物質工学基礎実験

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 物質工学基礎実験
科目番号 0014 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 物質工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 自作テキスト/実験を安全に行うために(化学同人)
担当教員 竹中 敦司

到達目標

(1) 実験内容について理解し、手順よく実験できる。
(2) 計量、混合、加熱等の化学実験に必要な操作ができる。
(3) 基本的な書式に沿ってレポートを書くことができる。
(4) チームによるミニ卒業研究を通じて実験計画を立てることができ、プレゼンテーションで結果を説明できる。
(5) 安全な実験を行うための注意点を答えられる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1実験内容について理解し、手順よく実験できる。実験内容について理解し、ほぼ手順よく実験できる。実験内容について理解し、手順よく実験できない。
評価項目2計量、混合、加熱等の化学実験に必要な操作ができる。計量、混合、加熱等の化学実験に必要な操作がおおむねできる。計量、混合、加熱等の化学実験に必要な操作ができない。
評価項目3基本的な書式に沿ってレポートを書くことができる。ほぼ基本的な書式に沿ってレポートを書くことができる。基本的な書式に沿ってレポートを書くことができない。
評価項目4 チームによるミニ卒業研究を通じて実験計画を立てることができ、プレゼンテーションで結果を説明できる。 チームによるミニ卒業研究を通じて実験計画を立てることができ、プレゼンテーションで結果をおおむね説明できる。 チームによるミニ卒業研究を通じて実験計画を立てることや、プレゼンテーションで結果を説明できない。
評価項目5安全な実験を行うための注意点を答えられる。安全な実験を行うための注意点をほぼ答えられる。安全な実験を行うための注意点を答えられない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この授業は本校の教育目標のうち「応用力」を養う実験科目である。授業で学習した内容を、実際に体験する初めての化学実験である。計量、混合、加熱等の化学実験の基本操作、金属の定性分析、物質の定量的な取扱い,ガラス細工等の個別テーマと班別に7週間を使ってミニ卒業研究も行う。また、安全の心得、レポートの書き方を学習し、ミニ卒業研究では実験計画の立案、プレゼンテーションという応用的内容も経験する。
授業の進め方・方法:
全授業時間数の約半分を実験の説明、前回提出したレポートの総評などに充てており、実際の実験は12週である。個別実験では2名1組、または個人で行う形式を、ミニ卒業研究では4、5名の班編成をとっている。また、授業の一環として10月頃に1回地元工場へ見学にも出かけている。オフィスアワー:昼休憩または木曜日放課後
注意点:
実験の目的や内容が把握され、レポートに反映されているかを評価する。評価の内訳は、提出されたレポート点(70)+提出された実験ノート点(5)+ミニ卒業研究テーマのプレゼンテーション(15)+授業態度(10点)は授業態度である。態度の10点については、まじめに取り組んだ場合=10点、騒いだりして注意をされた場合=5点、態度について繰り返し注意をされた場合=0点とする。なお、期限内に一通でもレポートが提出されなかった場合には単位認定しない。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 講義:全般的ガイダンス、安全管理(修学ガイダンス) 安全管理を理解し、実施できる。
2週 講義:実験入門、レポートの書き方
実験説明:比重の測定
ガラス器具等の実験器具を知っている。基本的なレポートの書き方を知っている。
3週 実験:比重の測定 食塩水の比重の測定方法と比重と濃度の関係を答えらる。
4週 講義:前回レポート総評
実験説明:炎色反応
基本的なレポートが書ける。炎色反応の実験ができる知識がある。
5週 実験:炎色反応 炎色反応の色を確認し、未知試料の金属を推定できる。
6週 講義:前回レポート総評
実験説明:第1属,第2属陽イオンの分析
基本的なレポートが書ける。第1属,第2属陽イオンの分析ができる知識がある。
7週 実験:第1属陽イオンの分析 第1属陽イオンを分析できる。
8週 実験:第2属(銅属)陽イオンの分析 第2属(銅属)陽イオンを分析できる。
2ndQ
9週 講義:前回レポート総評
実験説明:ペーパークロマトグラフィー
基本的なレポートが書ける。ペーパークロマトグラフィーを用いて金属イオンが分析できる知識がある。
10週 実験:ペーパークロマトグラフィー ペーパークロマトグラフィーを用いて金属イオンが分析できる。
11週 講義:前回レポート総評
実験説明:結晶中の結晶水の定量
基本的なレポートが書ける。硫酸銅結晶中の結晶水の定量の方法を知っている。
12週 実験:結晶中の結晶水の定量 硫酸銅結晶中の結晶水を定量できる。
13週 講義:前回レポート総評
実験説明:固体と液体の分離
基本的なレポートが書ける。沈殿を作り、それを溶液と分離する方法を知っている。
14週 実験:固体と液体の分離  沈殿を作り、それをろ過等を用いて溶液と分離することができる。
15週 講義:前回レポート総評
実験説明:溶解度
基本的なレポートが書ける。溶解度とは何か、溶解度の求め方を知っている。
16週
後期
3rdQ
1週 実験:溶解度 硝酸カリウムの溶解度曲線を作成できる。
2週 講義:前回レポート総評
実験説明:中和滴定
基本的なレポートが書ける。中和滴定の原理と実験方法を知っている。
3週 実験:中和滴定 中和滴定を用いて食酢中の酢酸の量を求めることができる。
4週 工場見学 近隣のごみ処理場に見学に行き、環境について考え、レポートとして提出する。
5週 ミニ卒研:「身近なものからの電池の試作」に関する説明・情報収集・実験計画の立案 ミニ卒研のテーマに関する説明を受け、チームで情報収集・実験計画の立案を行う。
6週 ミニ卒研:「身近なものからの電池の試作」に関する説明・情報収集・実験計画の立案 ミニ卒研のテーマに関する説明を受け、チームで情報収集・実験計画の立案を行う。
7週 ミニ卒研:「身近なものからの電池の試作」 チームで「身近なものからの電池の試作」を行い、性能を評価する。
