基礎無機化学

科目基礎情報

学校 群馬工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 基礎無機化学
科目番号 2K002 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 無機化学(上)(原著 第6版) : シュライバー・アトキンス共著  田中・平尾・北川 訳:東京化学同人
担当教員 平 靖之

到達目標

□1年生で学んだ化学IとIIを基礎とし、化学分野の一つである無機化学についての基本概念を理解し、基礎知
識を習得できる。
□化学および物理の立場から物質についての基礎的知識を理解することができる。
□原子や結晶の安定状態について、それらのエネルギー状態で説明できる。
□化学反応の前後のおけるエネルギーの出入りについて説明できる。
□酸と塩基の考えを説明できる。
□酸化と還元反応の基本を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1元素記号と原子番号・原子量についての理解と周期律について理解し、十分に説明できる。元素記号と原子番号・原子量についての理解と周期律について理解し、説明できる。元素記号と原子番号・原子量についての理解と周期律について理解して説明できない。
評価項目2原子内の電子配置と量子数、構成原理、フントの規則、パウリの排他律、遮蔽効果、有効核電荷を理解して十分に説明できる。原子内の電子配置と量子数、構成原理、フントの規則、パウリの排他律、遮蔽効果、有効核電荷を理解して説明できる。原子内の電子配置と量子数、構成原理、フントの規則、パウリの排他律、遮蔽効果、有効核電荷を理解して説明できない。
評価項目3化学反応前後におけるエンタルピー変化、慧遠と炉ピー変化、自由エネルギー変化について理香示威して十分に説明できる。化学反応前後におけるエンタルピー変化、慧遠と炉ピー変化、自由エネルギー変化について理香示威して説明できる。化学反応前後におけるエンタルピー変化、慧遠と炉ピー変化、自由エネルギー変化について理香示威して説明できない。
評価項目4化学平衡と反応速度の関係を理解して十分に説明できる。化学平衡と反応速度の関係を理解して説明できる。化学平衡と反応速度の関係を理解して十分に説明できない。
評価項目5ブレンステッド酸・塩基と酸性度定数、ルイスの酸・塩基反応機構について理解して十分に説明ができる。ブレンステッド酸・塩基と酸性度定数、ルイスの酸・塩基反応機構について理解して説明ができる。ブレンステッド酸・塩基と酸性度定数、ルイスの酸・塩基反応機構について理解して説明ができない。
評価項目6酸化反応と還元反応の違いを理解して十分に説明できる。酸化反応と還元反応の違いを理解して説明できる。酸化反応と還元反応の違いを理解して説明できない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程 C 説明 閉じる

教育方法等

概要:
専門分野へと進む前段階として、化学や物理などの基礎的知識の習得を確実なものとすることが大切である。専門科目としての無機化学を学習するにあたっては、専門用語の導入や熱化学、原子内の電子配置と周期表、化学結合の種類と結合様式の違い、結晶と非結晶、酸と塩基などの体系を理解する必要がある。基礎無機化学では、無機化学への導入を念頭に基礎的な内容を学習し、理解できるようにする。
授業の進め方・方法:
座学
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 化学の基礎(1) 元素・原子・原子量と物質量(1)
2週 化学の基礎(2) 元素・原子・原子量と物質量(2)
3週 化学の基礎(3) 周期表の歴史(1)
4週 化学の基礎(4) 周期表の歴史(2)
5週 化学の基礎(5) 電子の発見から原子モデルにいたる歴史
6週 原子内の電子配置(1) 周期表と原子の電子配置(1)
7週 原子内の電子配置(2) 周期表と原子の電子配置(2)
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 化学結合(1) 物質の結合から見た分類
10週 化学結合(2) 化学反応とエネルギー変化
Lewisの共有結合とオクテット則
11週 化学結合(3) 結合半径
最密充填とイオン半径比
12週 化学結合(4) ボルンハーバーサイクルと格子エネルギー
13週 化学結合(5) 有効核電荷とイオン化ポテンシャル
14週 化学結合(6) 電気陰性度の概念
15週 前期期末試験
16週 答案返却 返却後の不正解な解答を修正して、正答できる。
後期
3rdQ
1週 化学反応(1) 化学反応とエネルギー変化
2週 化学反応(2) 化学反応と熱力学
3週 化学反応(3) エネルギー変化とエンタルピー
4週 化学反応(4) 化学反応とエントロピー
5週 化学反応(5) 化学反応と化学平衡
6週 化学反応(6) 化学平衡と自由エネルギー
7週 化学反応(7) 化学反応速度
アレニウスの式と活性化状態
8週 後期中間試験
4thQ
9週 酸と塩基 (1) ブレンステッブレンステッド酸・塩基 ブレンステッド酸の定義と酸性度定数
10週 酸と塩基 (2) ブレンステッブレンステッド酸・塩基 ブレンステッド酸の分類と周期性
11週 酸と塩基 (3) ルイス酸・塩基と硬い酸・柔らかい酸 ルイス酸・塩基と硬い酸・酸の定義、ブレンステッド酸・塩基との違い、
12週 酸化と還元(1) 酸化・還元反応の基礎
13週 酸化と還元(2) 酸化物の還元反応 酸化と還元(2) 酸化物の還元反応
14週 酸化と還元(3) 電子の移動と酸化反応
15週 後期期末試験
16週 答案返却 返却後の不正解な解答を修正して、正答できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学σ結合とπ結合について説明できる。4
混成軌道を用い物質の形を説明できる。4
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。4
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。4
共鳴構造について説明できる。4
無機化学主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。4前5,前6
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。4前5,前6
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。4前5,前6
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。4前6,前7
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。4前7
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。4前7
イオン結合と共有結合について説明できる。4前9
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。4前10
金属結合の形成について理解できる。4前9
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。4前10
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。4前10
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。4前14
配位結合の形成について説明できる。4前9
水素結合について説明できる。4前9
錯体化学で使用される用語(中心原子、配位子、キレート、配位数など)を説明できる。4前10,前11
錯体の命名法の基本を説明できる。4
配位数と構造について説明できる。4
代表的な錯体の性質(色、磁性等)を説明できる。4
代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。4前11
分析化学電離平衡と活量について理解し、物質量に関する計算ができる。4後9,後10
溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。4後9,後10
強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。4後9,後10,後11
強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基の塩のpHの計算ができる。4
緩衝溶液とpHの関係について説明できる。4
錯体の生成について説明できる。4
物理化学気体の法則を理解して、理想気体の方程式を説明できる。4
熱力学の第一法則の定義と適用方法を説明できる。4
エンタルピーの定義と適用方法を説明できる。4
化合物の標準生成エンタルピーを計算できる。4
エンタルピーの温度依存性を計算できる。4
内部エネルギー、熱容量の定義と適用方法を説明できる。4
平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。4
諸条件の影響(ルシャトリエの法則)を説明できる。4
純物質の絶対エントロピーを計算できる。4後3
化学反応でのエントロピー変化を計算できる。4後4
化合物の標準生成自由エネルギーを計算できる。4後5,後6
反応における自由エネルギー変化より、平衡定数・組成を計算できる。4後5
平衡定数の温度依存性を計算できる。4後5

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合800000200100
基礎的能力30000010040
専門的能力50000010060
分野横断的能力00000000