量子化学

科目基礎情報

学校 群馬工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 量子化学
科目番号 4K014 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 アトキンス基礎物理化学 上:アトキンス、ポーラ、フリードマン著:千原・稲葉訳:東京化学同人
担当教員 太田 道也

到達目標

□ 波動関数の性質を理解できる。
□ シュレディンガー方程式がかける。
□ 原子の電子軌道について、理解できる。
□ 分子の振動、回転状態について理解できる。
□ 分子の電子状態について理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1量子論が誕生するまでの歴史的実験について理解して十分に説明できる。量子論が誕生するまでの歴史的実験について理解して説明できる。量子論が誕生するまでの歴史的実験について理解して説明できない。
評価項目2物質波の考えと原子モデルについて理化して十分に説明できる。物質波の考えと原子モデルについて理化して説明できる。物質波の考えと原子モデルについて理化して説明できない。
評価項目3シュレディンガー方程式と波動関数の数学的性質について理解して十分に説明できる。シュレディンガー方程式と波動関数の数学的性質について理解して説明できる。シュレディンガー方程式と波動関数の数学的性質について理解して説明できない。
評価項目4水素原子内の電子の軌道について理解して十分に説明できる。水素原子内の電子の軌道について理解して説明できる。水素原子内の電子の軌道について理解して説明できない。
評価項目5分子軌道と原子化結合論の違いを理解して十分に説明できる。分子軌道と原子化結合論の違いを理解して説明できる。分子軌道と原子化結合論の違いを理解して説明できない。
評価項目6二原子分子や多原子分子の分子起動について理解して十分に説明できる。二原子分子や多原子分子の分子起動について理解して説明できる。二原子分子や多原子分子の分子起動について理解して説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
量子力学が誕生するまでの歴史とそこから導かれる原子と電子配置を簡単に復習し、量子化学に関する基本的な概念を学ぶ。エチレンやベンゼンなどの簡単な分子のシュレディンガー方程式を近似法で解き、そこから分子の性質や反応性をどのように予測し、実際の話と整合するかを学ぶ。
授業の進め方・方法:
座学
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 量子論入門(1) 黒体輻射、量子仮説、光電効果、水素原子からの発光スペクトルの解釈
2週 量子論入門(2) ドブロイ波、ボーアモデル、
3週 量子論入門(3) シュレディンガー方程式、井戸型ポテンシャル
4週 量子論入門(4) 波動方程式、波動関数の数学的性質
5週 原子(1) 水素原子内の電子の軌道
6週 原子(2) 多電子原子内の電子の軌道、L-S結合
7週 分子軌道法(1) 分子軌道法と原子化結合論の違い
8週 中間試験
2ndQ
9週 分子軌道法(2) 水素分子
10週 分子軌道法(3) 二原子分子の分子軌道
11週 分子軌道法(4) 三原子分子の分子軌道
12週 群論 群論と軌道の対象性、軌道の重なり
13週 等核二原子分子と異核二原子分子、多原子分子 軌道の重なりと電子配置
14週 分子分光学 回転、振動、電子スペクトルの解析
15週 前期末試験
16週 答案返却 返却後の不正解な解答を修正して、正答できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。3
σ結合とπ結合について説明できる。3前7,前9,前10,前11
混成軌道を用い物質の形を説明できる。3前7,前10,前11
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。3
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。3前7,前9,前10,前11
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。3
共鳴構造について説明できる。3
無機化学主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。3前5,前6
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。3前5,前6
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。3前5,前6
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。3前6,前7
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。3前7,前9,前10,前11
配位結合の形成について説明できる。3前7
錯体化学で使用される用語(中心原子、配位子、キレート、配位数など)を説明できる。3
錯体の命名法の基本を説明できる。3
配位数と構造について説明できる。3
代表的な錯体の性質(色、磁性等)を説明できる。3
代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力6000002080
専門的能力200000020
分野横断的能力0000000