到達目標
生物の学習範囲を、生物の関連教科に関係する分野の生物現象を理解し、工学的応用に発展させる。具体的には
(1)生物の基本的な単位である細胞の構造と働きについて理解することができる。
(2)生体を構成する物質と働きについて理解することができる。
(3)生物体内での化学反応のうち呼吸に関する反応を理解する。
(4)遺伝の法則、遺伝現象について理解する。
(5)生物の環境応答について理解する。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 生物の基本的な単位である細胞の構造と働きについて理解し、発展することができる。 | 生物の基本的な単位である細胞の構造と働きについて理解できる。 | 生物の基本的な単位である細胞の構造と働きについて理解できない。 |
評価項目2 | 生体を構成する物質と働きについて理解し、発展することができる。 | 生体を構成する物質と働きについて理解できる。 | 生体を構成する物質と働きについて理解できない。 |
評価項目3 | 生物体内での化学反応のうち呼吸に関する反応を理解し、発展することができる。 | 生物体内での化学反応のうち呼吸に関する反応を理解できる。 | 生物体内での化学反応のうち呼吸に関する反応を理解できない。 |
評価項目4 | 遺伝の法則、遺伝現象について理解し、発展することができる。 | 遺伝の法則、遺伝現象について理解できる。 | 遺伝の法則、遺伝現象について理解できない。 |
評価項目5 | (5)生物の環境応答について理解し、発展することができる。 | 生物の環境応答について理解する。 | 生物の環境応答について理解できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
この講義は本校の教育目標のうち「基礎力」を養う科目である。生物は生物系科目の基礎となる重要な科目である。生物学的現象のうち物質工学に関連した基礎知識(細胞の構造と機能、生体物質と代謝、核酸と遺伝など)を学習し、工学的に発展させるための基礎知識を習得するものである。また、あらゆる生物によって構成される生態系について学習することにより、生態系の平衡と維持、環境保全の重要性についての認識を深める。
授業の進め方・方法:
座学中心でおこなうが、説明を補なったり、具体的な例を示たりするのに「図説」を使用する。学習内容を自分の身体にあてはめて考えると興味がもて、理解しやすい。
注意点:
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
修学ガイダンス ・生物の多様性 |
生物の多様性について理解する
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2週 |
生物の多様性と共通性 |
生物の共通性について理解する
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3週 |
生命活動とエネルギー1 |
光合成、呼吸について理解する
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4週 |
生命活動とエネルギー2 |
光合成、呼吸の理解を深め、真核生物の起源を理解する
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5週 |
生物と遺伝子 |
遺伝情報としてのDNAについて理解する
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6週 |
遺伝情報の分配 |
細胞周期、DNAの複製など、分裂期以外のDNAの動きを理解する
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7週 |
遺伝情報とタンパク質の合成1 |
遺伝情報の流れのうち、転写について理解する
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8週 |
遺伝情報とタンパク質の合成2 |
遺伝情報の流れのうち、翻訳について理解する
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2ndQ |
9週 |
前期中間試験 |
生物の特徴、遺伝子(第8週目まで)について試験を行う
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10週 |
体内環境1 |
体内環境を維持するしくみを血液循環の観点から理解する
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11週 |
体内環境2 |
体内環境を維持するしくみを体内器官(腎臓・肝臓)の働きから理解する
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12週 |
体内環境の調節1 |
神経系、ホルモン調節により体内環境を維持していることを理解する
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13週 |
体内環境の調節2 |
血糖値、体温調節、体液濃度の調節について理解する
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14週 |
免疫1 |
生体防御のうち、自然免疫について理解する
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15週 |
免疫2 |
生体防御のうち、適応免疫について、細胞性免疫と体液性免疫の違いを理解する
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16週 |
前期期末試験 |
生物の体内環境の維持について(10週目~15週目)試験を行う
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後期 |
3rdQ |
1週 |
生物の生殖と配偶子の形成1 |
有性生殖について理解する
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2週 |
生物の生殖と配偶子の形成2 |
減数分裂による遺伝子の分配、組換えによる多様性の発生について理解する
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3週 |
動物の発生1 |
カエルの発生について理解する
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4週 |
動物の発生2 |
カエルとウニの発生について違いについて理解する
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5週 |
動物の発生のしくみ |
発生の研究起源について理解する
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6週 |
発生をつかさどる遺伝子 |
発生の仕組みに遺伝子が関係していることを理解する
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7週 |
植物の発生 |
被子植物の発生について理解する
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8週 |
後期中間試験 |
発生と生殖(後期1週目~7週目)について試験を行う
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4thQ |
9週 |
動物の刺激の受容と反応1 |
刺激を受けてから反応までの情報の流れは、電気信号が関係していることを理解し、反応するまでの流れを理解する
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10週 |
動物の刺激の受容と反応2 |
ニューロン間の情報伝達について理解する
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11週 |
動物の刺激の受容と反応3 |
異なる器官(舌、鼻、目)の刺激受容から反応までの経路について理解する
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12週 |
動物の刺激の受容と反応4 |
異なる器官(耳、脳、筋肉)の刺激受容から反応までの経路と、反射について理解する
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13週 |
植物の環境応答1 |
植物の環境応答について、発芽に関わる環境要因について理解する
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14週 |
植物の環境応答2 |
植物の成長において、光と重力に対するホルモンの影響について理解する
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15週 |
植物の環境応答3 |
花芽形成から落葉までの環境応答に関するホルモンの働きについて理解する
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16週 |
学年末試験 |
動植物の刺激の受容と反応(後期9週目~15週目)について試験を行う
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | ライフサイエンス/アースサイエンス | ライフサイエンス/アースサイエンス | 地球上の生物の多様性について説明できる。 | 1 | 前1 |
生物の共通性と進化の関係について説明できる。 | 1 | 前2 |
生物に共通する性質について説明できる。 | 1 | 前2 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 基礎生物 | 原核生物と真核生物の違いについて説明できる。 | 1 | 前2 |
核、ミトコンドリア、葉緑体、細胞膜、細胞壁、液胞の構造と働きについて説明できる。 | 1 | 前2 |
葉緑体とミトコンドリアの進化の説について説明できる。 | 1 | 前4 |
代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。 | 1 | 前3 |
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。 | 1 | 前3 |
光合成及び呼吸の大まかな過程を説明でき、2つの過程の関係を説明できる。 | 1 | 前4 |
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。 | 1 | 前5,前6,前7,前8 |
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。 | 1 | 前7,前8 |
染色体の構造と遺伝情報の分配について説明できる。 | 1 | 前6,前7,前8 |
細胞周期について説明できる。 | 1 | 前6,前7,前8 |
ゲノムと遺伝子の関係について説明できる。 | 1 | 前5,前7,前8 |
細胞膜を通しての物質輸送による細胞の恒常性について説明できる。 | 1 | |
フィードバック制御による体内の恒常性の仕組みを説明できる。 | 1 | 前13 |
情報伝達物質とその受容体の働きを説明できる。 | 1 | |
免疫系による生体防御のしくみを説明できる。 | 1 | 前14 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 0 | 0 | 10 | 0 | 10 | 100 |
基礎的能力 | 40 | 0 | 0 | 5 | 0 | 5 | 50 |
専門的能力 | 40 | 0 | 0 | 5 | 0 | 5 | 50 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |