機械力学II

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 機械力学II
科目番号 0094 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械知能システム工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「機械力学」 小寺・矢野共著 森北出版
担当教員 柿ヶ原 拓哉

到達目標

1.ラグランジュ方程式による運動方程式の導出,変位等の一般解を求めることができる.
2.1自由度線形系において,調和運動,減衰自由振動,強制変位による振動が理解できる.
3.2自由度線形系における,連成振動,非減衰自由振動,強制振動が理解できる.
4.多自由度線形系における,連成振動,非減衰自由振動,強制振動が理解できる.
5.様々な振動系について,その役割と実際にどのような場面で用いられるのか理解できる.(学修単位)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安(可)
ラグランジュ方程式による運動方程式の導出,変位等の一般解を求めることができる.ラグランジュ方程式による運動方程式の導出,変位等の一般解を十分に理解して求めることができる.ラグランジュ方程式による運動方程式の導出,変位等の一般解を概ね理解して求めることができる.ラグランジュ方程式による運動方程式の導出,変位等の一般解の理解が不足している.
1自由度線形系において,調和運動,減衰自由振動,強制変位による振動が理解できる.1自由度線形系において,調和運動,減衰自由振動,強制変位による振動が十分に理解できる. 1自由度線形系において,調和運動,減衰自由振動,強制変位による振動を概ね理解できる. 1自由度線形系において,調和運動,減衰自由振動,強制変位による振動の理解が不足している.
2自由度線形系における,連成振動,非減衰自由振動,強制振動が理解できる.2自由度線形系における,連成振動,非減衰自由振動,強制振動が理解できる.2自由度線形系における,連成振動,非減衰自由振動,強制振動が概ね理解できる.2自由度線形系における,連成振動,非減衰自由振動,強制振動の理解が不足している.
多自由度線形系における,連成振動,非減衰自由振動,強制振動が理解できる.多自由度線形系における,連成振動,非減衰自由振動,強制振動が理解できる.多自由度線形系における,連成振動,非減衰自由振動,強制振動が概ね理解できる.多自由度線形系における,連成振動,非減衰自由振動,強制振動の理解が不足している.
弦の振動を理解できる.弦の振動について,時間と座標の2つの変位を持つことを理解し,説明できる.波動方程式を解くことができる.波動方程式を解くことができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 3-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
これまで学んだ数学,物理を基に,機械系技術者に不可欠な機械力学の知識を身につける.まず,基本的な機械の力学,振動学等の基礎的事項を学ぶ.さらに,数多くの演習問題に取組み,それらを機械運動の解析に利用する実際的な方法について学ぶ.
授業の進め方・方法:
教科書を中心に行い,適宜,演習を行う.評価は達成目標(項目1~5)についての達成度によって判断する.
特に達成目標5は学修単位を満たすための自学自習の評価に関わる項目であり,各自でレポートを作成してもらい,そこから評価する.

〇自学について
(事前学習)
授業計画の授業内容および到達目標を確認の上,教科書の該当箇所に目を通しておくこと。
(事後学習)
授業中の説明や配布資料を参考に,指定した教科書の演習問題や,
配布した課題プリントに取り組むことで,学んだことの理解を深め,
学んだ内容の実践力を養うこと。

またレポート課題は学修単位を満たす自学自習を行っているのかの確認も含んでいる.
そのため,提出締切の直前に急いで取り組むのではなく,余裕をもって挑み,
分からないところがあれば,学友や教員に質問を行い,着実に理解を深めること.
注意点:
教科書をよく読み,例題,演習問題を自分で解くこと.授業の日に1時間程度の復習が効果的である.定期試験毎の定着を目指した自学自習を望む.講義後は、①要点をノートに整理してまとめ、②教科書や図書館の参考書を読み、③演習問題等を解いて内容の深い理解に努めること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 機械における振動学概説 機械振動の基本構成、及びモデルによる検討の基礎を理解する
2週 1自由度系の不減衰振動 1自由度系の不減衰振動について理解する
3週 1自由度系の不減衰自由振動 1自由度系の不減衰振動について,初期条件により振動が定まることを理解する
4週 1自由度系の減衰振動と減衰自由振動 1自由度系の減衰自由振動および非減衰振動との差異を理解する
5週 調和外力による不減衰強制振動 調和外力による不減衰強制振動について理解する
6週 調和外力による減衰強制振動 調和外力による減衰強制振動について理解する
7週 調和変位による不減衰,減衰強制振動 調和変位による不減衰,減衰強制振動について理解する
8週 後期中間試験
4thQ
9週 周期外力,周期変位による不減衰強制振動,減衰強制振動 周期関数がフーリエ変換により調和関数の和になることを理解し,実践する
10週 2自由度系の減衰固有振動と強制振動 2自由度系の減衰固有振動と強制振動について理解する
11週 固有ベクトルとモード行列 固有ベクトルとモード行列について理解する
12週 ラグランジュ方程式の導出と応用 ラグランジュ方程式の導出と応用について理解する。
13週 弦の振動(連続体の振動) 弦の振動(連続体の振動)について理解する
14週 棒,梁の振動(連続体の振動) 棒,梁の振動(連続体の振動)について理解する
15週 後期定期試験
16週 期末試験の返却と解説及び後期のまとめ 期末試験返却とその解説を行い、これまでの学習内容を十分に理解する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。4後1,後2,後3
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。4後1,後2,後3
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。4後12
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。4後12
運動量および運動量保存の法則を説明できる。4後1,後2,後3
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。4後2,後3
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。4後2,後3
振動の種類および調和振動を説明できる。4後5,後6,後7,後9,後10,後11
不減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4後3,後10,後11
減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4後4,後10,後11
調和外力による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4後6,後7,後9,後10,後11
調和変位による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4後7,後9

評価割合

試験課題合計
総合評価割合7030100
基礎的能力40040
専門的能力303060
分野横断的能力000