概要:
水理学は,建設工学の専門基礎科目の中でも重要科目のひとつである。水理学を応用する河川,海岸,上下水道,水質汚濁等の水に関わる工学に必要な専門的基礎知識を数学や物理学に基づいて習得し,公務員等の就職試験や大学編入・専攻科進学試験に備え,応用力を身につける。
授業の進め方・方法:
授業は,始めに前回の内容の理解度および予習状況を確認する小テスト(10分),教員による説明(計60分),個人およびグループによる演習(計20分)で構成する。毎回,授業内容に関する復習課題と次回の授業に関する予習課題を課し,レポートとして提出させる。また,定期的に授業到達目標に対するポートフォリオを提出させる。
注意点:
【成績評価の基準・方法】
試験の成績60%,平素の学習状況等(課題・小テスト・レポート等を含む)40%の割合を基準として総合的に評価する。学期末の成績は,中間と期末の各期間の評価の平均とする。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。
【事前・事後学習】
事前学習として教科書の該当部分を事前に読んで授業に臨むこと。また,事後学習として授業内で学習した内容の復習や演習問題を解いて各自の理解度を認識するとともに,不明な点は他学生とディスカッションをしたり,教員に質問するなどして次回の小テストに備えること。
【学修単位科目(授業時間外の学習時間等)】
・本科目は学修単位のため,以下の標準学習時間を設定した自主学習を累計45時間以上実施して提出しなければ,成績が60点を超えた場合でも59点として扱い,単位を認定しない。
・全15回の授業に対して,0.5時間の事前学習と1.5時間の事後学習の計30時間の学習を行う。
・中間試験および期末試験に対してそれぞれ試験勉強のための課題学習として各4時間の計8時間の学習を行う。
・休業中に総まとめ課題として7時間分の学習を行う。
【履修上の注意】
この科目を履修するにあたり,1年生の物理I,2年生の微分積分,4年生前期の水理学Iの内容を十分に理解しておくこと。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
管路の流れ①[1-4] :層流と乱流 |
レイノルズの実験,層流と乱流について理解し,レイノルズ数の計算ができる。
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2週 |
管路の流れ①[1-4] :管路の摩擦損失 |
管路の摩擦損失について理解し,ダルシー・ワイズバッハの式を用いて計算ができる。
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3週 |
管路の流れ①[1-4] :管路の形状損失 |
管路の形状損失について理解し,各種の形状損失の計算ができる。
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4週 |
管路の流れ①[1-4] :管路の形状損失 |
管路の形状損失について理解し,各種の形状損失の計算ができる。
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5週 |
管路の流れ②[5-7] :単一管路の流れ |
単一管路のエネルギー線と動水勾配線について理解し,描画できる。
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6週 |
管路の流れ②[5-7] :単一管路の流れ |
サイフォン現象を理解し,関連する演習問題が解ける。
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7週 |
管路の流れ②[5-7] :分岐・合流管路の流れ |
分岐・合流管路の流れに関する演習問題が解ける。
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8週 |
管路の流れに関する復習[8]: |
管路の流れに関する演習問題が解ける。
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4thQ |
9週 |
開水路の流れ①[9-11]:開水路の流れ |
比エネルギーについて理解し,計算ができる。
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10週 |
開水路の流れ①[9-11]:開水路の流れ |
限界水深(べスの定理,ベランジェの定理)について理解し,計算ができる。
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11週 |
開水路の流れ①[9-11]:開水路の流れ |
常流と射流の流れ,跳水現象について説明ができる。
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12週 |
開水路の流れ②[12-13]:開水路の等流 |
平均流速公式を理解し,単断面,複断面の等流の計算ができる。
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13週 |
開水路の流れ②[12-13]:開水路の等流 |
水理特性曲線と水理学的に有利な断面について理解し,計算ができる。
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14週 |
演習問題①[14-15]:技術士一次試験問題 |
技術士一次試験の水理学出題傾向を理解し,水理学I・IIで学んだ知識を生かして正答を導くことができる。
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15週 |
演習問題②[14-15]:国家公務員試験問題 |
国家公務員試験の水理学出題傾向を理解し,水理学I・IIで学んだ知識を生かして正答を導くことができる。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建設系分野 | 水理 | 水理学で用いる単位系を説明できる。 | 4 | |
静水圧の表現、強さ、作用する方向について、説明できる。 | 3 | |
平面と曲面に作用する全水圧の大きさと作用点を計算できる。 | 4 | |
浮力と浮体の安定を計算できる。 | 4 | |
完全流体の運動方程式(Eulerの運動方程式)を説明できる。 | 2 | 後3 |
連続の式を説明できる。 | 3 | |
ベルヌーイの定理を説明でき、これを応用(ベンチュリーメータなど)した 計算ができる。 | 3 | |
運動量保存則を説明でき、これを応用した計算ができる。 | 3 | |
比エネルギー、フルード数、常流と射流、限界水深(ベスの定理、ベランジェの定理)、跳水現象について、説明できる。 | 3 | 後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15 |
層流と乱流について、説明できる。 | 4 | 後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8 |
管水路の摩擦以外の損失係数について、説明できる。 | 3 | 後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8 |
各種の管路の流れが計算できる。 | 3 | 後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8 |
開水路の等流(平均流速公式、限界水深、等流水深)について、計算できる。 | 3 | 後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15 |
開水路不等流の基礎方程式を説明できる。 | 3 | 後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15 |