無機化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 群馬工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 無機化学Ⅰ
科目番号 0031 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 シュライバー・アトキンス無機化学(上)(原著 第6版) :M.Weller, T. Overton, J.Rourke, F.Arms trong:東京化学同人
担当教員 平 靖之

到達目標

新学習指導要領に基づく中学校理科教育に対応するためには,専門分野へと進む前段階として,化学や物理などの基礎的知識の習得を確実なものとすることが大切である。本授業によって,以下のことが理解できる。
□ 1年生で学んだ化学IとIIを基礎とし,化学分野の一つである無機化学についての基本概念を理解し,基礎知識を習得できる。
□ 化学および物理の立場から物質についての基礎的知識を理解することができる。
□ 周期表と原子の電子配置が理解できる。
□ 物質を化学結合によって分類し,その化学結合に由来する性質を理解できる。
□ 化学反応とそれに伴うエネルギー変化について理解することができる。
□ 酸と塩基の定義を理解し,物質を分類することができる。
□ 酸化還元反応について理解することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1酸と塩基の性質が十分説明できる。酸と塩基の性質が説明できる。酸と塩基の性質が説明できない。
評価項目2酸化と還元の性質が十分説明できる。酸化と還元の性質が説明できる。酸化と還元の性質が説明できない。
評価項目3原子の性質が十分説明できる。原子の性質が説明できる。原子の性質が説明できない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程 C 説明 閉じる

教育方法等

概要:
授業計画を参照のこと
授業の進め方・方法:
座学
注意点:
・復習をしてわからないところはそのままにしないで,必ず質問して下さい。
・前回の授業内容を復習して十分に理解し,次の授業に臨むこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 酸と塩基(1) ルイス酸・塩基について理解できる。
2週 酸と塩基(2) 硬い酸と柔らかい酸の概念を理解できる。
3週 酸化と還元(1) 酸化と還元の歴史を説明できる。
4週 酸化と還元(2) 還元反応の利用による金属単体の抽出を理解できる。
5週 酸化と還元(3) Ellingham diagramの利用して金属単体の抽出を説明できる。
6週 酸化と還元(4) 電子移動と酸化還元反応を理解できる。
7週 酸化と還元(5) 電極電位とNernstの式を理解できる。不均化反応とLatimer diagramを説明できる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 原子の構造(1) Bohrモデルを説明できる。
10週 原子の構造(2) 原子内の電子配置を理解する。
11週 原子の構造(3) 最外殻電子とイオン化ポテンシャルを説明できる。
12週 原子の構造(4) 周期表と電子配置を理解する。
13週 化学結合(1) Heilter-Londonの考えと原子価結合論を理解できる。
14週 化学結合(2) 共有結合における電子昇位と混成結合の生成を説明できる。
15週 化学結合(3) 原子価殻電子対反発(VSEPR)理論と分子の構造を理解する。
16週 前期期末試験
後期
3rdQ
1週 化学結合(4) 等核二原子分子と多原子分子における化学結合を説明できる。
2週 化学結合(5) 分子軌道理論を説明できる。
3週 化学結合(6) 分子軌道理論を説明できる。
4週 化学結合(7) 結合性軌道と反結合性軌道の関係を説明できる。
5週 化学結合(8) 等核二原子分子における分子軌道の概略を理解する。
6週 化学結合(9) 異核二原子分子における分子軌道の概略を理解できる。
7週 化学結合(10) 多原子分子における分子軌道の概略を理解できる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 イオン性結合と金属結合 結晶と非結晶を説明できる。
10週 結晶(1) 結晶系とBravais格子を説明できる。
11週 結晶(2) 多形と不安定系を理解する。
12週 結晶(3) 構造解析技術とBraggの回折条件を理解する。
13週 非晶質物質 非晶質状態での原子配列を説明できる。
14週 イオン結合のエネルギー論(1) 格子エンタルピーを説明できる。
15週 イオン結合のエネルギー論(2) ボルン・ハーバーサイクルを説明できる。
16週 後期期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野無機化学主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。3
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。3
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。3
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。3
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。3
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。3
イオン結合と共有結合について説明できる。3
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。3
金属結合の形成について理解できる。3
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。3
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。3
各種無機材料の機能発現や合成反応を結晶構造、化学結合、分子軌道等から説明できる。3
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。3
配位結合の形成について説明できる。3
水素結合について説明できる。3
錯体化学で使用される用語(中心原子、配位子、キレート、配位数など)を説明できる。3
錯体の命名法の基本を説明できる。3
配位数と構造について説明できる。3
代表的な錯体の性質(色、磁性等)を説明できる。3
代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。3
セラミックス(ガラス、半導体等)、金属材料、炭素材料、半導体材料、複合材料等から、生活及び産業を支えるいくつかの重要な無機材料の用途・製法・構造等について理解している。3
現代を支える代表的な新素材を例に、その機能と合成方法、材料開発による環境や生命(医療)等、現代社会への波及効果について説明できる。3
単結晶化、焼結、薄膜化、微粒子化、多孔質化などのいくつかについて代表的な材料合成法を理解している。3

評価割合

レポート中間試験中間試験態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合204040000100
後期204040000100
専門的能力0000000