到達目標
本科目は、機械装置における機械要素の理想的な配列や形及び運動伝達法を学習し、ロボットや自動車などに組み込まれている機構、すなわちメカニズムの部分について学習する。機械を設計し製作するために必要な機構の基礎事項を理解する。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 機構における運動について、 「機械の定義」、「機械の構成」、「機械の運動」「運動の種類と瞬間中心」、「運動の伝達の法則」を用いて機構の応用が出来る。 | 機構における運動について、 「機械の定義」、「機械の構成」、「機械の運動」「運動の種類と瞬間中心」、「運動の伝達の法則」の説明が出来る。 | 機構における運動の基本的な事柄の説明が出来ない。 |
評価項目2 | リンク装置について、複雑なリンク機構について応用出来る。 | リンク装置について、 「四節回転連鎖」、「すべり子回転連鎖」、「二重すべり子回転連鎖」、「球面四節回転連鎖」について説明が出来る。 | リンク装置について、基本的な説明が出来ない。 |
評価項目3 | カム装置について、応用が出来る。 | カム装置について、単純なカム機構の設計が出来る。 | カム装置について、基本的な説明とカムの設計が出来ない。 |
評価項目4 | 摩擦伝道装置について、応用ができる。 | 摩擦伝道装置について、基本的な摩擦車の説明と計算ができる。 | 摩擦伝道装置について、基本的な摩擦車の説明と計算が出来ない。 |
評価項目5 | 歯車装置について、歯車の設計及び中心固定歯車、遊星歯車列の計算と応用設計ができる。 | 歯車装置について、基本的な歯車の設計及び中心固定歯車、遊星歯車列の計算ができる。 | 歯車装置について、基本的な歯車の説明及び中心固定歯車、遊星歯車列の計算が出来ない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
本科目は、機械装置における機械要素の理想的な配列や形及び運動伝達法を学習し、ロボットや自動車などを構成している機構、すなわちメカニズムの部分について学習する。機械を設計し製作するために必要な機構の基礎事項を理解する。講義内容は、機構における運動、リンク装置、カム装置、摩擦伝道装置、歯車装置に関するものである。
授業の進め方・方法:
機構学は、機械を構成している個々の機械要素の形や、その組み合わせ方、およびそれらの相互間の相対運動について研究する機械工学系の科目である。機械を設計開発するにあたり必ず必要となる基礎科目である。
注意点:
身の回りには多くの機構がある。自転車一つとってもペダルの回転、チェーンを介した後輪の回転、ハンドルの回転、ブレーキなど多くの機構・メカニズムから構成される。日頃より機械的な動きに注目し、よく観察する習慣をつけること。予習復習は必ず行い、基本的なことは理解し修得すること。
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
総論 |
機械の動きを理解するためには、機械を構成している各部とそれらの相互の動き、すなわち機械を構成している基礎的な機構の運動を知る。
|
2週 |
機構における運動 (1)機械の定義 |
「機械の定義」、「機械の構成」について説明できる。
|
3週 |
機構における運動 (1)機械の定義
|
「機械の運動」について説明できる。
|
4週 |
機構における運動 (2)ねじ機構
|
「機械の運動」について説明し平面運動、円運動のモデルについて解析できる。
|
5週 |
機構における運動 (2)ねじ機構
|
「運動の種類と瞬間中心」、「運動の伝達の法則」、「ねじ機構」について説明しねじを応用した増力モデルについて計算できる。
|
6週 |
リンク装置 (1)連鎖と機構 |
機構のメカニズムとして以下の重要なリンク機構を学習し、運動伝達の特徴と応用例を説明できる。 「四節回転連鎖」、「すべり子回転連鎖」、「二重すべり子回転連鎖」、「球面四節回転連鎖」について説明出来る。
|
7週 |
リンク装置 (2)4つのまわり対偶よりなる機構 |
機構のメカニズムとして以下の重要なリンク機構を学習し、運動伝達の特徴と応用例を説明できる。 「四節回転連鎖」、「すべり子回転連鎖」、「二重すべり子回転連鎖」、「球面四節回転連鎖」について説明出来る。
|
8週 |
リンク装置 (3)スライダクランク機構 |
