有機化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 群馬工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 有機化学Ⅰ
科目番号 3K014 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 ブルース 有機化学(上), 第7版:Paula Y. Bruice 著 大船泰史・香月勗・西郷和彦・富岡清 監訳:化学同人
担当教員 友坂 秀之

到達目標

□分子の三次元的な構造をイメージでき、異性体について理解できる。
□構造異性体、幾何異性体、および鏡像異性体などを説明できる。
□置換反応と脱離反応をそれぞれ理解できる。
□アルコール、エーテル、エポキシド、アミン、およびチオールの一般的な反応をそれぞれ理解できる。
□アミンの酸-塩基の性質を説明できる。
□有機金属化合物の一般的な反応を理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1分子の三次元的な構造をイメージでき、構造異性体、幾何異性体、および鏡像異性体など、具体的に異性体について説明できる。分子の三次元的な構造をイメージし、異性体を説明できる。左記に達していない。
評価項目2SN2反応とSN1反応、およびE2反応とE1反応、それぞれを理解できる。置換反応と脱離反応をそれぞれ理解できる。 左記に達していない。
評価項目3アルコール、エーテル、エポキシド、アミン、チオール、および有機金属化合物の一般的な反応について、それぞれ具体例を挙げ説明できる。アルコール、エーテル、エポキシド、アミン、チオール、および有機金属化合物の一般的な反応を理解できる。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 1年生で学んだ化学IとIIを基礎とし、有機化学についての概念を学ぶとともに基礎的知識を得るため、2年生では基礎有機化学を学んでいる。有機化学Iでは、1、2年生で学んだ有機化学の基礎をもとに、有機化合物の立体化学や反応化学など、より専門的な有機化学の知識を得る。 
授業の進め方・方法:
 授業計画を参照のこと。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 立体化学 シス-トランス異性体とエナンチオマーを理解できる。
2週 立体化学 エナンチオマーを表記できる。
3週 立体化学 光学活性を理解できる。
4週 立体化学 ジアステレオマーとメソ化合物を理解できる。
5週 立体化学 立体異性体を命名できる。
6週 立体化学 不斉中心を含む化合物の反応を理解できる。
7週 立体化学 立体科学的なアルケンの反応を理解できる。
課題問題の解答を作成できる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 ハロゲン化アルキル ハロゲン化アルキルの命名法、構造、および物理的性質を理解できる。
10週 ハロゲン化アルキル SN2反応の機構を理解できる。
11週 ハロゲン化アルキル SN2反応に影響を与える要因を理解できる。
12週 ハロゲン化アルキル SN1反応の機構を理解できる。
13週 ハロゲン化アルキル SN1反応に影響を与える要因を理解できる。
14週 ハロゲン化アルキル SN2反応とSN1反応の競争を理解できる。
15週 ハロゲン化アルキル SN2反応とSN1反応における溶媒の役割を理解できる。
課題問題の解答を作成できる。
16週 前期定期試験
後期
3rdQ
1週 ハロゲン化アルキル E2反応を理解できる。
2週 ハロゲン化アルキル E1反応を理解できる。
3週 ハロゲン化アルキル E2反応とE1反応の競争を理解できる。
4週 ハロゲン化アルキル E2反応とE1反応の立体選択性を理解できる。
5週 ハロゲン化アルキル 置換シクロヘキサンの脱離反応を理解できる。
6週 ハロゲン化アルキル 置換反応と脱離反応の競合を理解できる。
7週 ハロゲン化アルキル 置換反応と脱離反応の合成への応用を理解できる。
課題問題の解答を作成できる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 アルコール アルコールからのハロゲン化アルキルとスルホン酸エステルの生成を理解できる。
10週 アルコール アルコールの脱水反応と酸化を理解できる。
11週 エーテル、エポキシド エーテルやエポキシドの求核置換反応を理解できる。
12週 アミン アミンの酸-塩基および一般的な反応を理解できる。
13週 チオール、スルフィド、スルホニウム塩 チオール、スルフィド、およびスルホニウム塩の一般的な反応を理解できる。
14週 有機金属化合物 有機リチウム化合物、有機マグネシウム化合物、および有機銅化合物の一般的な反応を理解できる。
15週 有機金属化合物 パラジウム触媒によるカップリング反応とアルケンメタセシスを理解できる。
課題問題の解答を作成できる。
16週 後期定期試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。3
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。3
σ結合とπ結合について説明できる。3
混成軌道を用い物質の形を説明できる。3
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。3
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。3
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。3
共鳴構造について説明できる。3
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。3
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。3
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。3
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。3
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。3
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。3
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。3
反応機構に基づき、生成物が予測できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000