生物学

科目基礎情報

学校 群馬工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 生物学
科目番号 2K004 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:理工系のための生物学:坂本 順司:裳華房
参考書:フォトサイエンス生物図録:嶋田 正和ら監修:数研出版
担当教員 安西 高廣,大岡 久子

到達目標

□生物の個体および細胞の成り立ちや多種多様な生物の共通性について理解できる。
□細胞周期について理解する
□代謝(異化と同化)のしくみを理解できる。
□セントラルドグマ、遺伝のしくみの概要を理解できる。
□ホメオスタシス(内分泌系・神経系・免疫系)を理解できる。
□分化について理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1生物の個体および細胞の成り立ちについて、多種多様な生物の共通性について説明できる生物の個体および細胞の成り立ちについて、多種多様な生物の共通性について理解できる生物の個体および細胞の成り立ちや生物の共通性について説明できない
評価項目2細胞周期について説明できる細胞周期について理解できる細胞周期について説明できない
評価項目3代謝(異化と同化)のしくみを説明できる代謝(異化と同化)のしくみを理解できる代謝(異化と同化)のしくみを説明できない
評価項目4セントラルドグマ、遺伝のしくみの概要を説明できるセントラルドグマ、遺伝のしくみの概要を理解できるセントラルドグマ、遺伝のしくみの概要を説明できない
評価項目5ホメオスタシス(内分泌系・神経系・免疫系)について説明できるホメオスタシス(内分泌系・神経系・免疫系)について理解できるホメオスタシス(内分泌系・神経系・免疫系)について説明できない
評価項目6分化について説明できる分化について理解できる分化について説明できない

学科の到達目標項目との関係

準学士課程 B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
・前半は生物を構成する最小単位である細胞を構成する物質や細胞内小器官を理解し、細胞周期、酵素の性質、代謝のしくみや生命体のうごくしくみについて学ぶ。
・後半はDNAの複製と遺伝子の発現とその調節について学ぶ。ホメオスタシスの内分泌系・神経系・免疫系について理解する。分化や発生のしくみを通して、幹細胞工学とその応用について学ぶ。
授業の進め方・方法:
講義形式、プリント配布
注意点:
・授業を休まないこと
・毎回の授業に「フォトサイエンス生物図録」(副教材)も持ってくること
・ノートをしっかりとること
・疑問点は質問すること

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 序論 生命の必須元素、生命にとっての有機化合物と水について理解できる。
2週 生命物質(1) 細胞を構成する有機物としての糖質、脂質の構造と機能を理解できる。
3週 生命物質(2) 細胞を構成する有機物としてのタンパク質、核酸の構造と機能を理解できる
4週 細胞と生体膜 流動モザイクモデル、膜タンパク質の機能について理解できる。
5週 細胞内小器官(1) 単膜構造体:小胞体、ゴルジ体、リソソームおよびリボソームが理解できる。
6週 細胞内小器官(2) 複膜構造体:核膜、ミトコンドリア、葉緑体が理解できる。細胞共生説が説明できる。
7週 細胞骨格
細胞周期
微小管、微小繊維、中間径フィラメント、細胞外基質が説明できる。
細胞周期と細胞周期の制御系が理解できる。
8週 前期中間試験 前期のこれまでの内容についての試験に対して60%以上の点数をとる
2ndQ
9週 酵素 生体触媒としての酵素の特徴、無機触媒と酵素の質的な違いを生物学的特徴として理解できる。
10週 解糖と発酵 解糖の概要が理解できる。
アルコール発酵と乳酸発酵を理解できる。
11週 呼吸 クエン酸回路と酸化的リン酸化の概要を理解できる。
12週 光合成 明反応と暗反応を理解できる。C3植物、C4植物、CAM植物を説明できる。
13週 神経系 神経系の構成がわかる。神経細胞における静止電位と活動電位が理解できる。シナプス伝達がわかる。
14週 運動系(筋肉ー骨格系) 興奮収縮連関の仕組みがわかる。骨格筋の筋収縮の仕組みが理解できる。
15週 前期期末試験
16週 前期のまとめ
後期
3rdQ
1週 セントラルドグマ セントラルドグマの概要が理解できる
2週 DNAの複製 複製フォーク、DNA複製の分子機構が理解できる
3週 転写 RNAポリメラーゼ、プロモーター、転写の開始・伸長・終結が理解できる
4週 転写調節のしくみ オペロン説が理解できる
5週 遺伝暗号 コドン、コドン表、読み枠について理解できる
6週 翻訳 翻訳の開始・伸長・終結について理解できる
7週 転写後調節と翻訳後の運命 真核生物の転写後修飾、翻訳後修飾について理解できる
8週 後期中間試験 後期のこれまでの内容についての試験に対して60%以上の点数をとる
4thQ
9週 ホメオスタシス(1) 内分泌系の調節について理解できる
10週 ホメオスタシス(2) 神経系の調節について理解できる
11週 免疫系 生体防御のしくみについて理解できる
12週 がん がん遺伝子について理解できる
13週 幹細胞工学
(発生)
ES細胞、iPS細胞について理解できる
(発生の機構について理解できる)
14週 分化
植物の発生
分化について理解できる
植物の器官や組織、花の形成、ABCモデルについて理解できる
15週 ヒトの遺伝子と調節 真核生物の遺伝子、エピジェネティクスについて理解できる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学ライフサイエンス・アースサイエンスライフサイエンス・アースサイエンス生物に共通する性質について説明できる。3
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物原核生物と真核生物の違いについて説明できる。4前1
代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。4前9
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。4前9
光合成及び呼吸の大まかな過程を説明でき、2つの過程の関係を説明できる。4前12,前13
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。4前3
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。4後6
染色体の構造と遺伝情報の分配について説明できる。4後2
細胞周期について説明できる。4前8
分化について説明できる。4後13
ゲノムと遺伝子の関係について説明できる。4後3
細胞膜を通しての物質輸送による細胞の恒常性について説明できる。4前4
フィードバック制御による体内の恒常性の仕組みを説明できる。4後9
情報伝達物質とその受容体の働きを説明できる。4後10
免疫系による生体防御のしくみを説明できる。4後11
生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。4前2
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。4前2
単糖と多糖の生物機能を説明できる。4前2
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。4前2
グリコシド結合を説明できる。4前2
多糖の例を説明できる。4前2
脂質の機能を複数あげることができる。4前2
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。4前2
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。4前4
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。4前3
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。4前3
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。4前3
タンパク質の高次構造について説明できる。4前3
ヌクレオチドの構造を説明できる。4前3
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。4前3
DNAの半保存的複製を説明できる。4後2
RNAの種類と働きを列記できる。4後3
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。4後5
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。4前9
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。4前9
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。4前9
解糖系の概要を説明できる。4前10
クエン酸回路の概要を説明できる。4前12
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。4前12
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。4前11
各種の光合成色素の働きを説明できる。4前13
光化学反応の仕組みを理解し、その概要を説明できる。4前13
炭酸固定の過程を説明できる。4前13

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合800010010100
基礎的能力400050550
専門的能力400050550
分野横断的能力0000000