創造工学Ⅱ

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 創造工学Ⅱ
科目番号 0001 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造工学科(都市・環境系共通科目) 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 なし/自作プリント
担当教員 八田 茂実,渡辺 暁央,加藤 晃,谷口 陽子,酒井 佑槙,鳥田 宏行

到達目標

1)自身の専門系を中心とした基礎的な能力を身につける.
2)工学を幅広く捉え,工学の幅広い知識を身につける.
3)技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を理解する.
4)グループで議論して立案した課題の解決方法を,聞き手にわかりやすく伝わる様に発表できる.
5)グループで合意形成した方法を実践できる.
6)収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより,活用すべき情報を選択できる.
7)当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる.
8)自らの現状を認識し,将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1自身の専門系を中心とした基礎的な能力を身につけ,活用できる.自身の専門系を中心とした基礎的な能力を身につける.自身の専門系を中心とした基礎的な能力を身につけられない.
評価項目2工学を幅広く捉え,工学の幅広い知識を身につける.工学を幅広く捉え,工学の幅広い知識を身につける.工学を幅広く捉えられず,工学の幅広い知識を身につけられない.
評価項目3技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を理解できる.技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を理解できる.技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を理解できない.
評価項目4グループで議論して立案した課題の解決方法を,聞き手にわかりやすく伝わる様に発表できる.グループで議論して立案した課題の解決方法を,聞き手にわかりやすく伝わる様に発表できる.グループで議論して立案した課題の解決方法を,聞き手にわかりやすく伝わる様に発表できない.
評価項目5グループで合意形成した方法を実践できる.グループで合意形成した方法を実践できる.グループで合意形成した方法を実践できない.
評価項目6収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより,活用すべき情報を選択し,新たな案の創出に利用できる.収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより,活用すべき情報を選択できる.収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより,活用すべき情報を選択できない.
評価項目7当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる.当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる.当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができない.
評価項目8自らの現状を認識し,将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる.自らの現状を認識し,将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる.自らの現状を認識し,将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができない.

学科の到達目標項目との関係

 Ⅰ 人間性  1 Ⅰ 人間性
 Ⅱ 実践性  2 Ⅱ 実践性
 Ⅲ 国際性  3 Ⅲ 国際性
 CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力  5 CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力
 CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力  7 CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力

