実験実習

科目基礎情報

学校 広島商船高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 実験実習
科目番号 0003 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 商船学科(機関コース) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材
担当教員 武山 哲,瀧口 三千弘,雷 康斌,大山 博史,濵田 朋起,德田 太郎,村岡 秀和,茶園 敏文,大内 一弘

到達目標

(1) 実験・実習を行うために心がけておくべき基本的な事項を認識できること。
(2) 実験・実習を安全に遂行できること。
(3) 内容を理解し、レポートを作成できること。
(4) 実験で得られた結果を分析し、考察することができること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
実験実習の目標と取り組むにあたっての心構えについて認識できる。 実験実習の目標と取り組むにあたっての心構えについて概ね認識できる。 実験実習の目標と取り組むにあたっての心構えについて認識できていない。
実験・実習に使用する機器・器具を用いて、基本的な手順をもとに安全に実験・実習を実施することができる。心構えについて概ね認識できる。 実験・実習に使用する機器・器具を用いて、安全に実験・実習を実施することができる。 実験・実習に使用する機器・器具を用いて、安全に実験・実習を実施することができない。
 実験・実習の目的・手順・成果を論理的にまとめ、評価・報告することができる。 実験・実習の目的・手順・成果を論理的にまとめることができる。 実験・実習の目的・手順・成果を論理的にまとめることができない。
 実験を実施し、得られた成果を分析し、様々な視点から成果を考察することができる。 実験を実施し、得られた成果を分析することができる。 実験を実施して得られた成果を分析することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
機関士に必要な基礎知識・技術を習得し、船内機器の運転や保守管理に活用できるようにする。そのために船舶機関及びそれに関連する実習を行う。
授業の進め方・方法:
 専門の技術を持つ教員が指導教員となり、2班に分かれ各科目3回の実習を行っていく。基本的にハードウェアの調整、整備、製作を理論的な座学を交えながら進めていくものであり、その学年に適した技術力を習得していく。なお、実習後は必ず報告書を提出し、実習内容を復習する。
注意点:
 (1)直接、ハードに触れるため安全面では最大の注意を払うこと (2)機関士として船上でのトラブルやメンテナンスに対応できるようになること。
 (3)実習後は報告書を作成し、そのハードウエアの動作原理を把握し、メンテナンスをする理由を説明できるようになること。
 

