遺伝子工学

科目基礎情報

学校 群馬工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 遺伝子工学
科目番号 5K018 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 遺伝子工学ー基礎から応用までー:野島 博:東京化学同人:4-8079-0804-2
担当教員 大和田 恭子

到達目標

□遺伝子工学について、その概念と基礎を理解できる。
□遺伝子の発現機構とその調節について説明できる。
□遺伝子組換え技術の原理について理解できる。
□遺伝子組換え作物や医薬品、遺伝子治療について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1遺伝子の発現機構とその調節について説明できる遺伝子の発現機構とその調節について理解できる遺伝子の発現機構とその調節について説明できない
評価項目2遺伝子組換え技術の原理について説明できる遺伝子組換え技術の原理について理解できる遺伝子組換え技術の原理について説明できない
評価項目3遺伝子組換え作物や医薬品、遺伝子治療について説明できる遺伝子組換え作物や医薬品、遺伝子治療について理解できる遺伝子組換え作物や医薬品、遺伝子治療について説明できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
遺伝子工学について、その概念と基礎を理解し、遺伝子組換え技術の原理について学習する。
遺伝子組換え作物、医薬品、遺伝子治療について理解するとともに、バイオテクノロジーにおける遺伝子工学の正しい知識を定着させる。
授業の進め方・方法:
講義および演習
注意点:
・授業を休まないこと
・ノートをしっかりとること
・疑問点はその場で質問すること

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 遺伝子工学の歴史 遺伝子の概念が理解できる。遺伝物質の化学的性質が理解できる。
2週 遺伝子工学の歴史 形質転換物質としてのDNA、核酸の基本構造がわかる。
3週 セントラルドグマ アダプター仮説とtRNAの発見、mRNAの発見とセントラルドグマを理解できる。
4週 遺伝子組換え技術の誕生 遺伝子組換え法の原理が理解できる。
5週 DNAを細工する酵素群 制限酵素、制限と修飾、DNAメチラーゼがわかる。
6週 ヌクレアーゼとリガーゼ 各種ヌクレアーゼの特徴、DNAリガーゼによるDNAの連結についてわかる。
7週 DNAポリメラーゼ DNAポリメラーゼの種類とDNA合成反応についてわかる。クレノウフラグメントがわかる。
8週 RNAポリメラーゼ RNAポリメラーゼの種類と触媒するRNA合成反応がわかる。
2ndQ
9週 逆転写酵素、末端核酸付加酵素、リン酸化・脱リン酸化酵素 逆転写酵素とその反応、cDNA、TdT、BAP、CIPについてそれらの反応とともに理解している。
10週 プラスミドとファージ(1) プラスミド、ファージがわかる。プラスミドベクターの基本構造がわかる。プラスミドベクターの種類がわかる。
11週 プラスミドとファージ(2) α相補の原理がわかる。遺伝子組換えにおけるλファージベクターの利用についてわかる。
12週 プラスミドとファージ(3) 混成ベクターとして、コスミドベクター、ファージミドベクターがわかる。出芽酵母を宿主としたベクター系がわかる。
13週 遺伝子操作における宿主の性質 宿主として持つべき性質を理解している。
14週 宿主の制限系と組換え系 大腸菌K-12株における代表的な制限系とそれを規定する遺伝子がわかる。組換えに関する遺伝子についてわかる。
15週 遺伝子型 遺伝子型の記述の原則がわかる。大腸菌K-12株の代表的な株の遺伝子型の基本的なものが読める。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。4
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。4
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。4
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。4
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。4
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。4
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。4
タンパク質の高次構造について説明できる。4
ヌクレオチドの構造を説明できる。4
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。4
DNAの半保存的複製を説明できる。4
RNAの種類と働きを列記できる。4
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。4
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。4
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。4
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。4
生物工学原核微生物の種類と特徴について説明できる。4
真核微生物(カビ、酵母)の種類と特徴について説明できる。4
微生物の増殖(増殖曲線)について説明できる。4
微生物の育種方法について説明できる。4
微生物の培養方法について説明でき、安全対策についても説明できる。4
食品加工と微生物の関係について説明できる。4
抗生物質や生理活性物質の例を挙げ、微生物を用いたそれらの生産方法について説明できる。4
微生物を用いた廃水処理・バイオレメディエーションについて説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力4000001050
専門的能力4000001050
分野横断的能力0000000