計算力学Ⅰ

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 計算力学Ⅰ
科目番号 0115 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械知能システム工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「SOLIDWORKSでできる設計者CAE 3D CAD+CAEで設計力を養え」水野操著、日刊工業新聞社
参考書:「SOLIDWORKSによるCAE教室 - 構造解析/振動解析/伝熱解析 -」篠原主勲著、コロナ社
参考書:「SOLIDWORKSではじめる 応力・熱・流体シミュレーション SOLIDWORKS Simulation/Flow Simulation入門」八戸俊貴・若嶋振一郎・伊藤一也共著、森北出版
参考書:「この部品はこうやって解析する! SolidWorksでできる設計者CAE」水野操著、日刊工業新聞社
参考書:「図解入門よくわかる 最新 有限要素法の基本と仕組み」岸正彦著、秀和システム
参考書:「基礎塑性加工学(第3版)」川並高雄・関口秀夫・齊藤正美・廣井徹磨 編著、大賀喬一・小林政教・仲町英治・片岡征二・筒井佳子 著、森北出版
担当教員 田中 裕一

到達目標

1.有限要素法の解析手順を説明できる。
2.有限要素法のプリプロセッシング(前処理)とポストプロセッシング(後処理)を行うことができる。
3.有限要素法と材料力学の関係について説明できる。
4.多軸応力の意味や塑性力学の基本概念を説明できる。
5.マトリクス計算の基礎を理解し、有限要素法に適用できる。
6.剛性マトリクスを理解できる。重ね合わせの原理の理解と荷重・拘束の境界条件を処理できる。
7.SolidWorks Simulation、Scilabを使って、有限要素法解析をできる。
8.設定による解析結果の変化や材料力学を使った検証の方法のいくつかを理解し、検証できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
有限要素法の解析手順有限要素法の解析手順を具体的に説明できる。有限要素法の解析手順を概ね説明できる。有限要素法の解析手順を全く説明できない。
プリプロセッシングとポストプロセッシングプリプロセッシングとポストプロセッシングを具体的に説明できる。プリプロセッシングとポストプロセッシングを行うことができる。プリプロセッシングとポストプロセッシングを理解できない。
有限要素法と材料力学有限要素法と材料力学の関係について具体的に説明できる。有限要素法と材料力学の関係について概ね説明できる。有限要素法と材料力学の関係について全く説明できない。
組合せ応力・塑性力学多軸応力の意味や塑性力学の基本概念を具体的に説明できる。多軸応力の意味や塑性力学の基本概念を概ね説明できる。多軸応力の意味や塑性力学の基本概念を全く説明できない。
マトリクス計算マトリクス計算の意味を解説できる。マトリクス計算の基礎を理解し、有限要素法に適用できる。マトリクス計算の基礎を理解できない。
剛性マトリクス剛性マトリクスを説明できる。重ね合わせの原理の説明と荷重・拘束の境界条件を処理できる。剛性マトリクスを説明できる。重ね合わせの原理の説明と荷重・拘束の境界条件を処理できる。剛性マトリクスを理解できない。
有限要素法解析任意のモデルに対して、有限要素法解析をできる。SolidWorks Simulation、Scilabを使って、有限要素法解析をできる。有限要素法解析をできない。
検証設定による解析結果の変化や材料力学を使った検証を解説できる。材料力学を使った検証の方法のいくつかを理解し、検証できる。材料力学を使った検証を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 3-3 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 6-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
CADの中には、基本的なCAEの機能を備えているものが増えてきました。CADと連携したCAEソフトウェアの使い勝手自体は良くなっており、端末の性能も上がっています。一方で、CAEがCADを使う設計者に広く受け入れられているかというと、まだそこまでは行っていません。本科目では、基本的な応力解析に焦点を当て、材料力学や有限要素法の基本的な知識とリンクさせながら、機械的な荷重と強制変位を原因として発生する応力に対してどのように対処するのかを学びます。企業からの課題を優先して取り組みます。
授業の進め方・方法:
ICT演習室で実施します。SolidWorks Simulation及びオープンソースの数値計算システムであるScilabを使います。個人の端末に、SolidWorks及びScilabをインストールすることを勧めます。前半は基本的な内容の習得に努め、後半は企業からの課題を優先して取り組んでもらいます。
Scilab Home page https://www.scilab.org/
注意点:
〇自学について
60時間の授業以外の学修(自学自習)が必要です。
(事前学習)
授業計画及びTeamsのチャネルで進捗を確認し、教科書の該当箇所に目を通しておくと良い。
(事後学習)
復習と宿題をすることを心掛け、WebClassで出席と成績を確認すること。

実際に、有限要素法解析を行い、課題にも取り組んでもらうため、授業時間外の取り組みが不可欠です。教科書を持参し、自主的に取り組む姿勢が求められます。「試験」と「課題」で評価します。課題の締切を必ず守って下さい。遅れた場合、減点されることがあります。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション
環境確認
企業からの課題について
企業からの課題について理解する
2週 有限要素法とは
プリプロセッシング、ポストプロセッシング
有限要素法の解析手順
有限要素法の基礎
有限要素法の解析手順を説明できる
プリプロセッシングおよびポストプロセッシングをできる
有限要素法と材料力学の関係について説明できる
3週 有限要素法と応力 引張試験と材料強度、破断様相、応力の表現方法を説明できる
4週 Scilabによるトラスの有限要素法解析演習 Scilabによる有限要素法解析プログラムを実行する
5週 Scilabによるトラスの有限要素法解析演習(境界条件処理含む)
有限要素法におけるベクトルとマトリクス
剛性マトリクスとは何か
重ね合わせの原理
Scilabによる有限要素法解析プログラムの境界条件を処理できる
剛性マトリクスを説明できる
重ね合わせの原理を説明できる
6週 解析結果の見方
コンター図とその扱い方
メッシュ
多軸応力の意味や塑性力学の基本概念を説明できる
コンター図とその扱い方を説明できる
メッシュについて説明できる
7週 線形解析と非線形解析
ソリッド以外の要素活用
線形解析と非線形解析を説明できる
ソリッド以外の要素も活用できる
8週 前期中間試験 1stQの内容の定着度確認
2ndQ
9週 答案返却・解説
ソリッド以外の要素活用
ソリッド以外の要素も活用できる
10週 様々な応力軽減手段(企業からの課題を優先して取り組む) 様々な応力軽減手段を活用できる
11週 様々な応力軽減手段(企業からの課題を優先して取り組む) 様々な応力軽減手段を活用できる
12週 様々な応力軽減手段(企業からの課題を優先して取り組む) 様々な応力軽減手段を活用できる
13週 様々な応力軽減手段(企業からの課題を優先して取り組む) 様々な応力軽減手段を活用できる
14週 実例で学ぶ設計検証(企業からの課題を優先して取り組む) 設計検証課題に取り組むことができる
15週 設計検証課題 設計検証課題を提出する
16週 まとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野設計製図CADシステムの役割と基本機能を理解し、利用できる。4前1,前2,前6
力学荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。4前3,前4,前5,前6
応力とひずみを説明できる。4前3,前4,前5,前6
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。4前3,前4,前5,前6
許容応力と安全率を説明できる。4前3,前6,前7
引張荷重や圧縮荷重が作用する棒の応力や変形を計算できる。4前3,前4,前5,前6
多軸応力の意味を説明できる。4前3,前6
工作降伏、加工硬化、降伏条件式、相当応力、及び体積一定則の塑性力学の基本概念が説明できる。4前3
材料引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。4前3

評価割合

試験課題合計
総合評価割合5050100
基礎的能力000
専門的能力5050100
分野横断的能力000