物理化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 群馬工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 物理化学Ⅱ
科目番号 4K009 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「物理化学要論(第5版)」アトキンス他著(東京化学同人)
担当教員 藤野 正家

到達目標

量子化学、分子構造、熱力学とその応用について理解し、具体的な事象に応用できる能力を養う。
・黒体放射、光電効果について説明できる。
・一次元シュレディンガー方程式を導くことができる。
・一次元箱型ポテンシャル井戸のエネルギー準位と波動関数を求めることができる。
・水素原子の量子数について説明することができる。
・多電子原子、二原子分子のエネルギー準位に電子を充填できる。
・ヒュッケル近似により、分子のエネルギー準位を計算できる。
・等温膨張、断熱膨張による仕事を計算できる。
・不可逆変化(蒸発)のエントロピーを計算できる。
・クラペイロン-クラウジウスの式を使って異なる気圧下の沸点を計算できる。
・ラウールの法則に則って分留の原理を説明できる。
・強電解質と弱電解質の電導度の違いを説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1量子化の概念を充分に理解し説明できる。量子化の概念を説明できる。量子化の概念を説明できない。
評価項目2原子軌道を充分に理解し説明できる。原子軌道を説明できる。原子軌道を説明できない。
評価項目3分子を形成する結合について充分に理解し説明できる。分子を形成する結合について説明できる。分子を形成する結合を説明できない。
評価項目4エンタルピーについて充分に理解し計算ができる。エンタルピーの計算ができる。エンタルピーの計算ができない。
評価項目5自由エネルギーについて充分に理解し計算ができる。自由エネルギーの計算ができる。自由エネルギーの計算ができない。
評価項目6一成分系、二成分系の相平衡について充分に理解し計算ができる。一成分系、二成分系の相平衡について説明ができる。一成分系、二成分系の相平衡について説明できない。
評価項目7平衡定数について充分に理解し説明できる。平衡定数について説明できる。平衡定数について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程 C 説明 閉じる

教育方法等

概要:
量子論、化学結合、原子・分子構造、熱力学、相・化学平衡、電解質溶液について学ぶ。
授業の進め方・方法:
座学
注意点:
微分・積分を問題なく出来るように復習しておくこと。
予習と復習をしっかりと行うこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 前期量子論(1)
  黒体放射、光電効果
2週 前期量子論(2)
  ド・ブロイの関係式 
  ボーア模型
3週 量子力学の誕生(1)
  不確定性原理 
4週 量子力学の誕生(2)
  シュレディンガー方程式
5週 量子力学の誕生(3)
  1次元箱型ポテンシャル井戸の中の電子
6週 原子構造(1)
 水素原子の波動関数と量子数
7週 原子構造(2)
  水素類似原子の軌道エネルギーと電子配置
8週 中間試験
2ndQ
9週 分子構造(1)
  イオン結合
10週 分子構造(2)
  共有結合 
  水素分子イオンと水素分子
11週 分子構造(3)
  分子軌道法 
  ヒュッケル近似
12週 分子構造(4)
  電子遷移 
  電子スペクト ル
13週 分子構造(5)
  等核2原子分子 
  結合次数
14週 分子構造(6)
  異核2原子分子 
  電気双極子モーメント
15週 期末試験
16週 分子構造(7)
  多原子分子 
  VSEPR理論、混成軌道
後期
3rdQ
1週 熱力学(1)
  熱力学第一法則 
  等温膨張
2週 熱力学(2)
  可逆変化と不可逆変化
  断熱膨張
3週 熱力学(3)
  エンタルピー、ヘスの法則
4週 熱力学(4)
  熱力学第二法則 
  エントロピー
5週 熱力学(5)
  自由エネルギー
  化学ポテンシャル
6週 相平衡(1)
  相律
7週 相平衡(2)
  クラペイロン-クラウジウスの式とその応用
8週 中間試験
4thQ
9週 相平衡(3)
  理想溶液 
  ラウールの法則とその応用
10週 相平衡(4)
  分留、水蒸気蒸留 
  ヘンリーの法則
11週 相平衡(5)
  理想希薄溶液、蒸気圧降下 
  沸点上昇、凝固点降下
12週 相平衡(6)
  浸透圧に関するファントホッフの法則
13週 化学平衡(1)
  自由エネルギーと平衡定数
  質量作用の法則、活量
14週 化学平衡(2)
  平衡定数の温度変化
  ル シャトリエの原理
15週 期末試験
16週 電解質溶液
  電解質溶液の電気伝導
  弱電解質の電離平衡

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学ライフサイエンス/アースサイエンスライフサイエンス/アースサイエンス生物の共通性と進化の関係について説明できる。4
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。4
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。4
単糖と多糖の生物機能を説明できる。4
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。4
グリコシド結合を説明できる。4
多糖の例を説明できる。4
脂質の機能を複数あげることができる。4
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。4
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。4
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。4
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。4
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。4
タンパク質の高次構造について説明できる。4
ヌクレオチドの構造を説明できる。4
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。4
DNAの半保存的複製を説明できる。4
RNAの種類と働きを列記できる。4
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。4
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。4
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。4
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。4
生物工学原核微生物の種類と特徴について説明できる。4
真核微生物(カビ、酵母)の種類と特徴について説明できる。4
微生物の増殖(増殖曲線)について説明できる。4
微生物の育種方法について説明できる。4
微生物の培養方法について説明でき、安全対策についても説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000