8週 ミニ卒研:「身近なものからの電池の試作」 チームで「身近なものからの電池の試作」を行い、性能を評価する。
4thQ
9週 ミニ卒研のプレゼンテーション準備 チームでミニ卒研の実験結果を整理し、プレゼンテーションの準備をする。
10週 ミニ卒研のプレゼンテーション準備 チームでミニ卒研の実験結果を整理し、プレゼンテーションの準備をする。
11週 ミニ卒研のプレゼンテーション チームでまとめたミニ卒研の実験結果をクラスでプレゼンテーションする。
12週 実験説明:ガラス細工 ガラスの基礎とガラス細工の基本について理解する。
13週 実験:ガラス細工 軟質ガラス管を用いて、L字管などの作品を製作する。
14週 ミニ卒研レポート返却と講評 ミニ卒研のレポートからレポートの書き方について、注意すべき点を答えられる。
15週 清掃とまとめ 実験室を清掃し、実験について必要な点を振り返る。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学実験化学実験レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。1前2,前4,前6,前9,前11,前13,前15,後2,後3,後14
試薬の調製ができる。1前3
代表的な無機化学反応により沈殿を作り、ろ過ができる。1前14
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】分析化学実験中和滴定法を理解し、酸あるいは塩基の濃度計算ができる。1後3
陽イオンおよび陰イオンのいずれかについて、分離のための定性分析ができる。1前7,前8
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。1後5,後6
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。1前4,前6,前9,前11,前13,前15,後2,後3,後14
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。1後5,後6,後7,後8
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。1後5,後6,後7,後8
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。1前4,前6,前9,前11,前13,前15,後2,後3,後14
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。1後5,後6,後7,後8
他者の意見を聞き合意形成することができる。1後5,後6,後7,後8
合意形成のために会話を成立させることができる。1後5,後6,後7,後8
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。1後5,後6
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。1後5,後6
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。1後5,後6
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。1後9,後10
複数の情報を整理・構造化できる。1後9,後10
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。1後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。1後9,後10
事実をもとに論理や考察を展開できる。1後9,後10
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。1後9,後10
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。1後7,後8
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。1後7,後8
目標の実現に向けて計画ができる。1後5,後6,後7,後8
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。1後5,後6,後7,後8
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。1後5,後6,後7,後8
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。1後5,後6,後7,後8
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。1後5,後6,後7,後8
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。1後5,後6,後7,後8
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。1後5,後6,後7,後8
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。1後5,後6,後7,後8
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。1後5,後6,後7,後8
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。1後5,後6,後7,後8
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている1後5,後6,後7,後8
法令やルールを遵守した行動をとれる。1前1,後4
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。1後4
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。1後5,後6,後7,後8

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合015010570100
基礎的能力000007070
専門的能力0000000
分野横断的能力0150105030