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス (1) 実験実習に取り組むに当たっての基本的な心構えについて認識できる。
(2) 実験レポートの書き方について理解できる。
(3) 実験実習を実施する際の災害防止と安全について理解できる。
2週 内燃機関工学実験 (1) 内燃機関の作動において、実物を見て、各部品の機能と構造が理解できる。
3週 内燃機関工学実験 (2) 4サイクル機関の動弁機構において、仕組みを理解し分解組み立て調整が出来る。
4週 内燃機関工学実験 (3) 内燃機関の指圧線図から、平均有効圧力を算出できる。また、同平均有効圧力から機関の出力を算出できる。加えて、指圧線図の種類を説明できる。
5週 蒸気工学実験 (1) 蒸気動力プラントの構成装置および役割について、理解できる。
(2) 蒸気ボイラおよび付属装置の構造および作動原理について、理解できる。
6週 蒸気工学実験 (3) 蒸気ボイラの安全装置について、理解できる。
7週 蒸気工学実験 (4) 蒸気ボイラの点火・運転・消火作業について確認し、安全に遂行できる。
8週 補助機械工学実験 (1) 清浄機の原理と分類及び船内における油の清浄について、理解できる。
2ndQ
9週 補助機械工学実験 (2) 燃料油の比重・粘度と反応及び残留炭素分について、理解できる。
10週 補助機械工学実験 (3) 潤滑油の引火点・流動点と中和価及び粘度指数について、理解できる。
11週 電気工学実験 (1) インピーダンスについて理解し計算から求めることができる。
12週 電気工学実験 (2) LCR直列回路、並列回路の電流、電圧を測定し計算値と比較することができる。
13週 電気工学実験 (3) リサージュ図形を測定し交流を理解することができる。
14週 機関学演習 (1) 実験実習を実施するための基本的な手順について理解できる。
15週 機関学演習 (2) 実験実習の成果をていねいにまとめることができる。
16週
後期
3rdQ
1週 材料力学・機械力学実験 (1) 引張試験から得られたデータをもとに、応力-ひずみ線図を作成することができる。
(2) ビッカースとショア硬さ試験の結果をもとに、両者の関係を図示することができる。
(3) シャルピーの衝撃試験の結果をもとに、シャルピー衝撃値を計算することができる。
(4) はりの曲げ実験データをもとに、はりの曲げ応力分布図を作成することができる。
(4) はりの曲げ実験データをもとに、はりの曲げ応力分布図を作成することができる。
2週 材料力学・機械力学実験 (2) ビッカースとショア硬さ試験の結果をもとに、両者の関係を図示することができる。
3週 材料力学・機械力学実験 (3) シャルピーの衝撃試験の結果をもとに、シャルピー衝撃値を計算することができる。
4週 計測・制御工学実験 (1) 電気テスタに用いる部品を理解できる。
(2) ハンダ付けを用いて回路を作成することができる。
5週 計測・制御工学実験 (3) 電気テスタを用いた基本的な計測をおこなうことができる。
6週 計測・制御工学実験 4) 計測においての誤差を認識理解し、計算することができる。
7週 工業力学・設計工学実験 (1) 各人が船内の各配管調査し、流体等の流れを理解できる。
8週 工業力学・設計工学実験 (2) プラントとしての配管のつながりを理解できる。 
4thQ
9週 工業力学・設計工学実験 (3) 自分が、調べた配管調査の報告を他人に理解させることができる。
10週 情報処理実験 (1) パソコンソフトを用いたレポート作成の基本的な方法について、理解できる。
11週 情報処理実験 (2) パソコンソフトを用いた実験結果の整理方法について、理解できる。
(3) パソコンソフトを用いた図の作成方法について、理解できる。
12週 情報処理実験 (4) インターネットを用いた検索方法の基本および注意点について、理解できる。
13週 機関学演習 (1) 実験実習を実施するための基本的な手順について理解できる。
14週 機関学演習 (2) 実験実習の成果をていねいにまとめることができる。
15週 機関学演習 (3) 実験で得られた結果を分析し、考察することができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。3
安全を確保して、実験を行うことができる。3
実験報告書を決められた形式で作成できる。3
有効数字を考慮して、データを集計することができる。3
力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
熱に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
電磁気に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
電子・原子に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
専門的能力分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。3
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。3
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。3
ノギスの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。3
マイクロメータの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。3
ダイヤルゲージ、ハイトゲージ、デプスゲージなどの使い方を理解し、計測できる。3
けがき工具を用いてけがき線をかくことができる。3
やすりを用いて平面仕上げができる。3
ねじ立て工具を用いてねじを切ることができる。3
アーク溶接の原理を理解し、アーク溶接機、アーク溶接器具、アーク溶接棒の扱い方を理解し、実践できる。3
アーク溶接の基本作業ができる。3
旋盤主要部の構造と機能を説明できる。3
旋盤の基本操作を習得し、外丸削り、端面削り、段付削り、ねじ切り、テ―パ削り、穴あけ、中ぐりなどの作業ができる。3
フライス盤主要部の構造と機能を説明できる。3
フライス盤の基本操作を習得し、平面削りや側面削りなどの作業ができる。3
ボール盤の基本操作を習得し、穴あけなどの作業ができる。3
NC工作機械の特徴と種類、制御の原理、NCの方式、プログラミングの流れを説明できる。3
少なくとも一つのNC工作機械について、各部の名称と機能、作業の基本的な流れと操作を理解し、プログラミングと基本作業ができる。3
加工学実験、機械力学実験、材料学実験、材料力学実験、熱力学実験、流体力学実験、制御工学実験などを行い、実験の準備、実験装置の操作、実験結果の整理と考察ができる。3
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。3
電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。3
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。3
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。3
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。3
論理回路の動作について実験結果を考察できる。3
商船系分野(機関)【実験・実習能力】実験実習実験・実習の目標と、取り組むに当たっての心構えがわかる。3
実験・実習する際の災害防止と安全確保のためにすべきことがわかる。3
レポートの作成の仕方がわかる。3
ドライバー・スパナなどの各種工具の名称、特徴などを認識し、取り扱うことができる。3
ノギズ・マイクロメータなどの各種測定器具を認識し、目盛の読み方、使い方がわかる。3
船舶に備わっている各種機器の構造と機能を説明できる。3
消火設備の種類、消火方法など船内火災に関する基本知識を習得している。3
船舶を安全運航するにあたって注意すべき事項および心構えについて認識し、作業ができる。3
整列及び人員確認、敬礼方法等、集団行動の基本を理解し、実践できる。3
端艇の各部名称及び漕艇号令を理解し、号令に従った操作をすることができる。3
基本的なロープワークを習得し、実際に結ぶことができる。3
火災の種類とその性質について説明できる。3
各種消火器及び消火ホースを使用して、初期消火をすることができる。3
持運び式消火器に消火剤を充填することができる。3
船舶遭難時の生存維持の条件について説明できる。3
船舶に備え付けられている救命設備の使用方法について説明できる。3
非常事態を想定した船外への離脱を実践することができる。3
心肺停止者の発見からAEDを使用した心肺の蘇生を実施することができる。3
内燃機関実験、蒸気工学実験、補助機械工学実験、電気工学実験、制御工学実験、材料力学実験、機械力学実験、設計工学実験などを行い、実験装置の操作、実験結果の整理・考察ができる。3
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合04500401095
基礎的能力0150015535
専門的能力0150015535
分野横断的能力015001025