用方法について説明する。
授業の進め方・方法:
座学
注意点:
予習と復習をしっかりと行うこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
原子の描像
2週 原子と電子
  電子のエネルギー
3週 水素原子(1)
  量子化
4週 水素原子(2)
  軌道
5週 多電子原子
  電子配置
6週 分子の形成(1)
  共有結合
7週 分子の形成(2)
  電子対反発モデル
8週 中間試験
2ndQ
9週 分子の形成(3)
  異核二原子分子
10週 分子間力と状態変化
11週 理想気体と実在気体
12週 熱力学第一法則(1)
  内部エネルギー
13週 熱力学第一法則(2)
  エンタルピー
14週 熱力学第一法則(3)
  熱容量
15週 期末試験
16週 演習…化学反応式を書く
後期
3rdQ
1週 熱力学第二法則(1)
  吸熱変化
2週 熱力学第二法則(2)
  エントロピー
3週 熱力学第二法則(3)
  自由エネルギー
4週 反応速度(1)
  衝突と反応
5週 反応速度(2)
  素反応
6週 反応速度(3)
  活性化エネルギー
7週 演習…化学反応式を書く
8週 中間試験
4thQ
9週 化学平衡(1)
  変化の向きと自由エネルギー
10週 化学平衡(2)
  平衡定数
諸条件の影響(ルシャトリエの法則)を説明できる。
11週 化学平衡(3)
  溶液中の平衡
12週 光と分子(1)
  電磁波と光
13週 光と分子(2)
  光の吸収と放出
14週 核化学(1)
  放射線とその利用
15週 期末試験
16週 核化学(2)
  核反応式

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野無機化学電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。4
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。4
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。4
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。4
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。4
イオン結合と共有結合について説明できる。4
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。4
金属結合の形成について理解できる。4
配位結合の形成について説明できる。4
水素結合について説明できる。4
分析化学溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。4
強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。4
強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基の塩のpHの計算ができる。4
緩衝溶液とpHの関係について説明できる。4
陽イオンや陰イオンの関係した化学反応について理解し、溶液中の物質の濃度計算(定量計算)ができる。4
中和滴定についての原理を理解し、酸及び塩基濃度の計算ができる。4
物理化学気体の法則を理解して、理想気体の方程式を説明できる。4
混合気体の分圧の計算ができる。4
化合物の標準生成エンタルピーを計算できる。4
平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。4
諸条件の影響(ルシャトリエの法則)を説明できる。4後10

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000