蒸気工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 広島商船高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 蒸気工学Ⅰ
科目番号 0061 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 商船学科(機関コース) 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「ターボ動力工学」 (刑部 真弘 著 海文堂)
担当教員 濵田 朋起

到達目標

(1) 蒸気動力プラントを説明できる。
(2) 蒸気の性質について説明できる。
(3) ボイラの種類および構造、ならびに性能について説明できる。
(4) ボイラ関連装置の構造および作用について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 蒸気動力プラントの基本的な構成要素と作動原理について説明できる。 蒸気動力プラントの基本的な構成要素と作動原理について概ね理解できる。 蒸気動力プラントの基本的な構成要素について認識できない。
評価項目2 蒸気の性質および状態変化に関連する事項について説明できる。 蒸気の性質および状態変化について、概ね理解できる。 蒸気の性質および状態変化について認識できない。
評価項目3 ボイラの種類および構造に関連する事項について、その特徴ならびに性能について説明できる。 ボイラの種類および構造について、概ね理解できる。 ボイラの種類および構造について認識できない。
評価項目4 ボイラに関連する各種付属装置に関連する事項について、構造と特徴、ならびにその効用について説明できる。 ボイラに関連する各種付属装置の構造について、概ね理解できる。 ボイラに関連する各種付属装置について認識できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 この授業では、得られた知識・技術を活用して、機器を製作する、あるいはプラントを運用管理するための基礎能力を習得することを目指します。
 蒸気動力プラントを構成する各種工業機器のうち、本講義では特に「ボイラ」に着目し、ボイラの構造および作動原理、性能、ならびに付属設備の構造および関連事項に関する基礎的な知識・技術について学習します。
授業の進め方・方法:
  シラバスの項目に沿った講義および演習問題を組み合わせて行います。また必要に応じて、資料を配付します。
注意点:
(1) ノートを整理し、配付した資料はなくさないようにしてください。
(2) 講義、試験には電卓を持参してください。
(3) シラバスの項目・内容を確認して、教科書・参考書などで予習をしておいてください。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 蒸気動力プラントの概要 蒸気動力プラントの構成要素と概要について説明できる。
2週 蒸気の性質 蒸気の蒸発現象について説明できる。
3週 蒸気の性質 蒸気の状態変化について説明できる。
4週 蒸気の性質 蒸気表および蒸気線図より、蒸気の状態(性質)を説明できる。
5週 蒸気ボイラの種類と構造 ボイラの種類について説明できる。
6週 蒸気ボイラの種類と構造 丸ボイラの種類および構造、ならびに特徴について説明できる。
7週 蒸気ボイラの種類と構造 主ボイラと補助ボイラの違いについて説明できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 二胴D型水管ボイラの構造と作用 二胴D型水管ボイラの構成要素について説明できる。
10週 二胴D型水管ボイラの構造と作用 二胴D型水管ボイラの種類および構造、ならびに特徴について説明できる。
11週 二胴D型水管ボイラの構造と作用 二胴D型水管ボイラの水循環について説明できる。
12週 ボイラ関連装置の構造および作用 過熱器、節炭器、空気予熱器の構造および特徴について説明できる。
13週 ボイラ関連装置の構造および作用 その他ボイラ関連装置の構造および特徴について説明できる。
14週 ボイラ関連装置の構造および作用 ボイラの自動制御装置、安全装置について説明できる。
15週 学年末試験
16週 学年末試験答案返却・解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。3前3,前4
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。3前3,前4
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。3前3,前4
熱機関の熱効率に関する計算ができる。3前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体流体の性質を表す各種物理量の定義と単位を理解し、適用できる。3前11
絶対圧力およびゲージ圧力を説明できる。3前11
熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。3前12,前13
サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる。3前1
サイクルをT-s線図で表現できる。3前1
商船系分野(機関)蒸気工学蒸気動力プラントを構成する要素とそれぞれの機能について、説明できる。3前1,前5,前7,前10,前12,前13,前14
蒸気動力プラント内部を流動する作動流体の循環について説明できる。3前1,前2,前11
伝熱工学熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。3前2,前3
エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。3前2,前3
熱力学の第一法則および熱力学の第二法則を説明できる。3前3
カルノーサイクルの状態変化を認識し、熱効率を計算できる。3前3
エントロピーの定義を学び、エントロピーの変化について説明できる。3前3
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。3前2
定容比熱、定圧比熱、比熱比について認識し、それらの計算ができる。3前3
等圧変化、等容変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化について説明できる。3前3
水の等圧蒸発過程について説明できる。3前2
蒸気の状態量を、蒸気表および蒸気線図から読み取ることができる。3前4
伝熱の基本形態を理解し、各形態における熱移動過程について説明できる。3前2
ボイラの種類および構造、ならびに特徴について説明できる。3前5,前6,前7,前9,前10
ボイラに付属している各種関連機器の構造と作用について認識し、取り扱うことができる。3前5,前9,前10,前12,前13
ボイラに関する諸性能(ボイラ効率など)について認識し、それらを用いた計算ができる。3前5,前11
ボイラおよび関連装置を取り扱うに当たっての基本的な注意点について説明できる。3前5,前9,前10,前12,前13
ボイラの自動制御およびボイラ水管理について説明できる。3前5,前11,前14
ボイラおよび関連装置の損傷およびその原因を認識し、その対策について説明できる。3前5,前10,前12,前13,前14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合700002010100
基礎的能力3000010545
専門的能力3000010040
分野横断的能力100000515