卒業研究

科目基礎情報

学校 広島商船高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 卒業研究
科目番号 0046 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実習 単位の種別と単位数 履修単位: 6
開設学科 商船学科(機関コース) 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 6
教科書/教材 教科書は使用しない。参考書は各研究室のテーマに関わった参考書および研究論文を使用する。
担当教員 武山 哲,瀧口 三千弘,雷 康斌,大山 博史,濵田 朋起,村岡 秀和,茶園 敏文,大内 一弘,片平 卓志

到達目標

(1) 自主的に新しい情報や知識を習得し、課題への継続的な取り組みができる。
(2) 研究の目的を理解し、実験を計画・遂行し、結果を整理して解析できる。
(3) 研究の目的・方法・結果・考察・結論等をまとめて論文が作成できる。
(4) 研究成果の資料を作成して発表し、説明することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1卒業研究を遂行するに当たっての心構えについて認識できる。卒業研究を遂行するに当たっての心構えについて概ね認識できる。卒業研究を遂行するに当たっての心構えについて認識できていない。
評価項目2各研究室に所有されている機器・器具を用いて、基本的な手順をもとに安全に研究を実施することができる。各研究室に所有されている機器・器具を用いて、安全に研究を実施することができる。各研究室に所有されている機器・器具を用いて、安全に研究を実施することができない。
評価項目3研究の目的を理解して研究を遂行し、得られた成果を順序立ててていねいに整理することができる。研究の目的を理解して研究を遂行し、得られた成果を整理することができる。研究の目的を理解せずに研究を遂行したうえに、得られた成果を整理することができない。
評価項目4研究の目的・手順・成果を論理的にまとめ、評価・報告することができる。研究の目的・手順・成果をまとめることができる。研究の目的・手順・成果をまとめることができない。
評価項目5得られた成果を分析し、研究成果の妥当性を評価・考察するとともに、評価結果をもとに研究計画を再構築することができる。得られた成果を分析し、研究成果の妥当性を評価・考察することができる。得られた成果から、研究成果の妥当性を評価・考察することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
文献調査、研究計画、実験の実施および結果の解析と考察を通して、専門的知識・技術を習得・活用してものやシステムを造る能力、および習得した技術をもとに問題点を発見してその解決策を計画・実現する能力、ならびに研究成果をまとめて発表して説明する能力を身につけることを目的とする。
 学生は各研究室に配属され、担当教員による個人指導を受け、学年末に卒業論文を提出するとともに研究成果を発表する。
 本科目は、5年間の集大成であり、実験実習をはじめとして全ての専門科目と関連する。
授業の進め方・方法:
(1)週6時間~8時間、各研究室において、本科生の設定した卒業研究テーマに沿った文献調査、実験、数値計算を行い、最終的に卒業論文としてまとめる。
(2)1年を通じて、研究を行うが、中間期に中間発表を行うとともに、期末には最終発表として、各自論文発表を行い、全教員評価がその内容を評価する。
(3)所定の時期に卒業論文として作成し、各研究室教員の確認を得るとともに、各教員で内容を判断し学術的に論文と認められるもののみ卒業論文として承認さ   れる。
注意点:
(1)卒業論文は高等専門学校4年間の学習内容を基盤として、最終学年1年間の研究内容の成果を個々人が提出するものである。
(2)従って、卒業論文は指導教官の助言のもと、本科生各自が高等専門学校教育の集大成として、自覚をもって作成しなければならない。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
(研究テーマ紹介、研究室配属決定)
(1) 研究テーマを決定し、研究を遂行するに当たっての基本的な心構えについて認識できる。
(2) 研究の目的を理解し、問題解決のための研究方針を計画・立案することができる。
(3) 研究に関する情報や知識を積極的に習得することができる。
2週 以下に各研究室の到達目標を記述する。よって左記の週とは異なるので注意のこと
3週 武山研究室 (1)ディーゼル機関を適切に始動、運転させることができる。
(2)同状態から、出力、燃費、排気成分を測定することが出来る。
(3)上記実験データから、最も適した運転パラメータ(噴射圧力、噴射時間等)が、どの領域にあるかを予測できる。
(4)(3)の予測がどのような物理現象によるものか説明できる。
4週 瀧口研究室 (1) 運動・振動問題に興味関心を持ち、その基本的事項について理解・説明できる。
(2) (1)に関連したテーマを設定し、運動方程式をたて、シミュレーションすることができる。
(3) (1)に関連した学習用教材を開発することができる。
(4) 研究成果を考察し、まとめることができる。
5週 大山研究室 (1)放射線の性質を理解し船舶での放射性廃棄物、核燃料輸送に際しての安全性確保についての問題を理解できる。
(2)放射線に関する測定又は、シミュレーションを計画的に実行することができる。
(3)研究の成果を考察し、論理的にまとめることができる。
6週 雷研究室 (1) 環境保護や省エネルギーの視点から流体機械等の流れ場を実験とシミュレーション手法より研究する目的を理解し、解決に必要な実験と計算を計画し、遂行することができる。
(2) タービンポンプの性能曲線やオリフィスの流量係数の特性評価について、必要な実験を計画し、遂行することができる。
(3) 研究の成果を考察し、論理的にまとめることができる。
7週 濵田研究室 (1) 「高粘性流体中に存在する単一気泡・固体粒子の壁面付近における運動特性」について、研究の目的を理解し、問題解決に必要な実験を計画し、遂行することができる。
(2) 「実験用蒸気タービンの作動特性」について、研究の目的を理解し、問題解決に必要な実験を計画し、遂行することができる。
(3) 研究の成果を考察し、論理的にまとめることができる。
8週 村岡研究室 (1) 「小型船舶の離脱装置」について、その用途を理解し、装置の設計製作とその実験をおこなうことができる。
(2) 「センサとマイコンをスポーツタイマ」について、マイコンを用いた回路や周辺機器の製作とその実験をおこなうことができる。
(3) 「ドローンを用いた離島映像撮影」について、正しくドローンを活用することができる。
2ndQ
9週 片平研究室 (1) 「船体外板の簡易評価方法」に関する研究の目的を理解し、問題解決に必要な実験を計画し、遂行することができる。
(2) 「金属接着板の変形解析」に関する研究の目的を理解し、問題解決に必要な実験を計画し、遂行することができる。
(3) 研究の成果を考察し、論理的にまとめることができる。
10週 卒業研究発表 (1) 研究の目的を理解し、研究方針・成果を論理的にまとめ、発表することができる。
(2) 研究で得られた成果を分析し、考察することができる。
(3) 研究内容を、聴講者に分かりやすいようにプレゼンテーションできる。
11週
12週
13週
14週
15週
16週
後期
3rdQ
1週
2週
3週
4週
5週
6週
7週
8週
4thQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3
他者の意見を聞き合意形成することができる。3
合意形成のために会話を成立させることができる。3
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3
複数の情報を整理・構造化できる。3
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3
事実をもとに論理や考察を展開できる。3
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。3
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。3
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。3
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。3
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。3
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。3
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。3
企業には社会的責任があることを認識している。3
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。3
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。3
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。3
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。3
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。3
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。3
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。3
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合030005515100
基礎的能力0100015530
専門的能力0100020535
分野横断的能力0100020535