教育方法等

概要:
自身の専門分野における演習や実験に加え,自身に関連する可能性のある他専門分野に関する演習や実験を通して,幅広く工学的基礎知識・技術を身に付ける.
また,専門分野ごとに異なる視点・考え方を理解でき,幅広い観点において工学を捉えられるようになることを目的に,各専門系の枠組みを超えた班編成においてグループワークを行う.
上記に加えて,現代社会に必要な情報リテラシー,技術者に必要な倫理観,自身のキャリア形成に必要な能力や態度を身に付けることを目的とする.
授業の進め方・方法:
授業は,基本的に実験や演習などを中心に行う.
グループ単位での演習や実験も行われる.
課題の提出などに当たっては,Blackboardなどが使用されることもある.
また,講義室の変更などに関する連絡はOffice365のメールにより行われる.
注意点:
・BlackboardやOffice365のメールを,確実に利用できる様にしておくこと.
・授業時間以外も活用して課題作製や調査研究などに取り組むことが必要となる場合もあります.
・グループ学習では、自分の役割を見つけ、グループ活動に積極的に参加すること.
・学習にあたっては、自己のキャリアについて常に意識し、将来の進路選択を行う際の参考にすること.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 前期内容ガイダンス,
キャリア教育(キャリアデザインシートの作成)
自らの現状を認識し,将来の目標に対して現状で必要な学習や活動を考えることができる.
2週 模型実験(1)ペーパーブリッジの作製 A4厚紙で桁橋の模型を作製できる。桁の高さ・数の条件を変えた3種類の模型を作る(一人でいずれか一つのペーパーブリッジを作る)。
3週 模型実験(2)ペーパーブリッジの強さ実験 ペーパーブリッジの強さ試験ができる。
4週 模型実験(3)実験結果の整理 データのばらつき,最確値が理解できる。
5週 模型実験(4)レポートの書き方 実験レポートの構成が理解できる。
6週 模型実験(5)レポートの書き方 考察の書き方が理解できる。
7週 Arduino製作実験を通して学ぶIoT(1)
-次世代社会におけるIoTとマイコンボードの役割-
次世代社会での工学におけるIoTの重要性および、通信技術やマイコンの役割を理解できる。
8週 Arduino製作実験を通して学ぶIoT(2)
-Arduinoの仕組み-
Arduinoプログラムの基礎となるアナログ・ディジタル入出力、変数、制御文、関数などについて理解しできる。
2ndQ
9週 Arduino製作実験を通して学ぶIoT(3)
-各種入力センサ制御-
超音波センサ、ジャイロセンサなどの入力センサの制御について理解できる。
10週 Arduino製作実験を通して学ぶIoT(4)
-各種出力部品制御-
モーター、LEDなどの出力部品の制御について理解できる。
11週 Arduino製作実験を通して学ぶIoT(5)
-各専門系におけるIoT活用-
それぞれの専門系において良く用いられるセンサ・部品を使った回路製作および、IoTの有効的な活用方法について考えることができる。
12週 建設業界におけるIoT(1)  建設業界におけるIoTの利用事例が理解できる。
13週 建設業界におけるIoT(2)  建設業界におけるIoTの利用事例が理解できる。
14週 建設業界におけるIoT(3)  建設業界におけるIoTの利用事例が理解できる。
15週 情報セキュリティー教育 インターネットを利用する上での様々な脅威を認識できる.
16週
後期
3rdQ
1週 後期内容ガイダンス,
(職業人インタビュー)
様々な職業人に対しインタビューし、その内容を簡潔にまとめ発表できる.
2週 企業見学ツアー 地域に根差す企業を見学し,地域産業の特徴について理解する.
3週 企業見学ツアー 地域に根差す企業を見学し,地域産業の特徴について理解する.
4週 技術者倫理教育 技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を理解できる.
5週 物質系専門内容(1) 他系専門内容についての知識を身に付けることができる.
6週 物質系専門内容(2) 他系専門内容についての知識を身に付けることができる.
7週 物質系専門内容(3) 他系専門内容についての知識を身に付けることができる.
8週 物質系専門内容(4) 他系専門内容についての知識を身に付けることができる.
4thQ
9週 キャリアシンポジウム 高専出身の企業人の話を聞き,企業・働き方の多様性について理解できる.
10週 グループワーク演習
-自身のタイプ分け-
自己分析手法について理解できる.
グループ討議に積極的に参加できる.
11週 グループワーク演習
-合意形成演習-
グループ討議における合意形成手法を理解し,実践できる.
課題に対するグループ討議に,自ら積極的に参加することができる.
12週 グループワーク演習
-協働作業演習-
主体性をもってグループでの作業に参加できる.
作業の中において情報を収集・整理・分析し,活用していくことができる.
13週 グループワーク演習
-協働作業演習-
主体性をもってグループでの作業に参加できる.
作業の中において情報を収集・整理・分析し,活用していくことができる.
14週 グループワーク演習
-SCM演習-
主体性をもってグループでの作業に参加できる.
経営工学的な概念について理解できる.
15週 グループワーク演習
-プレゼンテーション演習-
聞き手に理解してもらうことを意識して,発表や質疑応答ができる.
相手の発表内容を理解し,質問ができる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎情報リテラシー情報リテラシー同一の問題に対し、それを解決できる複数のアルゴリズムが存在しうることを知っている。3前7,前8,前9,前10,前11
与えられた基本的な問題を解くための適切なアルゴリズムを構築することができる。3前7,前8,前9,前10,前11
任意のプログラミング言語を用いて、構築したアルゴリズムを実装できる。3前7,前8,前9,前10,前11
情報セキュリティの必要性および守るべき情報を認識している。3前15
個人情報とプライバシー保護の考え方についての基本的な配慮ができる。3前15
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威を認識している3前15
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威に対して実践すべき対策を説明できる。3前15
分野横断的能力汎用的技能コミュニケーションスキルコミュニケーションスキル他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。2後11
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。2後12,後13
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。2後12,後13
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。2後12,後13
他者の意見を聞き合意形成することができる。3後11
合意形成のために会話を成立させることができる。3後11
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3後11
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3前12,前13,前14,後14
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3前12,前13,前14,後14
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。2前15
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。2前15
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。2前15
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3後15
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる2前12,前13,前14,後10
複数の情報を整理・構造化できる。2前12,前13,前14,後10
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。2前12,前13,前14,後10
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。2後12,後13
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。2後12,後13
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。2後12,後13
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。2後12,後13
事実をもとに論理や考察を展開できる。2後15
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。2後15
基盤的資質・能力自己理解自己理解周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3後12,後13
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3後12,後13
目標の実現に向けて計画ができる。3後12,後13
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3後12,後13
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3後12,後13
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3後12,後13
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3後12,後13
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3後12,後13
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。2後12,後13
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。2後12,後13
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている2後12,後13
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。2後12,後13
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。2前1,後1
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。2前1,後1
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。2前1,後1
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。2前1,後1
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。2前1,後1
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。2後2,後3
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。2後2,後3
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。2後2,後3
企業には社会的責任があることを認識している。2後2,後3
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。2後2,後3
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。2後2,後3
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。2後2,後3
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。2後2,後3
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。2後2,後3
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。2後2,後3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。2後2,後3
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。2後2,後3
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。2後2,後3
創造性・デザイン能力創造性創造性工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。2後12,後13
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。2後12,後13
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。2後12,後13
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。2後12,後13
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。2後12,後13
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。2後12,後13

評価割合

課題・レポート発表取組み合計
総合評価割合602020100
基礎的能力0101020
専門的能力400040
分野横断的能力20101040