概要:
我々の身の周りには様々な物質があり、工学分野においては材料の性質を正確に把握して、それぞれの場面に適した物質を利用する必要があるため、物質に関する知識は必須のものである。基礎化学では、技術者としてはもちろん、一般教養としても欠かせない、基礎的な化学知識を学び,基礎力を養うことで,2年次以降に設置されている専門科目に取り組める力をつける。実験は物質工学基礎実験では行わないテーマに取り組み,化学現象についての理解を深める。身近な化学物質の性質を知り、これらが自然環境へ及ぼす影響を考えることで、環境化学分野での倫理力も養いたい。
授業の進め方・方法:
座学が中心となるが、理解を深めるため、授業時間の2割程度を演習にあてる。さらに4回の学生実験により実際の化学現象を観察し,実験結果をプリントに記入し,レポートとして提出する.定期試験以外に4回小テストを行い,理解力を養う.オフィスアワーは別途掲示等で知らせる。オフィスアワー以外の放課後、休憩時間にも可能であれば質問を受け付ける。
注意点:
授業での到達目標が達成され、化学に関する基礎的な概念や法則が習得できたかを評価する。成績は定期試験、実験レポート、小テストをもとに総合的に評価する。
評価点は定期試験(70%)+実験レポート(20%)+小テスト(10%)の割合で算出する。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
修学ガイダンス、化学と人間生活 |
化学と人間生活の関係において金属、プラスチックの用途や、化学物質の有効性や環境リスクを理解している。
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2週 |
純物質と混合物、化合物と元素、物質の三態 |
純物質と混合物、化合物と元素について理解している。物質の三態を知っている。
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3週 |
物質の三態、原子の構造/学生実験「混合物の分離」 |
物質の三態および原子の構造について理解している。
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4週 |
元素の周期律と元素の性質 |
元素の周期律と元素の性質について理解している。
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5週 |
イオンとイオン結合、共有結合 |
イオンの生成とイオン結合、および共有結合について理解している。
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6週 |
配位結合、分子間力 |
配位結合について理解している。分子間力について理解している。
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7週 |
金属結合と金属結晶の構造/学生実験「結晶の電気伝導」 |
金属結合と金属結晶の構造について説明できる。
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8週 |
化学結合と物質の分類・用途 |
化学結合と物質の分類・用途について理解している。
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2ndQ |
9週 |
前期中間試験までの復習(前期中間試験) |
前期中間試験までの学習内容を理解する。
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10週 |
原子量・分子量・式量 |
原子の相対質量や原子量・分子量・式量について理解している。
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11週 |
物質量 |
物質量について理解している。
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12週 |
物質量、溶液の濃度 |
物質量や濃度を理解し、基本的な計算ができる。
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13週 |
化学反応式と量的関係/学生実験「分子量の測定」 |
化学反応式の表す意味を理解し、化学反応式を書くことができる。
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14週 |
化学反応式と量的関係/化学の基本法則と原子説・分子説 |
化学反応式を使った基本的な計算ができる。化学の基本法則を理解している。
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15週 |
水素イオン濃度とpH、酸と塩基 |
酸と塩基を説明でき、水素イオン濃度とpHの関係を理解し、基本的な計算ができる。
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16週 |
前期末試験までの復習(前期末試験) |
前期末試験までの学習内容を理解する。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
中和反応と塩の生成、中和滴定 |
塩の生成を含め中和反応を説明でき、中和滴定の基本的な計算ができる。
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2週 |
酸化と還元 |
酸化と還元について理解している。
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3週 |
酸化剤と還元剤 |
酸化数、酸化剤と還元剤について理解している。
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4週 |
金属の酸化還元反応 |
金属の酸化還元反応、イオン化列について理解している。
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5週 |
電池 |
電池の原理やダニエル電池、鉛蓄電池について理解している。
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6週 |
電池、電気分解 |
一次電池、二次電池について理解している。電気分解の原理を理解している。
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7週 |
電気分解/学生実験「電気分解」 |
電気分解の基本的な計算ができる。
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8週 |
後期中間試験までの復習(後期中間試験) |
後期中間試験までの学習内容を理解する。
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4thQ |
9週 |
物質の三態、状態変化 |
物質の状態変化を粒子運動から理解している。
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10週 |
気体の性質、気体の状態方程式 |
気体の性質を説明し、ボイルーシャルルの法則や気体の状態方程式、分圧について基本的な計算ができる。
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11週 |
固体・気体の溶解度、再結晶 |
固体の溶解度や再結晶の原理を説明し、基本的な計算ができる。ヘスの法則を理解している。
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12週 |
蒸気圧降下と沸点上昇、浸透圧、コロイド |
蒸気圧降下と沸点上昇、浸透圧について説明し、基本的な計算ができる。コロイドについて理解している。
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13週 |
固体の構造(イオン結晶,非晶質) |
