概要:
工学共通の専門基礎として,力学に関する授業を実施する。質点および質点系の多様な運動や剛体の運動について,ベクトルおよび微積分の知識を活用して学習する。授業では基本問題から応用問題まで演習を多く取り入れ,物理現象を科学的に解明するための見方や考え方を養うとともに,大学の理工系学部への編入学に必要な物理学の知識と計算力を身に付けることを目標とする。
授業の進め方・方法:
教科書やスライド,プリント等を使用して基本事項を解説し,例題・演習問題を通じて考え方,解き方を確認する。
注意点:
【成績評価の基準・方法】
・試験の成績70%,平素の学習状況等(演習課題や小テスト等を含む)を30%の割合で総合的に評価する。成績評価は,各期間までの総合評価とする。学年の評価は学年末の評価とする。※ただし,遠隔授業の実施状況により、定期試験の回数などが変更になることがある。
・技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等によって評価する。
【事前・事後学習】
事前学習として,次回授業部分(事前に説明)の教科書を読んだうえで授業に臨むこと。事後学習として,授業内で提示した例題・演習問題を解き,知識の定着を図ること。課題については,他の学生とディスカッションするなどし,最終的に自分の力で解けるようになること。
【履修上の注意】
大学への編入学を目指している学生を主な対象とする。本科目を履修するにあたっては,3年生までに履修した物理Ⅰ~Ⅲ,応用物理Ⅰ,力学基礎の学習内容を理解していることが必要。
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
授業ガイダンス(成績評価方法や授業の進め方等について説明する) 力と力のつり合いについて学ぶ。 |
力のベクトル的性質を理解し、力のつり合いの式を立てることができる。
|
2週 |
速度、加速度の意味と計算方法について学ぶ。運動の法則について学ぶ。 |
座標を時間で微分して速度や加速度を求めることができる。 運動の法則を理解し、いろいろな力を受けて運動する物体の運動方程式を立てることができる。
|
3週 |
落体の運動について、運動方程式の解き方を学ぶ。 |
落体の運動について、運動方程式を解くことができる。
|
4週 |
単振動の運動方程式について学ぶ。 |
単振動の運動方程式を立てて解くことができる。
|
5週 |
等速円運動について学ぶ。速度に比例する抵抗力を受けて運動する物体の運動について学ぶ。 |
等速円運動する物体の運動を理解することができる。 速度に比例する抵抗力を受けて運動する物体の運動方程式を立てて解くことができる。
|
6週 |
仕事と運動エネルギーについて学ぶ。 |
仕事と運動エネルギーに関する計算ができる。
|
7週 |
ポテンシャルエネルギーと保存力の関係、力学的エネルギー保存則について学ぶ。 |
位置エネルギーと保存力の関係を理解し、位置エネルギーから保存力を計算することができる。 力学的エネルギー保存則について理解し、様々な物理量の計算に利用できる。
|
8週 |
総合演習 |
これまでに学んだ運動について、応用課題を解くことができる。
|
2ndQ |
9週 |
運動量と運動量保存則について学ぶ。 |
運動量保存則について理解し、様々な物理量の計算に利用できる。
|
10週 |
角運動量について学ぶ。 |
角運動量を計算し、角運動量保存則を用いて様々な物理量の計算に利用できる。
|
11週 |
慣性系と慣性の力について学ぶ。 |
慣性系の意味を理解し、慣性力を用いて物体の運動を記述できる。
|
12週 |
回転系の運動について学ぶ。 |
回転系の運動方程式を立てて解くことができる。
|
13週 |
剛体の慣性モーメントとつりあいについて学ぶ。 |
簡単な形状の剛体の慣性モーメントを計算でき、剛体のつり合いの式をたてることができる。
|
14週 |
剛体の回転運動について学ぶ。 |
剛体の簡単な回転運動について、運動方程式を立てて解くことができる。
|
15週 |
総合演習 |
これまでに学んだ運動について、応用課題を解くことができる。
|
16週 |
|
|
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 物理 | 速度と加速度の概念を説明できる。 | 3 | 前2 |
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。 | 3 | 前2 |
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。 | 3 | 前2 |
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。 | 3 | 前1 |
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。 | 3 | 前2 |
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。 | 3 | |
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。 | 3 | 前4,前15 |
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。 | 3 | 前4 |
物体に作用する力を図示することができる。 | 3 | 前1 |
力の合成と分解をすることができる。 | 3 | 前1 |
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。 | 3 | 前1 |
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。 | 3 | 前1 |
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。 | 3 | |
慣性の法則について説明できる。 | 3 | 前3 |
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。 | 3 | 前3 |
運動方程式を用いた計算ができる。 | 3 | 前4,前5 |
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。 | 3 | 前4,前5,前6 |
運動の法則について説明できる。 | 3 | |
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。 | 3 | 前1 |
最大摩擦力に関する計算ができる。 | 3 | 前1 |
動摩擦力に関する計算ができる。 | 3 | 前4 |
仕事と仕事率に関する計算ができる。 | 3 | 前7 |
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | 前7 |
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | 前8 |
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | 前8 |
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。 | 3 | 前8,前9 |
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。 | 3 | 前10 |
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。 | 3 | 前10 |
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。 | 3 | 前10 |
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。 | 3 | 前5 |
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。 | 3 | 前5 |
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。 | 3 | 前5 |
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる. | 3 | 前2 |
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | 前7 |
力のモーメントを求めることができる。 | 3 | 前14 |
角運動量を求めることができる。 | 3 | 前11 |
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。 | 3 | 前11 |
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。 | 3 | 前14 |
重心に関する計算ができる。 | 3 | 前14 |
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。 | 3 | 前14 |
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。 | 3 | 前13,前15 |