化学工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 化学工学Ⅰ
科目番号 0037 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 大竹伝雄著:「化学工学概論」, 丸善.
担当教員 藤井 貴敏

到達目標

(1)層流・乱流の概念を理解し、Re数の計算やエネルギー収支の計算ができる。
(2)熱伝導および熱対流の理論を理解し、熱交換器の基本設計ができる。
(3)熱ふく射の概念を理解し、ふく射による熱伝達の計算ができる。
(4)気液平衡の概念を理解し、蒸留塔の基本的な設計をすることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
層流・乱流の概念を理解し、Re数の計算やエネルギー収支の計算ができる。適切な公式を用いて計算することができる。流体の流れの概念について説明できる。適切な公式を用いて計算をすることができる。流体の流れの概念について概ね説明できる。適切な公式を用いて計算をすることができない。
気液平衡の概念を理解し、蒸留塔の基本的な設計をすることができる。気液平衡の概念を理解し,説明することができる。蒸留の原理が説明でき,蒸留塔の理論段数を求めることができる。気液平衡の概念を理解しできている。蒸留の原理が説明でき,蒸留塔の理論段数を求めることができる。気液平衡の概念を理解しできている。蒸留塔の理論段数を求めることができない。
バッチ式と連続式反応装置について特徴や用途を理解できる。バッチ式と連続式反応装置の特徴と主な利用用途について説明できる。バッチ式と連続式反応装置の特徴と主な利用用途について概ね説明できる。バッチ式と連続式反応装置の特徴を概ね説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-4 説明 閉じる
JABEE d1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
化学工学は、化学工業、製薬工業、食品工業、エネルギー・環境工業等における化学プロセスを取り扱う上で不可欠な学問である。種々の化学プロセスでは拡散による物質移動などを伴った様々な単位操作があり、これらは化学プラント設計上重要である。本講義では、化学プラント設計の基礎となる物質移動などの移動現象論を修得し、蒸留塔などの基本的な設計法を学ぶ。
授業の進め方・方法:
覚えることよりも原理や数式の意味の理解に重点をおく。化学プロセス現象を数式化し、普遍的かつ体系的な観点から理解する。テキストは演習問題が多いものを選んだ。
オフィスアワー 木曜日放課後(昼休み、放課後には随時質問を受け付ける)。
また本科目は学修単位であるため、次のような自学自習を60時間以上行うこと。
・授業内容を理解するため、教科書を使用して予習をする
・授業で配布したプリント、板書したノート、教科書を使用して復習する
・教科書の章末問題を解く
・配布した演習問題、復習問題を解く
・定期試験の準備を行う。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 授業ガイダンス、移動現象(物質移動) ニュートンの法則について理解する。
2週 移動現象(熱移動、運動量移動) フーリエの法則,フィックの法則について理解する。
3週 流れの状態とレイノルズ数 層流乱流の概念を説明できる。レイノルズ数の計算ができる。
4週 流れのエネルギー収支 ベルヌーイの式について理解する。
5週 直管の摩擦損失 ファニングの式を用いて計算ができる。
6週 流体輸送の動力 ポンプの所用動力を計算することができる。
7週 円管内の摩擦損失 層流と乱流によるエネルギー損失の違いについて理解する。ベルヌーイの式を変形して,所用動力を計算することができる。
8週 蒸留の原理、二成分系の気液平衡 気液平衡について理解できる。
4thQ
9週 ラウールの法則、単蒸留、フラッシュ蒸留 二成分系におけるモル分率よ分圧の関係を説明できる。単蒸留とフラッシュ蒸留の違いを説明できる。
10週 蒸留塔、連続精留の原理,理論段数 連続蒸留の原理を説明できる。マッケーブシール法を用いて理論段数が計算できる。
11週 抽出 抽出の原理を理解し,三角線図を読み取ることができる。
12週 単抽出と多回抽出 三角線図を用いて単抽出で得られる抽出物の理論値を求めることができる。多回抽出の概念を理解することができる。
13週 吸着,膜分離 吸着や膜分離の原理・目的・方法を理解できる。
14週 反応装置 反応装置の違いについて説明できる。
15週 回分反応器の設計 反応装置の理論式を用いて計算ができる。
16週 後期末試験 学習のまとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野化学工学SI単位への単位換算ができる。2後3,後16
物質の流れと物質収支についての計算ができる。2後3,後16
化学反応を伴う場合と伴わない場合のプロセスの物質収支の計算ができる。2後3,後16
管径と流速・流量・レイノルズ数の計算ができ、流れの状態(層流・乱流)の判断ができる。2後1,後3,後16
流れの物質収支の計算ができる。2後1,後2,後16
流れのエネルギー収支やエネルギー損失の計算ができる。2後4,後5,後6,後7,後16
流体輸送の動力の計算ができる。2後4,後5,後6,後7,後16
蒸留の原理について理解できる。2後8,後9,後10,後16
単蒸留、精留・蒸留装置について理解できる。2後9,後16
蒸留についての計算ができる(ラウールの法則、マッケーブシール法等)。2後10,後16
基本的な抽出の目的や方法を理解し、抽出率など関係する計算ができる。2後11,後12,後16
吸着や膜分離の原理・目的・方法を理解できる。2後13,後14,後16
バッチ式と連続式反応装置について特徴や用途を理解できる。2後14,後16

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力4000001050
専門的能力2000001030
分野横断的能力200000020