機構のメカニズムとして以下の重要なリンク機構を学習し、運動伝達の特徴と応用例を説明できる。 「四節回転連鎖」、「すべり子回転連鎖」、「二重すべり子回転連鎖」、「球面四節回転連鎖」について説明出来る。
|
2ndQ |
9週 |
リンク装置 (4)平行運動機構、直線運動機構 |
機構のメカニズムとして以下の重要なリンク機構を学習し、運動伝達の特徴と応用例を説明できる。 「四節回転連鎖」、「すべり子回転連鎖」、「二重すべり子回転連鎖」、「球面四節回転連鎖」について説明出来る。
|
10週 |
リンク装置 (5)その他の機構 |
機構のメカニズムとして以下の重要なリンク機構を学習し、運動伝達の特徴と応用例を説明できる。 「四節回転連鎖」、「すべり子回転連鎖」、「二重すべり子回転連鎖」、「球面四節回転連鎖」について説明出来る。
|
11週 |
カム装置 (1)カム伝動 |
カムの作用・種類について説明し、カムの設計製作ができる。
|
12週 |
カム装置 (2)カムの種類 |
カムの作用・種類について説明し、カムの設計製作ができる。
|
13週 |
カム装置 (3)カム変位線図 |
カムの作用・種類について説明し、カムの設計製作ができる。
|
14週 |
カム装置 (4)カムの輪郭 |
カムの作用・種類について説明し、カムの設計製作ができる。
|
15週 |
期末試験 |
これまでの学習内容について達成度を確認する。
|
16週 |
答案返却 |
答案を確認し学習内容の完全な把握を目指す。
|
後期 |
3rdQ |
1週 |
摩擦伝道装置 (1)転がり接触について |
転がり接触について説明できる。
|
2週 |
摩擦伝道装置 (2)転がり接触をする従節の輪郭 |
転がり接触をする従節の輪郭について説明できる。
|
3週 |
摩擦伝道装置 (3)速度比-速度比が一定の場合 |
速度比-速度比が一定の場合について説明でき、速度比が計算できる。
|
4週 |
摩擦伝道装置 (4)速度比-速度比が一定でない場合 |
速度比-速度比が一定でない場合について説明でき、速度比が計算できる。
|
5週 |
摩擦伝道装置 (5)摩擦車 |
摩擦車について説明でき、そのモデルの計算ができる。
|
6週 |
摩擦伝道装置 (6)変速摩擦伝動装置 |
変速摩擦伝動装置について説明でき、そのモデルの計算ができる。
|
7週 |
歯車装置 (1)すべり接触、歯形曲線、歯車の種類 |
すべり接触、歯形曲線、歯車の種類について説明できる。
|
8週 |
歯車装置 (2)歯車各部の名称と寸法、 |
歯車各部の名称と寸法について説明できる。
|
4thQ |
9週 |
歯車装置 (3)インボリュート歯型のかみ合い |
インボリュート歯型のかみ合いについて説明できる。
|
10週 |
歯車装置 (4)かみ合い率、干渉と切下げ |
かみ合い率、干渉と切下げについて説明でき、計算できる。
|
11週 |
歯車装置 (5)歯車伝動、速度比、伝達力、トルク |
歯車伝動、速度比、伝達力、トルクについて説明でき、計算できる。
|
12週 |
歯車装置 (6)変速歯車装置 |
変速歯車装置について説明できる。
|
13週 |
歯車装置 (7)歯車列とその応用 |
歯車列とその応用について説明できる。
|
14週 |
歯車装置 (8)差動歯車列 |
差動歯車列について説明でき、計算できる。
|
15週 |
期末試験 |
これまでの学習内容について達成度を確認する。
|
16週 |
答案返却 |
答案を確認し学習内容の完全な把握を目指す。
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 機械設計 | 歯車の種類、各部の名称、歯型曲線、歯の大きさの表し方を説明できる。 | 3 | |
すべり率、歯の切下げ、かみあい率を説明できる。 | 3 | |
標準平歯車と転位歯車の違いを説明できる。 | 3 | |
標準平歯車について、歯の曲げ強さおよび歯面強さを計算できる。 | 3 | |
歯車列の速度伝達比を計算できる。 | 3 | |
リンク装置の機構を理解し、その運動を説明できる。 | 3 | |
代表的なリンク装置の、変位、速度、加速度を求めることができる。 | 3 | |
カム装置の機構を理解し、その運動を説明できる。 | 3 | |
主な基礎曲線のカム線図を求めることができる。 | 3 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 80 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |