生化学

科目基礎情報

学校 群馬工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 生化学
科目番号 0022 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 ヴォート生化学(上)(下):ヴォート:東京化学同人
担当教員 大和田 恭子

到達目標


□タンパク質、核酸、糖質、脂質の構造を説明できる。
□単糖と多糖の例を説明できる。
□タンパク質を構成するアミノ酸の側鎖の化学的特徴とタンパク質の立体構造について説明できる。
□DNAの複製、転写、翻訳の概要を説明できる。
□酵素の一般的性質を説明できる。
□解糖、クエン酸回路、電子伝達と酸化的リン酸化が説明できる。
□アミノ酸代謝を説明できる。
□ヌクレオチド代謝を説明できる。
□脂質代謝を説明できる。
□光合成の明反応・暗反応を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1タンパク質、核酸、糖質、脂質の構造を説明できるタンパク質、核酸、糖質、脂質の構造を理解できるタンパク質、核酸、糖質、脂質の構造を理解できない
評価項目2単糖と多糖の例を説明できる単糖と多糖の例を理解できる単糖と多糖の例を理解できない
評価項目3タンパク質を構成するアミノ酸の側鎖の化学的特徴とタンパク質の立体構造について説明できるタンパク質を構成するアミノ酸の側鎖の化学的特徴とタンパク質の立体構造について理解できるタンパク質を構成するアミノ酸の側鎖の化学的特徴とタンパク質の立体構造について説明できない
評価項目4DNAの複製、転写、翻訳の概要を説明できるDNAの複製、転写、翻訳の概要を理解できるDNAの複製、転写、翻訳の概要を説明できない
評価項目5酵素の一般的性質を説明できる酵素の一般的性質を理解できる酵素の一般的性質を説明できない
評価項目6解糖、クエン酸回路、電子伝達と酸化的リン酸化が説明できる解糖、クエン酸回路、電子伝達と酸化的リン酸化が理解できる解糖、クエン酸回路、電子伝達と酸化的リン酸化が説明できない
評価項目7アミノ酸代謝を説明できるアミノ酸代謝を理解できるアミノ酸代謝を理解できない
評価項目8脂質代謝を説明できる脂質代謝を理解できる脂質代謝を説明できる
評価項目9光合成の明反応・暗反応を説明できる光合成の明反応・暗反応を理解できる光合成の明反応・暗反応を説明できない
評価項目10

学科の到達目標項目との関係

準学士課程 C 説明 閉じる

教育方法等

概要:
生物を構成する基本的な物質の構造や性質を学び、生体内で働く様々な物質の代謝に関する基本的機構を学ぶことに
より、生命活動は生体エネルギーによって支えられていることを理解する。
授業の進め方・方法:
教科書と自作プリントを用いた授業。理解を深めるために、演習を導入
注意点:
授業を休まない。ノートをしっかりとる。疑問点は質問する。演習の提出物がある。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 生化学の歴史 生物の誕生、化学進化、RNAワールド、生物進化
2週 アミノ酸(1) アミノ酸の構造と分類
3週 アミノ酸(2) 等電点、立体構造、ペプチド結合
4週 タンパク質(1) 一次構造~四次構造、立体構造の安定化
5週 タンパク質(2) 変性、ゲル
ろ過クロマトグラフィー、タンパク質の分類
6週 タンパク質(3) タンパク質の機能について説明できる
7週 糖質(1) 糖の定義、分類、単糖の化学構造を説明できる
8週 糖質(2) 各種の異性体について理解する。グリコシド結合、多糖の例を説明できる
2ndQ
9週 脂質(1) 脂質の定義、分類が理解し、脂質の機能を理解する
10週 脂質(2) TAGの構造、脂肪酸の構造を説明できる。
11週 脂質(3) 脂質二重層について説明できる。細胞膜の化学的性質を理解する。
12週 核酸(1) ヌクレオチドの構造を理解する。DNA二重らせん構造を理解
13週 核酸(2) 半保存的複製の理解
14週 核酸(3) セントラルドグマ、複製の分子機構を説明できる
15週 核酸(4) RNAの種類と働きが列挙できる
16週 代謝 異化と同化がわかる。
後期
3rdQ
1週 解糖と発酵 解糖系とアルコール発酵、ホモ乳酸発酵の過程を理解する
2週 クエン酸回路と酸化的リン酸化(1) クエン酸回路と酸化的リン酸化
3週 クエン酸回路と酸化的リン酸化(2) 好気的代謝におけるATPの収支について説明できる
4週 酵素(1) 酵素の構造と酵素-基質複合体について理解する
5週 酵素(2) 酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について理解する
6週 酵素(3) 補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を理解する
7週 脂質代謝(1) 脂肪酸の活性化とβ酸化について理解する
8週 脂質代謝(2) 偶数炭素脂肪酸と奇数炭素脂肪酸の代謝過程を理解する
4thQ
9週 アミノ酸代謝(1) アミノ酸の脱アミノ、尿素サイクルについて理解する
10週 アミノ酸代謝(2) 個々のアミノ酸の代謝分解について理解する
11週 核酸代謝(1) プリンリボヌクレオチドの合成、ピリミジンリボヌクレオチドの合成について理解する
12週 核酸代謝(2) ヌクレオチドの分解について理解する
13週 光合成(1) 光合成色素の働きを理解する
14週 光合成(2) 明反応の仕組みを理解する
15週 光合成(3) 炭酸固定の過程を理解する
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。3
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。3
単糖と多糖の生物機能を説明できる。3
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。3
グリコシド結合を説明できる。3
多糖の例を説明できる。3
脂質の機能を複数あげることができる。3
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。3
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。3前11
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。3
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。3
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。3
タンパク質の高次構造について説明できる。3
ヌクレオチドの構造を説明できる。3
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。3
DNAの半保存的複製を説明できる。3
RNAの種類と働きを列記できる。3
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。3
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。3後6
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。3後4
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。3後5
各種の光合成色素の働きを説明できる。3後14
光化学反応の仕組みを理解し、その概要を説明できる。3
炭酸固定の過程を説明できる。3
生物工学原核微生物の種類と特徴について説明できる。3
真核微生物(カビ、酵母)の種類と特徴について説明できる。3
アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。3
食品加工と微生物の関係について説明できる。3
抗生物質や生理活性物質の例を挙げ、微生物を用いたそれらの生産方法について説明できる。3
微生物を用いた廃水処理・バイオレメディエーションについて説明できる。3
遺伝子組換え技術の原理について理解している。2
バイオテクノロジーの応用例(遺伝子組換え作物、医薬品、遺伝子治療など)について説明できる。2
バイオテクノロジーが従来の技術に対して優れている点について説明できる。2
遺伝子組み換え技術のリスクと安全策について説明できる。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力4000001050
専門的能力4000001050
分野横断的能力0000000