固体の構造(イオン結晶,非晶質)について理解している。
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14週 |
反応熱と熱化学方程式 |
反応熱を理解し、熱化学方程式を作ることができる。
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15週 |
ヘスの法則,化学反応と光 |
ヘスの法則を使った基本的な反応熱の計算ができる。化学反応と光について理解している。
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16週 |
学年末試験までの復習(学年末試験) |
学年末試験までの学習内容を理解する。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 化学(一般) | 化学(一般) | 代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。 | 1 | 前1 |
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。 | 1 | 前1 |
物質が原子からできていることを説明できる。 | 1 | 前1 |
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。 | 1 | 前1 |
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。 | 1 | 前1 |
純物質と混合物の区別が説明できる。 | 1 | 前1 |
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。 | 1 | 前1 |
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。 | 1 | 前2 |
水の状態変化が説明できる。 | 1 | 前2 |
物質の三態とその状態変化を説明できる。 | 1 | 前2,後9 |
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。 | 1 | 後10 |
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。 | 1 | 後10 |
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。 | 1 | 前3 |
同位体について説明できる。 | 1 | 前3 |
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。 | 1 | 前3 |
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。 | 1 | 前3 |
価電子の働きについて説明できる。 | 1 | 前3 |
原子のイオン化について説明できる。 | 1 | 前5 |
代表的なイオンを化学式で表すことができる。 | 1 | 前5 |
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。 | 1 | 前4 |
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。 | 1 | 前4 |
イオン式とイオンの名称を説明できる。 | 1 | 前5 |
イオン結合について説明できる。 | 1 | 前5,前8 |
イオン結合性物質の性質を説明できる。 | 1 | 前5 |
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。 | 1 | 前5 |
共有結合について説明できる。 | 1 | 前5,前8 |
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。 | 1 | 前5 |
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。 | 1 | 前7 |
金属の性質を説明できる。 | 1 | 前7,前8 |
原子の相対質量が説明できる。 | 1 | 前10 |
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。 | 1 | 前10 |
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。 | 1 | 前11,前12 |
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。 | 1 | 前11 |
気体の体積と物質量の関係を説明できる。 | 1 | 前12 |
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。 | 1 | 前13,前14 |
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。 | 1 | 前13,前14 |
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。 | 1 | 前12 |
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。 | 1 | 前12 |
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。 | 1 | 前12 |
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。 | 1 | 前15 |
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。 | 1 | 前15 |
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。 | 1 | 前15 |
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。 | 1 | 前15 |
中和反応がどのような反応であるか説明できる。 | 1 | 後1 |
中和滴定の計算ができる。 | 1 | 後1 |
酸化還元反応について説明できる。 | 1 | 後2,後3 |
イオン化傾向について説明できる。 | 1 | 後4 |
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。 | 1 | 後4 |
ダニエル電池についてその反応を説明できる。 | 1 | 後5 |
鉛蓄電池についてその反応を説明できる。 | 1 | 後5 |
一次電池の種類を説明できる。 | 1 | 後6 |
二次電池の種類を説明できる。 | 1 | 後6 |
電気分解反応を説明できる。 | 1 | 後6 |
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。 | 1 | 後7 |
ファラデーの法則による計算ができる。 | 1 | 後7 |
化学実験 | 化学実験 | 実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。 | 1 | 前3 |
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。 | 1 | 前3 |
測定と測定値の取り扱いができる。 | 1 | 前7,前13,後7 |
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。 | 1 | 前7,前13,後7 |
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。 | 1 | 前3,前7,前13,後7 |
ガラス器具の取り扱いができる。 | 1 | 前3,前7,前13,後7 |
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。 | 1 | 前3,前7,前13,後7 |